ケニチのブログ

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C.マッケラス+RLPO=ホルスト「惑星」他

2016-02-14 | 音楽 - ホルスト
 先日買ったCDを聴いた.C.マッケラス指揮+ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団による,ホルスト・組曲「惑星」ほか.

 終始丁寧でかつ一定の迫力を持ち併せた模範的演奏.ロイヤル・リヴァプールPOは技術的に万全でないながらも,ある種の暗さを持った金管楽器群を中心に充実のアンサンブルを繰り出している.マッケラスの棒も,奇を衒ったところのない至極正統なもの.このなかでは,程よい推進力と木のバチで叩くティンパニの硬質な響きが魅力の「火星」,抑制された曲作りが却って天国的な気分を作る「金星」,こぢんまりとした室内楽的な「水星」,強奏時にもうるさくならず中間部では美しいカンタービレも聴かれる上品無比の「木星」,ヴィブラートを抑えた木管セクションがやたら不気味な「土星」,細部に拘泥して勢いが失われる箇所がないではないが,チューバへのフォーカスが耳に新しく,クライマックスの総奏では大いに盛り上げる「天王星」が,とくに気に入った(ほとんど全曲だな).最後の「海王星」はえらく控えめで雰囲気に乏しいものの,後半の女声合唱は柔らかかつ音程が抜群に良く,神秘的なラストシーンを演出する.また,この場面の前代未聞の速さに驚くが,「Allegretto」のテンポ指定に率直に従ったものであろう.録音は極めて鮮明.これも愛聴盤の一つになりそうだ.


HOLST: The Planets
Royal Liverpool Philharmonic Orchestra,
Sir Charles Mackerras (conductor),
Conifer Records,ASP 5003

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