先日買ったCDを聴いた.M.スターン指揮+カンザスシティ交響楽団による,ホルスト「惑星」ほか.
終始やや遅めのテンポを採り,譜面を正確かつ念入りに追った演奏.スターン率いるカンザスシティ響は,高水準の技術で明るい音色のアンサンブルに安定しているが,各セクションとも過剰に抑制されており,この曲ならではの迫力や広がりを全く感じられないのは残念.ふだん埋もれがちなパートが露出して耳に新しいものの,ただそれだけのことであり,すべての音符がことごとくむき出しで聴こえてくるさまは,音楽の生き生きとした流れや陰影を損なうのみならず,プレイヤーたちの作為をとかく際立たせて,気色が悪いのである.録音は鮮明であるが,それぞれの楽器を間近から集音し,鑑賞者の周囲に人工的に貼り付けたような,これまた胡散臭いサウンド.実際,編集点らしきノイズの変動が頻繁に聴かれ,エンジニアによる操作をいちいち思わせて,はなはだ興ざめである.
HOLST: THE PLANETS (SACD-Hybrid)
Michael Stern (conductor),
Kansas City Symphony,
REFERENCE RECORDINGS,RR-146SACD
終始やや遅めのテンポを採り,譜面を正確かつ念入りに追った演奏.スターン率いるカンザスシティ響は,高水準の技術で明るい音色のアンサンブルに安定しているが,各セクションとも過剰に抑制されており,この曲ならではの迫力や広がりを全く感じられないのは残念.ふだん埋もれがちなパートが露出して耳に新しいものの,ただそれだけのことであり,すべての音符がことごとくむき出しで聴こえてくるさまは,音楽の生き生きとした流れや陰影を損なうのみならず,プレイヤーたちの作為をとかく際立たせて,気色が悪いのである.録音は鮮明であるが,それぞれの楽器を間近から集音し,鑑賞者の周囲に人工的に貼り付けたような,これまた胡散臭いサウンド.実際,編集点らしきノイズの変動が頻繁に聴かれ,エンジニアによる操作をいちいち思わせて,はなはだ興ざめである.
HOLST: THE PLANETS (SACD-Hybrid)
Michael Stern (conductor),
Kansas City Symphony,
REFERENCE RECORDINGS,RR-146SACD
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