ガッティ+フィレンツェ五月音楽祭=ストラヴィンスキー「エディプス王」他

　先日買ったCDを聴いた．D.ガッティ指揮+フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団＆合唱団による，ストラヴィンスキー『エディプス王』ほか．

　遅めのテンポを採り，譜面をとにかくも追った演奏．ガッティ率いるフィレンツェ五月音楽祭は，個々の技術はさておき，アンサンブルとして散漫で，初めての通し稽古のような状態．譜読みは雑，拍は揃わないし，誰かが入りを間違える，テンポが一定しないなど惨々である．また，独唱陣も終始力んで表情が硬く，オーケストラと合わせる気のない，勝手な進行もしばしば．録音は鮮明だが，低音域がやや弱い．また，ステージと客席からのノイズを大きく拾っているのも残念．

　同曲の名盤がいくつも出ている現代に，これだけのひどいレコーディングをリリースできる勇気に感服する．


STRAVINSKY - Oedipus Rex
Orchestra e Coro del Maggio Musicale Fiorentino，
Daniele Gatti (conductor)，
DYNAMIC，CDS7981