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加藤文元「宇宙と宇宙をつなぐ数学」

2020-05-09 | 数学・科学
 先日買った本を読み終えた.加藤文元・著『宇宙と宇宙をつなぐ数学』.

 「ABC予想」証明をも可能にするという宇宙際タイヒミュラー理論を,その理念や意義といった,ごくキャッチーな切り口で紹介する手引き書.数式を多用したり,専門的な内容に深入りすることを避けた平易な記述は美点で,同理論の画期的なアイディアと魅力をじゅうぶんに伝えている.そのいっぽうで,テクニカルな部分をことごとく素通りするのはやはりすっきりせず,最新の研究のちょっとでも分かった気になりたかった身としては,物足りなさが残る.また,全体に亘って,どういうわけだか同じ説明が何度も繰り返されるのは鬱陶しく,著者はただ字数を量増ししているのではないかと思うほどだ.


加藤文元: 宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃
角川書店,2019,
ISBN 978-4-04-400417-0
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