ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

沢辺有司「日本語 150の秘密」

2018-05-12 | 日本語・言葉
 先日買った本を読み終えた.沢辺有司・著『日本語 150の秘密』.

 日本語をめぐる至極キャッチーな話題―その成立ちから漢語・ローマ字との関連,国語教育や現代の流行り言葉に至るまで―を多数並べたエッセー集.個々の内容はよく調べられており,初めて知るような事がらも少なくないのであるが,本全体で何が言いたいのか今一つ分からず,冗漫な印象.また,細部で平凡な記述ミスを犯していたり,方言周圏説や敬語の正誤に関してはやや根拠の弱い決めつけをしているなど,論文として脇が甘いのも残念.


沢辺有司: 日本人として知っておきたい・日本語 150の秘密
彩図社,2016,
ISBN978-4-8013-0164-1

中山裕木子「英語は3語で伝わります」

2017-11-27 | 日本語・言葉
 先日買った本を読み終えた.中山裕木子・著『会話もメールも英語は3語で伝わります』.

 シンプルでかつ伝わりやすい英作文の方法を,懇切丁寧に紹介したマニュアルブック.その技術の種類は多岐に渡っているが,僕なりに重要なポイントをまとめると次のとおり:
    ・be動詞を使うな!
    ・受動態でなく能動態を使え!
    ・誰でも知っている平易な単語を使え!
 とくに,三番目の項目に関しては,僕が今なお信条にしている,D.バーカー直伝の「辞書を引くな!知っている単語だけを使え!」にも大いに通ずるものだ.日ごろ高度な文法を用いようとして,却ってコミュニケーションを困難にしてしまいがちな僕たち日本人にとって,耳の痛い,しかし有益な教本だ.


中山裕木子: 会話もメールも英語は3語で伝わります
ダイヤモンド社,2016,
ISBN 978-4-478-06940-0

むすび座「チト」

2017-08-25 | 日本語・言葉
 昼すぎ,緑文化小劇場にて上演された,むすび座『チト』を観た.石油利権をめぐって戦争は起ることや,軍事産業が現代社会を潤していること,法治主義の建前と現実,それらが生み出す貧富の差など,目をそむけたくなるような世の中の病理を,ごまかすことなく露骨に描いた脚本に対して,チトがあまりに幼稚で,いかにも「日本人受けする子ども」として演じられたことに大きな違和感.せっかくのバンド伴奏による歌のシーンも意外に少なく,打込みの音楽やSEに圧倒されていたのは残念だったし,その少なかった歌も,フォークソング崩れの粗末な代物ばかりでさらにがっかり.それでも,死んだヒゲさんを追いかけて主人公が天上へ行くラストシーンは美しく,ちびっ子のお客も多い会場を独特の静寂と共感が流れた(ように思った).また,ステージだけでなく客席にまで花がいっぱいに咲くしかけが施されていたのは壮観だった.

 帰りの電車内で,思いがけずHとKにそれぞれ会った.


人形劇団むすび座: チト みどりのゆびをもつ少年
【出演者】人形劇団むすび座
【日時】2017.8.25 14:00-
【場所】名古屋市緑文化小劇場

偶然の旅行者

2016-12-16 | 日本語・言葉
 夜,G/PITにて行なわれた,『偶然の旅行者』を観た.訪問者と住人によって淡々と対話が繰り広げられるダイアローグ.


偶然の旅行者
【スタッフ】北村想 (脚本),鹿目由紀 (演出)
【出演者】徐梨恵 (晦ひろ),空沢しんか (おと) ほか
【日時】2016.12.16 19:30 開演
【場所】G/PIT

出雲の阿国 〜いざや傾かん〜

2016-12-09 | 日本語・言葉
 夜,名古屋能楽堂にて行なわれた,『出雲の阿国 〜いざや傾かん〜』を観た.全編に亘り説明調の穏やかな作風.


出雲の阿国 〜いざや傾かん〜
【スタッフ】ふじたあさや (作),木村繁 (演出)
【出演者】徐梨恵 (出雲の阿国) ほか
【日時】2016.12.9 18:30 開演
【場所】名古屋能楽堂