NBA INS 'N' OUTS

かんたん解説 NBAなんでもとーく

おもしろくなってきました

2010年04月27日 | '09-10 シーズン

追いつかれてきたので、2日分まとめてw

【レイカーズ×サンダー GAME4】

おもしろくなってきましたね~
サンダーがホームで連勝し、シリーズをタイに持ち込みました。
最初に言いましたが、今年のレイカーズは本調子ではないです。
サンダーは楽に勝てる相手ではなく、“戦える”チームです。
自分たちの持ち味を発揮し、うまく相手の弱点を突いていけば、互角の勝負をすることができます。

再三申し上げているように、レイカーズの弱点はスピードあるPGに対するディフェンスです。
GAME3で27点、3試合までの平均で23点・FG55.3%と当たっているウェストブルックは、ほぼフリーパス状態でペネトレイトを続けています。
脚力の衰えた35歳のフィッシャーにそれを守れというのは酷な話で、これは昨年のプレーオフでロケッツのアーロン・ブルックスにいいようにやられたことからも明らかでした。
僕は昨年のプレーオフの時点でも、今年のトレードデッドラインの時にも指摘していましたが、レイカーズはこの課題をスルーしてきました。

この試合、勝敗を分けた一番のポイントは、フリースローの獲得数でした。
レイカーズの28本に対し、サンダーは倍近い48本。
それを87.5%の確率で沈め、FTだけで42点を稼ぎ出しました。
そのほとんどがアウトサイド系の選手でしたが、FT獲得数が多いということは、それだけそのポジションから攻めているということになります。
それも、身体接触が発生するペネトレイトを徹底して行ったという証拠です。

前回も言いましたが、レイカーズがその強みを生かせるのは、やはりビッグマンを多用することだと思います。
サンダーには、ガソール&バイナムの7フッターコンビに対抗する高さもパワーもありません。
つまりそこにボールを集めて重点的に攻められたら、サンダーは成す術がなくなるんですね。
サンダーはレイカーズのガードを攻める、レイカーズはサンダーのインサイドを攻める。
そのミスマッチの突き合いに、どっちが最後まで耐えられるか。
そんな戦いな気がします。



サンダーのホームコートは青一色でスゴかったですね


【サンズ×ブレイザーズ GAME4】

GAME2と3を大勝して、このまま余裕勝ちか?と思われたこのシリーズですが、にわかにおもしろくなってきました。
そのきっかけを作ったのは、まさかのブランドン・ロイ復帰でした。
ヒザの手術を受けてから、わずか8日後というから驚きです。
手術自体は軽かったんでしょうが、それでも次のシリーズに間に合えば・・・・という感じでした。
そんなわけで、まさかまさかの復帰だったわけです。

ブレイザーズは、そんなエースの復帰に触発されたのか、息を吹き返します。
不調に喘いでいたオルドリッジがFG11/19の31点・11リバウンドと復活、ロイも勝負所の4Qで貴重なショットを決めるなどして要所を締め、シリーズをタイに戻しました。
ロイがすぐに40分級の出場時間になるとは考えにくいんですが、ロイがどのぐらいプレーできるかによっては、GAME5以降の展開もわからなくなってきますね。
これは今後の戦いが非常に楽しみになってきました。



ロイは大事な場面で3Pなど貴重なショットを決める活躍


【ホークス×バックス GAME3】

ホームコートアドバンテージというのはNBAでよく使われる言葉ですが、今年のプレーオフはホントにそれを感じますね。
どんなに勝てなさそうなチームでも、ホームに戻ると1勝をもぎ取ったり、接戦を演じたりしています。
バックスもホームに戻って息を吹き返しました。
誰が活躍したというより、ゲームのスタートからエンジン全開という感じで、みんなが決めていました。

細かい話で言うと、ジョシュ・スミスを抑えたことは大きかったですね。
デルフィーノがマッチアップした時はやられていましたが、ンバムーテやイリャソワがついた時は効果的なディフェンスができていました。
やはり前回お話をしましたが、イリャソワをスタートから使ってスミスにマッチアップさせる方がいいと思います。
ンバムーテがジョー・ジョンソンにつき、イリャソワがスミスにつくことで、少なくともミスマッチは最小限に抑えられるはずですので。



バックスは少ない戦力で意外な頑張りを見せてます


【マジック×ボブキャッツ GAME3】

ボブキャッツもホームに戻って一矢報いるかと思ったんですけど・・・・惜しかったですね。
あと1本というところまでいったんですけどねえ~
ジョーダンのガックシきてる姿がカメラで抜かれていて、ちょっと気の毒になりましたw
唯一のスウィープ負けにならないよう、次に賭けるしかないですね。
ジェラウォー頑張れ~
とにかく誰か点取ってくれ~w



GAME1で32点、このGAME3でも32点と好調のジャミーア


【セルティックス×ヒート GAME4】

いやあ~、ウェイドすごすぎw
46点の大爆発で、スウィープ負け濃厚だったヒートを救いました。
4Qだけで19点をもぎ取り、1人でセルティックスの15点を上回りました。
苦手な3Pも7本中5本決める、本人もビックリのシューティングタッチでした。

ただ・・・・素直には喜べないですね。
GAME3の最後にヒザを痛めてコートに立っていられなかったのに、2日後のゲームには43分出場してフル回転。
ここまで身体を張って1人で奮闘していたら、当然ケガも増えるし、いつか身体が持たなくなってしまうんじゃないかと心配しています。

本人はヒート残留に前向きなコメントをしているようですが、本人のためにも、もっとサポーティングキャストが充実したチームに行った方がいいのではないかと。。
このまま酷使され続けて、それでも成果がわずかしか得られないようなチームにいても、せっかくの才能を埋もれさせてしまうだけのような気がしてしまいます。

このシリーズでも、毎試合20本以上のショットを放ちながら、FG60.5%という驚異的な成功率で平均33.8点を叩き出しています。
それでも1つ勝つのがやっとなわけですから・・・・
ウェイドのことを考えると、頼れるチームメイトがいるチームや、マネージメント能力に優れたフロントのチームに行ってほしいなと思ってしまいます。



あまりの好調さに自分の右手を見つめるウェイドさんw


【キャブス×ブルズ GAME4】

ブルズが1つ返したことで、キャブスを本気にさせちゃったんですかね?
ルブロンの37点・12リバウンド・11アシストという超絶トリプルダブルもスゴイんですが、チーム全体でFG53.2%・3P48.0%の121得点というのもスゴイです。
まあ、横綱相撲といったところでしょうか。

ブルズは、“完璧なデキじゃないと勝てない”と言いましたが、やはり何度もそういうゲームができるわけじゃありません。
ノアの21点・20リバウンドはスーパーな活躍でしたが、ハインリックのシューティングタッチはいつもの調子に戻ってしまいました。
シリーズは次のGAME5で終わりそうです。



シリーズ平均35点・9リバウンド・8アシスト・FG58.9%です


【ナゲッツ×ジャズ GAME4】

最終スコアだけ見ると感じないかもしれませんが、中身は終始ジャズがリードする一方的な展開でした。
メロは1人で奮闘しているものの、チームメイトの援護は得られず。
得点だけでなく、リバウンドにディフェンスにと身を粉にしてプレーしながら、勝利という結果を得られない姿は、痛々しくさえ思えました。

ジャズはチーム全体でスムーズにパスが回り、フリーになった選手が打つというシンプルなバスケット。
いつもいい形で無理なくショットが打てているので、全員のFG成功率が高くなっています。
ベストメンバーが組めなくても全く問題はないんじゃないかと思えるほど、安定したバスケットを展開していました。
チームワークと献身さの違いが顕著に出てしまっています。



インサイドの献身的な働きぶりの違いも勝敗のポイントに


【マブス×スパーズ GAME4】

この両チームの対戦は、またもドッグファイトの様相に。
退場者も出すフィジカルなぶつかり合いが続く一方で、両チームとも決めるべき選手のショットが決まらないジリジリとした展開。
そんな中輝きを放ったのは、伏兵ジョージ・ヒルでした。
ヒルはFG11/16・3P5/6の29点と大爆発。
ショットに苦しむダンカンやまにゅ~を助け、接戦を制す立役者になりました。

この試合でもやはり、HCの選手起用に差を感じました。
スパーズの方は、調子のいい選手を長く使うなど、ケースbyケースの柔軟な対応。
例えばヒルは、不調だったGAME1は先発にもかかわらず18分しか出場時間をもらえませんでしたが、絶好調だったこの日はチームハイの45分出場とほぼ出ずっぱり。
ポジションが重なるパーカーの出場時間を、このシリーズ最短の27分に抑えてまでヒルに出場時間を与えました。

マブスはと言うと、例えば中心選手のノビツキーとキッドは、どんなに調子が悪くても出し続けています。
エースのノビツキーはまだしも、キッドをほとんど下げようとしないのは疑問が残ります。
キッドは、このシリーズ通算のFG成功率がたったの28.6%しかありません。
普通だったら、先発どころか試合にすら出してもらえないようなヒドイ数字です。
でも、このシリーズでの平均出場時間は42.0分なんですね(!)

キッドのプレーメイキングスキルがあると安心なので、出しておきたいという気持ちはわかります。
しかし、ショットの調子が悪いとわかっていたら、残りの4人で決めなくてはいけなくなるし、相手もマークを絞ることができます。
それにキッドは確かに素晴らしい司令塔ですが、マブスに代わりがいないわけじゃありません。
キッドの出場時間を10分減らして、その分をバレアに任せることだってできるわけです。
得点力という意味では、このシリーズ全くと言っていいほど使っていないボブアを起用する手だってあります。

展開や流れに応じて柔軟に選手起用を行っているスパーズと、好調・不調にかかわらずいつものメンバーを使い続けるマブス。
マブスは、選手層の厚さというせっかくのアドバンテージを、固定されたローテーションで無駄にしてしまっているという印象です。
逆にスパーズは、頼れる戦力が4人しかいないのをうまくごまかしながら、限られた戦力から最大限の力を引き出している印象です。
よくスパーズは試合巧者と呼ばれますが、選手のプレーだけを指すのではなく、ベンチのマネージメントなどを含めての“試合巧者”なんだなと実感します。



伏兵ジョージ・ヒルがチームを救う大活躍



ダラスはちゃんと作戦を練らないと・・・・


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12 コメント

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Unknown (Baron)
2010-04-27 14:47:06
日本の解説者が、サンダーのFT獲得数が多かったのを、ホームコートだったから、審判の笛が甘かったんだろうと言ったのには言葉を失いましたw。

ライリーは名HCですが、GMとしてはイマイチですね。
ヒートもボッシュとれたりしたら一気に変わりそうな気もしますが。
フロリダの魅力に掛けるしかないかな~w

メロは大好きなんですけどね~
自称タフガイがもっと頑張ればいいんですがね、せっかくの身体能力をダンクにしか使ってないですもんね。
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Unknown (P)
2010-04-27 17:19:50
ホームコートの笛が甘いのは、むしろ常識だと思いますが…。
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Unknown (ラッシュ)
2010-04-27 21:07:13
ウェイドがGAME4で46点と爆発しましたね~ただ、ウェイド以外の選手が得点に絡まないと勝てないんですよね。仮に次の試合で負けてオフシーズンはどうなるんでしょうね?ウェイドはヒートに残留かあるいは移籍かってありますよね~今年は離婚問題の影響で世界選手権には辞退したようですし…


今後注目ですね。
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Unknown (louis)
2010-04-27 21:30:58
毎回楽しく拝見させていただいてます。
私はシカゴファンなのですが、今FAでスター級の選手が来てくれるか心配です。
理想はJJとボッシュが来てくれたらいいのですが、シカゴは近年マネージメントがうまくないので(汗)
manuさんはシカゴが大物FAを獲得できると思いますか?
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Unknown (メロメロ)
2010-04-28 00:43:38
フィッシャーはきりきり舞いでしたね。
サンダーのバスケットは非常におもしろいですが、正直キャブスに優勝してほしくないので、フロントコートの強いレイカーズに進んでほしい気持ちもあります。

どこかで目にしましたが、プレーオフでは一層インサイドが収縮し、そのためスピードのあるガードが大活躍するらしいです。

実際そうかなと感じます。ローソンくんもチームにスピードをもたらすだけでなく、1人でかき回しちゃってほしいです。
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首の皮一枚 (teru)
2010-04-29 12:43:21

いやぁmanuHCの言う通りになりましたねぇ。(笑)

レイカーズはコービーがウェストブルックを抑えバイナムが点を取り完勝でした。KDも不発と…

サンズ対ブレイザーズはJsports+で見たんですが、いやはやエースの復活劇は鳥肌もんですな。会場の空気が変わります。

ちょっと足早ですが、スコットブラザーズの相方のDF力が発揮されました。まさかのホークスの一回戦負けはあるんでしょうか?そうなる→がバックス勝利→マイク・ウッドソンHCクビ→JJ放出&マジック連続スウィープ!?

バトラー爆発のマブス、NICE!!いつもあれだけ外が当たればいいのになぁ。
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Baronさんへ (manu)
2010-04-29 12:53:25
うわうわうわ、マジですか?
すいません、僕はもう日本語の解説はバカバカしくて一切聞かないので知りませんでしたw

仮に笛が甘かったとしても、積極的なドライブなどを仕掛けないとファールも生まれません。
FT獲得数が多かったのは、それだけ“FTをもらえそうなプレーを多くした”、つまりはアグレッシブなプレーを選択したということを意味すると思いますんで、それを審判のせいだけに結論づけるのは乱暴というか、安直です。

それにプレーオフというのは、レギュラーシーズンよりも身体接触が多くなるので、ゲームをコントロールするために審判が早めの笛を吹くこともよくあります。
なので、それを逆手に取って普段より多めにドライブインするのも一つの作戦だし、今回の場合サンダーとしては徹底的にレイカーズの弱点を攻めなきゃ勝てないわけで、それがドライブイン多用という方向に行くことはある意味当然ですんで。

はい、ライリーはGMとしてはイマイチです。
ウェイドにサポートがないのも、GMとしての手腕がマズイからですね。
だからウェイドのためを思うと、他のチームに行った方が・・・・と言いたくなってしまうのです。。

メロも孤軍奮闘でかわいそうです。
自称タフガイは相変わらず足を引っ張ってますね。
3Pラインをウロウロしてリバウンドにも行かず、その分早めにディフェンス戻ったのかと思いきや、速攻に走ってきた相手ガードを素通りさせてました。
その間、オフェンスリバウンドを1人で争ってから、反対側のリングまで全速力で走ってブロックにも跳んでいたバードマンの姿を見て涙しました・・・・(笑)
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Pさんへ (manu)
2010-04-29 12:54:58
そう言われてはいますが、一概に全てのゲームがそうだとは言い切れません。
それは個々のゲームを見てればわかると思いますよ。
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ラッシュさんへ (manu)
2010-04-29 13:06:24
ウェイドはあまりにもサポーティングキャストが貧弱すぎますね。
ウェイド1人の力でプレーオフに出場し、ウェイド1人の力でプレーオフも戦っている感じです。
せめてもう少しチーム力があれば、カンファレンス上位を戦えるようになるでしょうし、毎年ルブロンやコービーらと同じ舞台でしのぎを削るような戦いを見たいと思ってしまいます。

なので個人的には、もっとベースとなるチーム力の下地があるチームに行ってほしいんですよね。
その方がチームとして成功しますし、ウェイドもより上の舞台で力を発揮できると思いますんで。
必死にやって、1回戦で1試合だけ何とか勝つんではなく・・・・

ただ、ウェイド自身が残留を望むようなコメントをしているのが気になりますね。
ヒートに残って、いい選手を呼ぶという考え方もあるんでしょうが、僕はヒートがこの先もエリートチームになれるとは思いません。
なのでウェイドには、勝てるチームに移ってほしいなと思っています。
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louisさんへ (manu)
2010-04-29 13:30:13
コメントありがとうございます~

シカゴはいいFAを取れるポジションにいますね。
FA戦線でライバルになりそうなキャップの空きがあるチームは、だいたいが下位チームです。
ニックス、ネッツ、クリッパーズなどですね。
そういう意味では、既にプレーオフチームであるシカゴは有利ですね。

大きなライバルになりそうだとしたらサンダーぐらいでしょうか?
サンダーがサイン&トレードをうまく絡めてきたら、大物をGETしそうですけどね。
でもストレートでFAを契約できるチームの中では、一番有利な立場にいると思います。

シカゴ出身のウェイドを引っ張ってこれたらベストだと思いますが、大穴が空いているPFを埋めるのも現実的な選択肢です。
No.1のターゲットはボッシュですね。
他にもノビツキーやアマレという可能性もありますから、少なくとも誰かはオールスター級の選手を取れるはずです。

JJ&ボッシュが取れたら万々歳だと思いますよ。
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