NBA INS 'N' OUTS

かんたん解説 NBAなんでもとーく

Back to Earth

2008年03月24日 | '07-08 シーズン

ロケッツの連勝は結局、22まで伸びてSTOPしましたね。
ガソール抜きのレイカーズを倒したまでは良かったんですが、レイ様抜きのセルティックスに20点差の完敗。
するとタガが外れたように、続くホーネッツ戦も20点差負けで連敗。
ウォリアーズには辛勝したものの、サンズ戦ではまたも前半だけで20点差近くをつけられて完敗しました。

英語で“back to earth”と表現したりしますが、一気に地上に戻された=現実に戻されたといった感じです。
真の強豪チームとあたり、さて本物の実力はいかほどか?という視線が注がれましたが、うーん、まあやはりこのぐらいなのかなという感じです。
つまり、ウェスタンのトップチームというよりは、ダークホースレベルということですね。



うぬぬぬぬぬぬぬ・・・・・・・


連勝が止まっただけでなく、4戦で3敗するということは、今の超接近戦のウェスタン順位争いの中で大きなしっぺ返しを食らいます。
同率首位対決でレイカーズを破り、ウェスタン単独首位に立ったのもつかの間、4戦3敗でプレーオフのシード順は5位まで下がりました。
一つの連敗で順位は2~3スポット変わってきます。
何連勝しても、その後連敗したらズルズル落ちていきます。
負ければ終わり、これこそまさに“サバイバルレース”という感じです。

いつものように。ウェスタンの勝率順です。
(プレーオフのシード順ではありません)

1 レイカーズ   48-21  - .696
2 ホーネッツ   47-21  ½ .691
3 サンズ     47-22  1  .681
4 ロケッツ    47-23 1½ .671
5 スパーズ   46-23  2  .667
6 ジャズ     46-25  3  .648
7 マブズ     44-25  4  .638
8 ウォリアーズ 42-26  5½ .618
9 ナゲッツ    42-26  7  .594

レイカーズは安定してますね。
ホーネッツ⇒ロケッツ⇒マブズ⇒ジャズと強豪ばかりを相手にした地獄のロード4連戦があったんですが、そのドアタマにガソールを捻挫で失うという大ピンチに陥りました。
その影響でホーネッツ、ロケッツに連敗し、このままズルズルいくのかなという危険がありましたが、ここでコービーとオドムの両輪が踏ん張り、マブズとジャズを敵地で破ることに成功しました。
この2勝はチームにとって非常に大きな勝利であり、レイカーズをウェスタントップに踏み止まらせました。

ホーネッツも素晴らしいですね。
先述したように、ロケッツとレイカーズを破っただけでなく、今月だけでもスパーズやセルティクスから勝ち星をあげていて、単なる“勢い”だけでは片付けられない結果を残しています。
ロケッツの連勝は確かに“勢い”かなと思いますが、ホーネッツの好成績は“本物”だと思いますね。

特にクリスP君の頑張りには、目を見張るものがあります。
3月の月間成績は
平均25.3点/13.2アシスト/2.8スティール/FG59.9%/3P48.3%
FGを60%決めながら、アシストも13本ですよ。
スゴイですねえ~

さらに今季トータルで見ても、20点&15アシストというゲームを9試合記録しているそうです。
そんなに驚きがないですか?
クリスP君以外で20点&15アシストを残したのは8試合だそうです。
全選手合計で、ですけどね。

プレーオフで勝ち抜くにはスターパワーが足りないとも言われますが、クリスP君がこの活躍を維持する限り、どのチームにとっても侮れない相手になるのは間違いないでしょうね。



「くりすぴぃ~!」(女の子が必死)


逆に苦しくなってきたのがスパースとマブズ。

いつも安定しているはずのスパーズは、今月に入って2度の連敗を喫しています。
特にホーネッツ⇒ピストンズ⇒シクサーズ⇒セルティックスと4連敗を喫したのが痛かった。
まだ首位まで2ゲーム差ですが、シード順では6位にまで沈みました。

カート・トーマスの加入は非常にいい動きでしたが、全体的な選手の高齢化とベンチのタレント不足が影を落とし始めています。
オフェンスはまにゅ~のクリエイト能力に頼ることが多くなりましたが、若干好不調の波があるまにゅ~に頼りすぎるのは良くありません。

それと、ディフェンスもかつての鉄壁さが薄れ、特にペリミターで相手のスピードについていけない場面が出てくるようになりました。
ガードやウィングにスピーディな点取り屋がいるチームや、全体的に早いオフェンスを展開するチームに対峙するのが苦しくなってきたということです。
僕が開幕前に心配していた高齢化の弊害が、いよいよ迫ってきたのかなという印象です。



スパーズは低空飛行??


マブズも良くありません。

キッドの加入後、イマイチ調子に乗れないというお話をしていましたが(ブログ)、さらに良くない傾向なのが“強豪に弱い”という点です。
下位チームには勝っているものの、プレーオフでライバルになってくる真の強豪には勝ててないんですね。
ホーネッツ、スパーズ、レイカーズ、ジャズ、ロケッツ、レイカーズ、セルティックスと、強豪相手には0勝7敗なんです。

「キッドが相手SGを守る問題」は、先日僕も指摘した通り、テリーをベンチに下げてスタックハウスを先発させることで対応しています。
ただキッドのシューティングがあまりに悪すぎるんですねえ~
これはいかんともしがたいです。
3月の月間成績を見ると、FG36.1%で平均7.5点。
シーズンを通しても、FG成功率は37.6%に過ぎません。

別にキッドがシュート決めなくたっていいじゃないか。
そう思われるかもしれませんが、そう単純な話でもないんですね。
NBAはミスマッチを突くのがセオリーです。
相手ディフェンスにしてみれば、キッドはある程度フリーにして打たせてもいい。
その代わりキッドのディフェンダーを、ノビツキーやジョシュ・ハワードへのダブルチーム要員として送り込むわけです。

毎度毎度キッドがキラーパスを通せればいいですが、そんな甘くはありません。
ノビツキーやハワードがコンスタントにダブルチームされる⇒フリーのキッドが打たざるをえない⇒でも入らない、という悪循環が生まれてしまうんですね。
相手に弱点があれば、そこを突いて利用する。
それがNBAの戦略において、常套手段なんです。
キッドはパカパカ決める必要はありませんが、せめてFG40%台は決めてくれないと厳しいですね。



強豪相手に全敗中のマブズ。レイカーズには2度敗戦


ところでサンズはというと、シャック出場試合で3勝6敗と出遅れましたが(ブログ)、崖っぷちで迎えたライバル・スパーズ戦での勝利後、ひそかに7連勝と調子を上げてきました。
まあ、スケジュールにも恵まれたのですが、いい“調整試合”にはなっているんじゃないかと思います。
まだディフェンス面での不安が解消されたわけではありませんが、プレーオフ落ちの可能性もあったひところから比べれば、首位に1ゲーム差の3位と好位置に上がってきました。

ますます混迷を極めるウェスタン。
シーズン終了まで、一時も目が離せない展開が続いていきそうです。



ちょっと調子上向き中?


★これって同じ48分の試合だよね?

地球は温暖化による異常気象が頻発していますが、NBAの世界にも異常気象は発生しているようです。

    1  2  3  4  計
SEA 29 29 27 31 116
DEN 48 36 43 41 168

オーバータイムでもなく、レギュレーション(4Q)で168点です!
前半で84点、後半も84点で、168点!
完全に2試合分の点数ですよね。
ちなみにナゲッツの得点者は、アイバーソンが50点!とかそういうわけではなく、メロ26点、AI24点、Kマート23点、JR・スミス19点、アトキンス19点、クレイザ17点、キャンビー13点・・・・などなど、バランスの取れたスコアリング。
FG成功率は60.4%、3Pも51.6%で16本成功という高確率でした。

一方・・・・

     1  2 3 4 計
MIA  16 10 19 9 54
TOR 29 29 20 18 96

さっきナゲッツの168点を2試合分と言いましたが、ヒートにとっては3試合分みたいです。。
9点と10点のQがあって、前半26点、後半28点の合計54点。
ウェイドやマリオンをケガで欠いた状態で、先発がクリス・クイン、デクアン・クック、リッキー・デイビス、マーク・ブラント、アール・バロンという5人、控えがボビー・ジョーンズ、ジョエル・アンソニーという2人の計7人が出場。
いったい何人の名前を聞いたことありますか?
まるでDリーグのチームみたいです。
FG成功率は25.6%(!)、3P21.7%、トップスコアラーはクインの14点という有り様でした・・・・


★ボストン最強説!?

ロケッツの連勝を止めた陰に、セルティックスの素晴らしい戦いぶりがありました。
ウェスタン遠征に出たボストンは、バックス⇒スパーズ⇒ロケッツ⇒マブズ⇒ホーネッツというロード5連戦に挑みました。
最初のバックスはさておき、サンアントニオ、ヒューストン、ダラスというテキサス州の3チームは、毎年必ず強いことから“テキサス・トライアングル”と呼ばれて恐れられてきました。

なので、テキサスの3チームに敵地で3連戦するのは、最も厳しい試合スケジュールなんですね。
たいていのチームは、とりあえず「3連敗は避けたい」ぐらいの意識で臨む感じになります。
なので、1勝2敗なら御の字、2勝1敗でもしようものなら大成功というイメージでした。

ところがセルティックスは、この地獄のテキサス3連戦で、なんと3連勝を実現したんですね!
これは2001年にキングスが達成して以来の出来事だそうです。
それぐらい難しいことなんですね。
テキサスの強豪3チーム相手に、敵地で、しかも連戦で全部勝つというのは。

ゲームを見て感じたのは、やはりディフェンスがしっかりしてますね。
対スパーズ戦、対ロケッツ戦では、3Qのスタートにディフェンスをギュッと締め、リードを奪うスパートにつなげました。
特別なことはしていないんですが、ディフェンス5人の連携とポジショニングが素晴らしいですね。

例えばエース級の選手が1on1を始めた場合、マッチアップしているディフェンダー以外の4人が、絶妙な位置関係を作ってうまくパスコースをつぶしています。
ボールマン(ボールを持っている人)が味方にパスを出せないようにつかず離れずの位置に立ちながら、それでいていつでもダブルチームやヘルプにいけるぞという距離感を保っています。

ボールマンは常にダブルチームを意識させられ、中途半端なパスをすればすぐカットされてターンノーバーになるというプレッシャーがかかります。
いいチームディフェンスは、5人がヒモでつながっているように連動して動きますが、セルティックスもかつてのスパーズのようなスキのないディフェンスを見せていますね。

もう一つ目についたのは、やはり火星~る効果です。
スパーズ戦では、2Qにセカンドチームを率いながら連続10得点を含む12点をあげ、1Qに28-11と走られた悪い流れを断ち切る原動力となりました。
そして大詰めの最終盤には、残り46秒で大事な大事な逆転3ポイントを沈め、勝利を決めました。
さすがのクラッチシューターぶりです。

まだチームに合流して数試合の段階ですが、すでに試合残り5分といった大事な場面ではゲームコントロールを任されています。
前々からしつこく言ってきた司令塔の必要性の問題(ブログブログブログ)は、やっぱり火星~るの存在が解決してくれそうです。
火星~るにボールを預けて、BIG3は自分がいいポジションを取ることに集中する。
そしてそこへ火星~るがボールをさばき、たまに自らもジャンプシュートを決めるといった流れです。

加入前に想定した予想図(ブログ)に近いカタチが、すでにできつつある印象を受けました。
ボストンは一歩優勝に近づいた気がしますねえ~



ルンルルールルーン♪(クラッチスリーを決めてスキップ中)


ボストンも“back to earth”なのかもしれませんね。
地球に戻ってきた男・・・・(←意味違うから)


『Vertigo』 by U2
from the album 「How to Dismantle an Atomic Bomb」


最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
イイです。火星~る (qoo)
2008-03-24 12:39:36
>ボストンも“back to earth”なのかもしれませんね。
>地球に戻ってきた男・・・・(←意味違うから)
タイトルの「Back to Earth」から、こんな落ちになるとは・・・ウケました。

ファイナルは東:ボストン、西:レイカーズかな?
今年は、ボストンに勝たせてあげたいです。(ボストン、チャンスは今年しか無いような気がします。)


返信する
ALL ARIENS (K-Dream)
2008-03-24 21:24:46
そういえば雑誌DUNK SHOOTの読者企画で、オール宇宙人顔チームのPGに火星ーるが選ばれてましたね。どうやら宇宙人的なのは顔だけじゃなさそうですが・・。
他のメンバーはフォイル、ヴィラヌエバ、ルオルデン
と年齢的にも火星ーるだけ飛びぬけてますから(笑)
俺も今年のファイナルカードはセルティックスとレイカーズに1票。というか純粋に見てみたい
バイナム早く復帰しないかな~
返信する
back to mars? (halu)
2008-03-25 00:48:33
ルンルルールルーン♪(クラッチスリーを決めてスキップ中)
いつになったら、飛行機で実家に帰れるんだろ?

この写真やばいです。
明日会社で突然悪い出しそうです。
返信する
qooさんへ (manu)
2008-03-25 01:46:30
ありがとうございます!
笑いをほめてもらえるのが一番嬉しいです。

確かに今の流れでいくと、ボストン×レイカーズが一番可能性高いですね。
レイカーズは来季にとっといてもらって、今年はセルティックスに優勝して欲しいですね。
返信する
K-Dreamさんへ (manu)
2008-03-25 01:49:16
うーん・・・・実際問題、火星~る1人しか相応しい人物がいないところを、無理やり5人集めてきたような感じですね。

ガソールも来週には戻ってきそうだし、バイナムもプレーオフまでには戻ってくるでしょうね。
返信する
haluさんへ (manu)
2008-03-25 01:52:14
そうそう、ホントはback to marsなんですが、一旦クリップスからリリースされてmarsに帰り、ボストンと契約して再びback to earthという解釈で使ってみました。(←って長い)
でもスリー決めてスキップしてたのはホントですよ(笑)
返信する