満月倶楽部

大阪発のハープとアコーディオンのデュオです。

カサノバ

2007年03月19日 | 生じゃないモノ
月に一回も映画館に足を運ばない自分ですが、これが昨年のダントツベストです。
監督は「ギルバートグレイプ」「サイダーハウスルール」「ショコラ」などを手がけたラッセ・ハルストレム。今一番好きな監督であります。

カサノバといえば、30年近くも前、コッポラでしたかが撮ってましたよね、ドナルドサザーランド主役で。当時大学に入りたての自分には全く理解できなかったのを覚えています。
それはともかくとして、登場人物一人一人の心の細やかな動きを拾い上げる事の得意なラッセ・ハルストレムが、何故「性豪」「愛の狩人」のカサノバを?と初めは思いました。いくら彼でも、カサノバに正当性を与える事など出来まい、せいぜいが永遠に埋まらない男女の差を浮き彫りにしてしまうという事になりはしまいか、そんな風に思っていました。

舞台はベネチア。なりすましや人違いといった、シェイクスピアさながらの筋立てで話は転がっていきます。退屈こそしなかったものの、映画を観る前に思っていた疑念が頭を去ることはありません。
ストーリーが急展開を迎えはじめた終盤、はたと膝を打ちました。
「ああ、これはラブコメディだったのか!」
ああなんて気持ちのいい裏切られ方でしょう。恍惚となりました。

息もつかせぬ展開の末、最後にパチンと全てが綺麗に収束しました。
ああなんて爽やかな、なんて素敵な、これがあなたの「カサノバ」なのですね。(S)
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