満月倶楽部

大阪発のハープとアコーディオンのデュオです。

ジョセフドルーアン

2009年09月24日 | 飲み食い
ボーヌ旧市街のほぼ中央に巨大な地下カーヴを所有するJoseph Druhin。

その地下カーヴの始まりはなんと西暦200年代にさかのぼります。もちろん、当時はワイン貯蔵用ではなかったと思いますが。

1880年代に、ドルーアン家がワインを作り始めて、現在四代目になります。初代がジョセフ、二代目モリス、三代目ロベルト、そして四代目は名前を忘れましたが、三男が代表を務めます。長男も次男も、畑仕事や醸造の方が向いているらしく、経営のおはちが回ってきたのが三男、という構図だそうです。
所有する畑は80ha。うち42haがここコートドールで、残りの38haは150kmほど北に行った、シャブリにあります。そして、コートドールにある所有畑のなんと60%がグランクリュもしくはプルミエクリュです。

1983年からビオ製法にトライを始めて、現在では100%ビオディナミを達成しております。ビオディナミというのは、1920年代に、オーストリアのルドルフシュタイナーという偉い先生が唱えた、肥料にも除草剤にも除虫剤にも病気に対しても化学物質を一切使わない農法の事です。現在では、ロワールのニコラジョリという人がその精神的支柱となって、世界中に広がっています。
その考え方自体は基本的に正しい方向を向いてはいるのでしょうが、薬を使わない代わりに、水晶の粉を水に溶かして右回りに左回りに混ぜることによって、力をあつめてどうたら、とか、かなり呪術的な要素も色濃く、眉唾な部分もあります。

ただ言えるのは、自然を相手にしたブドウ造りあるいはワイン造りというのは、科学的論理的なアプローチだけでは、絶対にどうにもならない部分がある、という事でしょうか。
人類が文明をもちはじめ、自分たちの力を超えた存在を、畏怖とともに宗教というものに落とし込んでいったのと近い事が、ワイン造りにおいても行われているのでしょう。

2004年のブルゴーニュというのは、冷夏で多雨のせいで不作の年で、ある有名な女性醸造家がグランクリュをリリースするのをあきらめた年ですが、ここジョセフドルーアンでは、水晶の力などを利用して、それなりのクオリティのワインを作り上げたそうです。
と言っても、全てが例年通りに言ったわけでもなく、たとえばジョセフドルーアンの代表的なワインの一つである、クロデムーシュルージュのリリースをあきらめ、クロデムーシュの畑でとれたブドウで作った赤ワインは、ACボーヌでリリースしました。逆に言えば、この年のACボーヌはお買い得である、ということが言えるのかもしれません。
もし市場で2004クロデムーシュルージュを見つけたら、それはおそらく某東洋の大国産の偽物でしょうとトマちゃんが言ってました。

ジョセフドルーアンとしては、口の中で持続するワインを作りたいそうです。
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