WIND BENEATH MY WINGS

震災後、私たちの暮らしの「あるべき姿」を考え中。持続可能で幸せな暮らしを一緒に考えていきませんか?

「とらわれて役に立たぬことを考えず前に進め!」

2011-10-08 18:47:02 | 私らしく生きる。気づきと学び
1月2日に鶴見の潮田神社でひいたおみくじと3日に大井の鹿嶋神社でひいたおみくじが一字一句違わず驚いた2011年のはじめ。おそらく1%以下の確率で私のもとに、神様から届いたメッセージは、
「とらわれて役に立たぬことを考えず前に進め」
でした。
そして、3.11が起こり、日本が変わり、社会も変わり、想定外ばかりの一年間、そのメッセージを胸に「前に進んで」きたように思います。

まず、非常に頼りにしていた、しかも災害や福祉など支援専門の優秀な先輩が突然職場を去りました。とても残念だったし、責任を感じました。なぜだろうかと自問自答し、家ではずっと泣いていたり、眠れない日々が続きました。特に東日本大震災に関しては、専門外の私には無理だ、手におえない、できないと思いました。周囲には「なんとかなります」と言いながら、実は「できない」といちばん思っていたのは私だったと思います。

しかし、震災の緊急募金の管理、毎週の会議であがる様々な課題のクリア、各種調整、制作発表、その後はイベントと番組の裏方稼業に追われ、悲しんだり、できないなどと言っている閑など、ありませんでした。

春が過ぎ、7月被災地での打ち合わせにいきました。




震災から4ヶ月たってこの状況。見渡す限りの廃墟を石巻でみました。この光景をみて涙が止まらなくなりました。それまでも、休日に震災のニュースをみるとよく涙が出ていましたが、生でみて、生できいた衝撃は大きかったです。

このとき「前に進むしかない」と思いました。このあと、迷いは、消えました。その後、専門外だろうと、不十分だろうと、「前に進んできた」人たちに大勢出会い、勇気をいただきました。


怒涛のイベントや番組の準備、本番が過ぎ、集計をし・監査を終えた金曜日、上司や先輩とへろへろになりながら、

「奇跡になんとかなっているな、いまのところは・・」と笑いました。

(あくまでも「いまのところ」であり、あくまでも「自分たちでおそれていたよりは良い」の意味です・笑。それくらい危機でした。)

その後、ふりかえり、少し分析をしました。

1,言いたいことを言い合う関係

→ 本音と建て前を使い分けたり、
遠慮をしていると仕事に支障をきたすことに気づき、まず、現場レベルでタブーをなくしました。
とりあえず、現場から上がった声と自分の考えで「すぐ手を打たないと」ということは即上に上げました。上司と衝突したことは、数知れず。
その後、激論が「普通」になり今に至ります。

2.情報共有

→こちらも、打ち合わせしている閑がないから、スケジュール、進行状況、その他情報共有がいつのまにか徹底しました。

必要な情報を下におろさないと私が上司に厳しく苦情を言うので、後輩もその私をみて、私が必要な情報を伝えていないと苦情が(^0^;)。
でもこれは大切なことです。「ひとりしかわかっていない」をなくしたことも、チームとしてのしなやかさに繋がったと思います。

3.若手の裁量権を増やした

→これは、部長と副部長の英断。慣れた人がいなくなり、若い人たちに任せる決断を上がしてくれたことが本当に助かりました。
私自身は、とにかく後輩を「考える力のある一人前の人間」として扱いました。結果として、後輩たちは、私が考えていた以上に優秀だったのだけれど。

4.個人の手柄より全体のパフォーマンス主義

みんなが「個人の手柄」ではなく、常に「どうやったら全体がうまくいくか」を考えて動いてくれたし、上司や先輩もチームワークをとても大切にしてくれました。「抱え込まない」を合い言葉に、難しいこと、大変なことは、知恵を出し合い、分担しました。これもまた、危機だったからできたことかもしれません。

そして、最後に・・・。
5・「前に進む意思」を自分自身が持ち「前に進もう」と呼びかけてきたことが良かったのかもしれません。
前に進めない人を進ませるために、怒鳴ったこともあります。私より上ですから恨んでいるかもしれない。では、もう一度同じことが起きたらどうするか?ごめんなさい、私は同じことをするつもりです。

そんなわけで、我が零細セクションは「やるしかない」を合い言葉に夏を乗り越え、前に進んできました。「絶対できない」「私たちには無理だ」と思っていたことも、とりあえずは乗り越えました。しかも、当初の予想よりも順調に。これを自分の手柄とは絶対に思いません。では、何か良かったのか?おそらく「危機に直面した」ことにより上記ができたからなのではないかと思います。

私自身は7月に被災地をみてから、全く迷いはなかったし、今でも「前に進むこと」への迷い、ためらいはありません。部内でのタブーや激論はあたりまえになり、週が明けたらまた激論が待っているでしょう。激論して前に進む、これが我が零細セクションのパターンとして定着したように思います。

おそらく、想定外の連続が私たちを鍛えたのだと思います。まだまだ弱いけれど、零細セクションなりに本当に強くなったのだと思います。震災前にはなかった強さです。

いっしょに力強く前に進んでくれた上司、先輩、後輩たちに心からの感謝と敬意をこめて、今日はこのブログを書いています。

また、やめた先輩の活躍と健康と幸せと、これまで育ててくれたことへの御礼も忘れずに。

それでも、すべてはまだはじまったばかりなんですよね。
「とらわれて役に立たぬことを考えず前に進め」
はこれからも続きます。

本当に、まだ、はじまったばかりなのですよね。




最新の画像もっと見る