建築弁護士・豆蔵つれづれ

一級建築士・弁護士・豆蔵自身の3つの目線で、近頃の建物まわりネタを語ります。

少なくともこの時期、きちんと思い出して考える。

2015年01月12日 | 建築物の安全
ケンチクベンゴシの豆蔵です。

ドタバタの年末年始をはさんで、大分ご無沙汰をしてしまいましたが、
本年も、なにとぞよろしくお願いいたします。

この三連休、阪神淡路大震災から20年であるということを、しばしば耳にしました。
震災の頃に生まれた子どもたちが、成人式を迎えたというニュース。

ああ、20年というのは本当に早いものですね。
生意気な若造だった豆蔵もずいぶんと年をとり、その間に職替えもしました。

豆蔵が地震に遭遇したのは大阪市内なので、被災には程遠いのですが、
それでも、三連休明けの早朝にやってきた地鳴りと突き上げるような衝撃、寒さと心細さ、
そして、その後現場に出て目にした光景は、それまでの人生に無かったものでした。
元々怖がりでしたが、地震や防災に興味つようになり、今の仕事の一部にもつながっています。

もちろん20年の間には東日本大震災があったのですが、
地震の揺れや被害の受け方が全く異なり、
私個人の建物や都市災害という意味での衝撃は、阪神の方が大きかったです。

それでも、
ここ5年くらい、生々しい記憶は薄れてきているのを感じます。

例えば、臭いというのは、写真や映像では伝わらないし残らない、現場の記憶です。
倒壊した家屋群は何ともいえない臭いがしていたと記憶していますが、
あまり思い出せなくなってきました。

被災した当事者ではないからでしょうか、記憶がどんどん上書きされてしまっています。
そして、かつてほど「用心」しなくなってきています。

間もなくやってくるといわれる大地震と向き合うために、
少なくともこの時期、全ての感覚を使ってきちんと思い出し、
これから何ができるかについて考えなければならないと思うのです。
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