建築弁護士・豆蔵つれづれ

一級建築士・弁護士・豆蔵自身の3つの目線で、近頃の建物まわりネタを語ります。

台湾で愛される伊東建築たち その2

2017年09月24日 | 見たもの雑感

建築弁護士の豆蔵です。
台湾の建築見たもの雑感、前回の「台中」に引き続き、「台北」で愛される伊東建築たちです。

まずは、台湾大学へGO。 
広大なヤシの木ロードをはじめ、キャンパス自体が熱帯植物園のような楽しさで、それだけでも十分に価値がある。
   クリックで拡大
 
そして、お目当ては社会科学院の図書館。
まるで森のよう。内と外がひと続きという意味では、台中歌劇院と共通していますが、関係性はシンプル。
構造がすごいですよね。
外から見ると、
 
屋根。水色の部分が木漏れ日のようなトップライト。
 
パスポートと荷物を預け、書類に氏名・住所などを書けば、建物内部の見学も可能です。
 
さて、もう一か所は、現在進行形の再開発の一角「台北文創大樓」(お洒落商業施設とホテル)
 
旧煙草工場をアート施設にリノベした松山文創園区に隣接し、一体として新たなスポットとなっています。
隣接して、台北巨蛋体育場(台北ドーム)がガンガンに工事中。
ちょっと残念な状況なので、完成したころに、ドーム見物を兼ねて再訪しようと思います。
 
ちなみに、今の台湾、インテリアだけでなく、セレクトショップの品ぞろえも、めっちゃお洒落です。
町中の小さなお店も含めて、みなお洒落なのです。
台湾は数年ごとに訪れていますが、各段にレベルアップした気がします。
(物価も、まだ香港ほどは高くなってない印象)

伝統的なものに、西洋的、日本的な文化・生活様式を融合させながら、
日本よりずっと、自然のもの、古き良きものに価値を認めているようで、非常に心地よい。

加えて、漢字の安心感と優しい人々、美味しい食べ物も、台湾の旅の大きな魅力です。
また遠からず行ってみようと思います。


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台湾で愛される伊東建築たち その1

2017年09月23日 | 見たもの雑感

建築弁護士の豆蔵です。
前回に引き続き、旅のたてものシリーズ。今回は台湾です。

曲面だらけのコンペ案にびっくりしたのは、もう10年以上も前でしょうか。
どうしても見てみたかった伊東豊雄先生の台中の国立歌劇院、
→台湾国立歌劇院HP・建築設計
昨年のオープン以降、すっかり市民の憩いの場となっているようです。
観光客というより、普通に若い人たちが遊びに来ている感じでした。

 クリックで拡大

それにしても、本当に作ってしまったんですね…(よく作ったなあ)。
メッシュの目の細かいのと粗いのを重ねて型枠にしたそうですが、
「膜」を引っ張った形の模型とそっくりに巨大なスケールになって、本当に美しいです。

  

  

この建物に関し、伊東先生は、人の消化器の中もまた外部である、という趣旨の例え話をしていましたが、
そういう意味では、劇場本体を取り囲むロビーやホワイエは、公園から続く外部である訳ですね。

ちなみに、台北から台中へは、10分間隔(くらい)で出ている新幹線(高鉄)で、約1時間。
車両は700系の改良型とかで、完全に東海道新幹線に乗ってる気分です。
切符も予約も、自販機で簡単に買えます(カードも使えます)。

ただし、新幹線駅と在来線の台中駅(旧市街地)とは在来線3駅くらい離れており、
かつ、今回の歌劇院は少し郊外の新市街地にあるので、市内の移動が少し手間です。

台中には、安藤忠雄先生の亜州現代美術館(三角形の建物)もあるのですが、ちょっと郊外なので、時間の関係で今回は断念。

次回の台中は、亜州美術館も回り、日暮れまで粘って夜景を見てみたいですね。 
続編、台北の建物に続きます。


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谷口先生の鈴木大拙館(金沢)

2017年09月17日 | 見たもの雑感

久しぶりの建築弁護士、豆蔵です。

この夏、仕事もそれなりに忙しかったですが、個人事業主になったこともあって、
しばらくぶりに沢山の旅をしました。
(先の山崎もその一つです。)
写真のフォルダには、山と海と樹と花と、建物と食べ物とが、色とりどりに並んでいます。

今日のテーマは、北陸新幹線ですっかり身近になった金沢・富山方面。
海の幸と美しくモダンな工芸と、
能登半島の混じりけのない(観光地化・近代化がされていない)海辺の家並みがお気に入りです。

加えて、最新の個性的な建物たち。

金沢では、兼六園方面から森の中の「美術の小径」を下っていくと、
谷口吉生先生の設計した「鈴木大拙館」が現れます。

静寂の中、時折、池の真ん中から「ぼこっ」と波紋が生じる仕組み。
小さな円から広がっていく様を見つめていると、心の表面をさわさわと触れられているようです。

 ←クリックで拡大

池の真ん中に「思索空間」棟が座し、展示棟との間を回廊がつないでいます。
思索すべく畳に座って背筋を伸ばすと、涼やかな風が抜けていきます。

  ←クリックで拡大

お天気が今ひとつで、写真が魅力を伝えきれていませんが、
仏教哲学者・鈴木大拙の生涯を紹介する施設に相応しい、端正で美しい空間ですので、
是非、実際に訪れてみてください。

すぐ近くには、妹島和世と西沢立衛によるSANAAが設計した、金沢21世紀美術館が。
こちらは、若者で大盛況、非常に賑やかです。
明るく開放的な建物。
館内の複雑な動線を導くサインがよく出来てて、迷わず案内された気がします。


富山では、富山県美術館が正式オープンしました。
次は是非行かねば。


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