建築弁護士・豆蔵つれづれ

一級建築士・弁護士・豆蔵自身の3つの目線で、近頃の建物まわりネタを語ります。

災害現場で働くドローンたち

2017年03月27日 | 建築物の安全

建築弁護士の豆蔵です。
東京では、早々に桜が咲き出したと思ったら、日曜から完全に真冬に逆戻りしていました。

先週、駅への裏道を急いでいたところ、火災現場の跡片付けに行き当たりました。
火災の発生は週末のだったそうで、全く知らなかったのですが、
駅裏の密集地で木造家屋が焼失し、周辺のマンションやビルもかなり焼損しており、大きな火災だったようです(幸いに死傷者はなかったそうです)。 

通りがかったのは、焼け落ちた建物を解体、搬出をしている途中だったのですが、危険なので、周辺の道路を通行止めにして作業をしていました。
どこからどう崩れるか予測が難しいでしょうから、作業をする方々は本当に危険です。
消防の現場検証は、もっと大変なのだろうなあ、と肌で感じました。

なるほど、こういう時にドローンの達人がいれば、危険を予測しながら作業ができるのに、と思いました。 

調査の領域は、映像解析技術の発達と併せて、既にドローン実用の段階に来ているのではないでしょうか。
糸魚川の大規模火災では、損害保険会社の調査にドローンが活躍しているそうです。
確かに、プログラムに従って縦横に撮影すれば、地上から一軒ずつ調べていくのとは比較にならないほど、迅速かつ高精度な調査ができそうです。
撮影した情報は、防火・防災の研究や街づくりなど、別の用途にも活用できればよいのですが。

また、先日のアスクルの火災現場では、実際に燃えている状況の中で、ドローンによる調査を行っていたことが報じられていました。
火災現場の強風の中で調査が行えるとは驚きです。
消防は、遭難救助・雪崩捜索なども含めて、最も活躍の期待が大きい分野の一つです。

また、土砂崩れや河川災害などの土木災害においても、被害状況の把握、二次被害の防止、復旧計画の立案など、様々な用途が期待できます。
現実に、河川の監視システムや、熊本地震で被災した送電設備の復旧計画に使われているという例もあります。 

そうなると、そろそろ、飛行の安全性のみならず、
情報を一元化し、災害時などには迅速に共有するという、撮影、管理、活用のルール化を考える時期に来ているのかもしれません。
とはいえ、ドローンだけに、縦横無尽に利害関係も広がっており、官と民、国と自治体、各関係省庁間での調整が大変そうです。

現在でも通常の航空写真は国土地理院のHPで参照することができますので、それの発展形のような形になれば、一般の人も含めて広く利用が可能となりますが、
そうなると今度は、個人情報保護の問題が出てきそうです。 

 なお、ドローンの墜落事故については、2月末、工事現場でクレーンと接触してケガ人が出ています。
当然ながら、安全対策については、一層の向上が望まれます。 

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