建築弁護士・豆蔵つれづれ

一級建築士・弁護士・豆蔵自身の3つの目線で、近頃の建物まわりネタを語ります。

災害商法注意報

2015年09月23日 | 小ネタ
ケンチクベンゴシの豆蔵です。

久々に好天に恵まれたシルバーウィークでしたが、
録りためた「あまちゃん」の再放送を見るのと、ちょこっと実家に顔を出した以外には、
何ら成果を残すことなく終わろうとしています…。
残念。

こちらの更新もすっかり滞ってしまい、全くもって申し訳ありません。

さて、本日のテーマですが、
タイトルにあるように、災害に便乗した詐欺的な商法が頻発しているという話です。

今月前半、台風による長雨によって、北関東から東北にかけて広範な被害が発生しましたが、
こうした災害に便乗して、不要かつ杜撰な屋根工事、外壁工事などを、押し売りさながらに、また、言葉巧みに請け負う商売というのは、
しばしば聞く話です。
本当に腹立たしい限りです。

また、そこまであからさまに詐欺でなかったとしても、
さしたる技術を持たない業者がわんさと集まってきて、見よう見まねで質の悪い工事を行うということは、
容易に考えられるところです。

「保険の下りる範囲で工事できます。」などというそうです。
なるほど、どこかで聞いたような話ですね。
3.11の地震の後の液状化の発生地域でも、
「補助金の範囲内で工事します。負担は一切ありません。」という業者が現れました。

薬液注入工法による沈下修正工事の事故は、数件扱いましたが、
損害をきちんと賠償してくれるまともな業者ばかりではなく、
払うといっても他の工事の補助金頼みだったり、裁判の途中で夜逃げしたりということもありました。
裁判も起こしましたが、こうした資力の問題となると、できることにも限界があります。

今回は、水害であれだけの多数の被害が発生しており、一方で、昨今の職人不足、資材不足ですから、
元のように住める状況になるには、相当長期間に渡って、徐々に復旧させていくことなると思われます。

仮に、妙な契約をして、工事をさせたり、お金を払ったりしてしまうと、
巻き戻しは難しいですから、
契約するご本人だけでなく、周囲の家族や近所の人たちも含めて、みんなで注意していただければと思います。

かくいう豆蔵の実家も、見ていると、セールスに対する防備がかなり甘そうです。
色々言っても、肝心なところがどうも抜けています。
こまめに連絡を取るのが、一番の対策かもしれません。

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地震についてよく知ろう。

2015年09月06日 | 建築物の安全
ケンチクベンゴシの豆蔵です。

9月1日は防災の日、ということで、
テレビなどの報道機関は、大地震の検証番組が目白押しです。
非常に興味深いのですが、忙しくてあまり見れないのが残念です。

建物も、人々の動きなども、過去の経験や様々な実験を通してシミュレーションが進み、
色々分かってきたこともあるようですが、
なにせ、こうした研究の進化以上に世の中が日々変化しており、追いついていけてないように思います。

群集心理が引き起こす人々の行動によって、災害がさらに拡大することは明らかですので、
より多くの人が正しい認識をもち、「もしも」の時のことを考えるのは、
必須だと思います。

ところで。
人の思考や行動は、自らの過去の経験に左右されがちです。
今、東日本の人たちは、
地震、といえば、先の震災の経験を思い出し、その経験に従った行動をとる方が多いと思います。

しかし、地震にはいろいろな種類があり、
被害の出方も様々であるということを、理解する必要があります。
例えば、周期が異なれば、建物の破壊の有無、程度、壊れる箇所も大きく変わります。

人々の記憶に新しい二つの大地震、
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)と兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)を
今一度、思い起こしてください。

発生する時間帯や季節、もちろん地域によっても、危険の種類は異なってきますね。
大きくは、火災と津波、といったところでしょうか。

「東日本大震災でも損傷が発生していない」ことなど、
何の安全性の証明にもなりません。
裁判所が、そういう非常識なことを言っていることに非常にイラっと来ているのですが。
誰か、教えてあげてください。

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