建築弁護士・豆蔵つれづれ

一級建築士・弁護士・豆蔵自身の3つの目線で、近頃の建物まわりネタを語ります。

生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪

2017年10月29日 | 見たもの雑感

建築弁護士の豆蔵です。

度重なる台風の最中でしたが、大阪市内各所で行われた「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」
通称イケフェス大阪、に参加してきました。

イケフェスとは、現在も利用されている新旧の建築物が一斉に公開され、それを巡る、という大阪での一大イベントです。

代表例・大阪ガス本社の「ガスビル」

(イケフェス大阪公式ガイドブックより)
「生きた建築」とは、「歴史的な近代建築から現代建築まで、大阪の歴史や文化、市民の暮らしぶりといった都市の営みの証であり、様々な形で変化・発展しながら、今も生き生きとその魅力を物語る建築物のこと」

今年で5回目とのことで、参加する建物も80以上?に上っていますが(建築中の現場を含む)、
注目度も上がったため、事前申し込みの先着順は激しい争奪戦(友人まかせ)、抽選は極めて高倍率(全滅)。
当日順次案内というところも、行列必至、という予想の中での初参戦でした。
ところが、台風による大雨で出足が鈍ったのか、結果的には行列せずにそこそこの数を楽しめました。

大阪の町を南北に貫く御堂筋が完成したのが昭和8年。
中之島・土佐堀川から本町あたりまで(中心部北側)は、昭和初期から60年代の趣向を凝らしたビルヂングがたくさん残っており、しかも現役で活躍しています。
今でも、通りや地域で業種ごとのカラーがうかがえます。

   
 
このイベントで特に面白いと思うのは、ビルを所有し実際に使っている会社の方々が、ビルの案内をしてくれることです。
やはり商売人の町ですね。会社の人が語る昔からのお商売の話、先代・先々代の社長はんの話は、面白いです。
洒落た肖像画なんかも飾ってあったりして。
商売に成功し財を成した社長さんは、皆さん、町や地域に何か残したいと考えるようです。
そして、立派な建物を建てはるんですが、趣向を凝らした分、後世の社員の方々の維持管理はなかなか大変なようです。ご尽力(ご苦労)されている様子が窺えました。
 
でも、みんなが建物を愛し、会社を愛し、町を愛しているんだということが強く感じられて、とても楽しいです。
 
 
↑ 90年代の有名なビルですが、老舗の「小倉屋山本」さんの所有とは知りませんでした。とてもきれいに維持管理されています。
 
最近は、中心部にもタワーマンションが乱立気味ですし、御堂筋の高さ制限も緩和されて町並みも変わりつつありますが、
大阪らしい建物や町並みは、変わらず愛されていって欲しいです。


↑ ファサード保存のダイビル本館(中之島)
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 台湾で愛される伊東建築たち... | トップ | 地震時に自宅に戻るルート »

見たもの雑感」カテゴリの最新記事