建築弁護士・豆蔵つれづれ

一級建築士・弁護士・豆蔵自身の3つの目線で、近頃の建物まわりネタを語ります。

マニアックな建築×法律の議論が楽しい。

2014年10月05日 | 小ネタ
ケンチクベンゴシの豆蔵です。

今週は、事務所でいろいろな企画があり、体力的になかなかヘビーでした。
全力で通常業務のカバーをしなければならないところですが、台風襲撃で、明日の朝の通勤電車はどうなることか…?

事務所企画の一つは、主に顧問先に向けたコンプライアンス系のセミナーでしたが、
その中で、普段、ウチの大阪事務所にいる土木の技術士兼ベンゴシと、昨今の建築的ニュースをネタに、檀上で議論をしました。

例えば、先週のネタであるマンションの杭未達問題や、一連の施工中の不具合事案、昨今の維持管理の問題など。
事前準備をする時間もあまりなかったので、かなりフリーな感じです。

技術士兼ベンゴシもゼネコン出身で、施工に明るいコンクリートの専門家。
その上、普段からセミナーも多数こなしているだけに、情報も整理されている。
「これってどないなってんねん?」
というストレートな疑問に答えてくれる。また、
「これ、おかしない?」(やや関西弁)
という豆蔵の意見にも、耳を貸してくれるのです。

法的責任が生じるためには、
不具合の具体的内容だけでなく、その内容が裁判所にどのように評価され得るものか?といった点が重要。
例えば、
基準法違反があるとして、それが、どの程度の問題(構造上の危険性など)なのか?

また、
その不具合がどのような原因で発生したと考えられ、誰がどのような注意義務を怠ったのか?
例えば、
その不具合が、設計の指示なのか、施工の単純ミスか、両者の連携が悪かったのか?

さらには、
きっと内実はこういうことだろうけど、裁判所にはこの主張は理解され難いのではないか?

等々。

そういうことを考えるのがベンゴシの仕事であり、自分の事件以外でも、日常的にそんなことを考えたりするのですが、
というか、
むしろ自分の事件以外の方が、利害関係がないだけに、自由に、色々思いを巡らすことが多いのですが、
そういった生のアイデアを軽くぶつけて、即座に帰ってくる相手というのは、そうそう居るものではなく。

ということに改めて気づかされた、豆蔵にとってはなかなか楽しい事務所企画でありました。

調停委員などをされている技術者の先生と裁判を離れた場所でお話しするのも、同じような理由で結構楽しい。
仕事ではなく、楽しいだけなら、なおいいのですが。
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