新作 ～ 「妖精の結婚式」 その２８

そーいえば、googleのトップページが今、
W杯に合わせて、毎日！違うイラストで飾ってるんですよ！

毎回どれも面白い動くイラストで、ホント、凄いですよねー。


では、続きでーす。


2014年6月10日～ブログ直接投稿　「妖精の結婚式」　その２８

　　花が　ざわざわ揺れていた
　　言われて見ると　終わった花が
　　灰色の雨の中　しおれてうなだれていた
　　放っておくと　病気になるのよ
　　聞いたことない声が　聴こえた気がした

＜つづき＞

虫退治は終わったの？
と唐突に　さやかさんは聞いた
いえまだですけど　とカエルは答えた
お腹いっぱいに　なってしまって
あーそうだよね　とさやかさんは言った

さやかさんは　雨に沈んだ庭を見た
あのさ　と小さく声にした
何か他の・・やることやったら？
花取るの　あたしやるから
カエルは丸い黒目で　じっと見上げた

それから！　とさやかさんは
その真っ直ぐな目に
押されるように　声を上げた
仲間いるなら　早く呼んで
虫いる花は　触りたくないんだから

ありがとうございます　と
カエルは　ゆっくり頭を下げた
悪いけど・・　とさやかさんは言った
今日明日で　できる限りだからね
それ以上は　無理だから

カエルは　もう一度頭を下げた
さて　虫退治をした辺りはどこ？
さやかさんは　自分の気が変わらない内にと
きびきび　カエルに問いかけた
用具入れにはさみあったよねと思いながら

しおれた花を取るのは
これまた　大変だった
雨の中しゃがんで　小さな花を
つまんで　一つ一つ切っていく
足腰がじきに　ずきずき痛みだした


＜つづく＞



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新作 ～ 「妖精の結婚式」 その２７

どもども、月曜ですねー。

発表始めて２週間ですが、まかろん、未だに書き続けてます。

普通の女性を主人公に書くのは初めてです。

思い返すと今までは、動物だったり男の人だったりと、
自分から離れた主人公でないと話を作れなかったのかな、と思います。
やっと普通の女性を主人公に、と思うと、すごくやりがいがあります。

皆さまのお目に適うことを願って、続きでーす。


2014年6月10日～ブログ直接投稿　「妖精の結婚式」　その２７

　　すみま・・　と言いかけるカエルに
　　もーやだ！　とさやかさんはわめいた
　　休みつぶして　掃除に来たら
　　雨で　無茶苦茶しづらいし！
　　終わった所また散らかすし！　葉っぱめんどいよ！

＜つづき＞

カエルは　丸い目をまばたいた
それは・・本当にすみませんでした
雨がそんなに大変とは　思わなくて・・・
本当に　すみません
カエルは深々　頭をさげた

ふんと　鼻息荒げるさやかさんに
僕らと話せる人間が　嬉しくて
つい　甘えすぎてました
カエルは少し　寂しそうに言った
お帰りになって　良いですよ

えっでも・・
さやかさんは　戸惑った
この大量の葉っぱとか　どうすんの
君だけじゃ無理でしょ
と　カエルの小さい身体を眺めた

何とかします　とカエルは言った
仲間もいますから・・・
カエルは少しためらい
ぼそっと　付けくわえた
今日はまだ　来てませんけど・・

何だかなーと　さやかさんは思った
帰っていいと言われても
そうですかと言うのは　居心地悪かった
雨は朝より強まって　びしゃびしゃと
薄いレインウェアの上から　叩いた

花が　ざわざわ揺れていた
言われて見ると　終わった花が
灰色の雨の中　しおれてうなだれていた
放っておくと　病気になるのよ
聞いたことない声が　聴こえた気がした


＜つづく＞



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