まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

「緑の紫陽花」 (# 39)

2011-05-30 21:18:21 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
お今晩は~。

月末です。
すごい風です。
月曜です。

皆さま、雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ、お元気で
お過ごしでしょうか。


さてさて本日の茶菓子は、梅雨前に出せばいいやー、と
暢気に構えていたら、まさかの梅雨入りをくらってしまった、新作です。
うーん、自然の神秘。

雨続きですが、雨の中の緑の美しさ、どうぞお楽しみ下さい。


2011年5月30日 ブログ直接投稿 「緑の紫陽花」

雨がじゃばじゃば降りかかる
長靴はいて 傘もって
レインコートで完全防備
それでもびちょびちょ降る雨は
いたるところに跳ね返り
濡れた感触 うんざりしながら
灰色沈む 見慣れた小道を先急ぐ

その時飛び出す 艶やかな緑
どこかで見たよな小さなつぼみ
わっさわっさと勢いづいた
雨の申し子 緑の紫陽花
梅雨時まえの前祝い
じゃばじゃば降る雨も楽しげに
ばらんばらんと跳ね返す

小さく閉じた緑のつぼみは
花と呼ぶにはまだ遠く
けど雨は じゃばらんじゃばらん
雨空でこそ 輝くいのちもあると
雨粒跳ねる いつもの小道
つぼみがなければ この華に
気づけなかった うっかり者に
色鮮やかに 告げている


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※変更:2017年4月18日
灰色沈む見慣れた小道 先急ぐ → 灰色沈む 見慣れた小道を先急ぐ

コメント (7)
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「エリカ」 (# 38)

2011-05-26 21:47:34 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
お今晩は~。
本日も当お茶会にようこそ!

さてさて、週末までまだ後1日あるわけですが、
皆さまはいつもどういう風にお休みを過ごされていますか?

ゆっくり朝寝、とか。
買い物三昧、友達と遊びに行ったり。
映画に行くのも良いですね。
ビデオ借りておうちでホームシアター、という方もいらっしゃるでしょうか。

一足お先に週末気分、いかがですか。

本日の茶菓子は、今年始めに公開された、
映画「ソーシャル・ネットワーク」の感想詩モドキです。
100%自家製でなくて申し訳ないですが、たまには良いですよね。


ではでは、ポップコーンのご用意はいいですか?
ゆっく~り、くつろいで。
シッバック、チェキラッ、ハヴァナイスウィーケンっ☆


2011年5月26日 ブログ直接投稿 「エリカ」 
 映画“ソーシャル・ネットワーク”を観て

随分遠くまで来たもんだ
昔話のどこかの国の堤防みたく
心に開いた小さな穴を埋める
小さな幸せが欲しくて
何気なく踏み出したあの一歩
一歩が次の そのまた次を引き出して
無我夢中
天狗になって踊り狂い
いろんなもの見て
オトナになった自分には
もうあんな ちゃちなシアワセなんて要らないさと
笑い飛ばしていたけれど
独りの闇で思い出す
あの時落とした小さな幸せ
忘れたふりして要らないふりして
嘘はどんどん大きくなって
今じゃ支えるのに精一杯

随分遠くまで来たもんだ
子供の頃には 小さなお菓子 
小さな褒め言葉だけで
一日中幸せだった
僕の世界はあの時まで
そんな小さなガラクタで一杯で
無力な自分にいつでも苛立ってばかりいた
今じゃどこでも行けて何でも買えて
僕を馬鹿にする人もいないけど
やっぱり僕の世界は
大きくなったガラクタばかり
夜中の会社の窓に映る顔は一つだけ

エリカ 君の名前を呼んでもいいかい
エリカ 僕の失った小さな幸せ
この濁流のような広漠とした世界では
人は数字と上辺だけでつながり
誰もその奥など見やしない
エリカ その小さな音節は僕の心を引っかき
エリカ その痛みが流されそうな僕の正気を一瞬だけ晴らす

もう僕らの道は分かれてしまったし
いつか君の残像が薄らぐ日も来るだろう
この世の流れってそんなもの
だけど君のくれる痛みは エリカ
最期まで僕につきまとって
僕を蹴り飛ばしてくれるのだろう

だからエリカ 君の名前を呼んでもいいかい
僕が誰だか思い出せるように
僕が何だか思い出せるように



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「ハッピー・バースデイ」 (# 37)

2011-05-23 22:15:37 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
どーもー、お今晩は~。
まかろんのお茶会の時間です。

あと1週間とちょっとで5月も終わりですねー。
今週いっぱい雨続きらしいですが、元気出していきましょうね。


さてさて、本日の茶菓子には新作を選びました。
季節モノ優先のため、何ヶ月もほったらかしにしていたブツなんですが、
「アン・サクセス・ストーリー」「花束」ときて、
次はこれです。

私事で恐縮なんですが、「アン・サクセス~」は、
2011年のまかろんにとって一つの区切りになるような作品でした。

・・いやまあ、2018年の今から見ると笑っちゃうくらい普通レベルでしたが!
あの程度も直視しないで生きてきてたんだなぁ、と自分の未熟ぶりが恥ずかしいです。

でもまあ、区切りをつけたら次は「ハッピー・バースデイ」。

どうぞお楽しみ下さい。


2011年5月23日 ブログ直接投稿 「ハッピー・バースデイ」

何事も 終わりがあって始めがあって
今日は終わりの日 始まりの日
誕生日

何もない日にただストンと生まれて
泣いて笑って傷ついて
そうしてここまでやってきた
悩み惑っていた一年前
五年前 十年前
その時々で
悩み思っていたことは違うけど
求めていたのは ただ一つ
いろんなものを切り捨て振り捨て
手に入れて
知らず知らずに埃が
部屋の隅に溜まるように
少しずつ 形作ってきたこの自分
今その自分に新しい朝がやってくる
誕生日

何も切り捨てなくて良い
何も振り捨てなくて良い
ただまっさらな今ある自分が
ここにあることに
ありがとうって おめでとうって
言いたい気がするよ

新しい自分 新しい始まりの日
ありがとう おめでとう
おめでとう ありがとう
さあ始まるよ
ハッピー・バースデイ



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「花束」 (# 36)

2011-05-20 21:09:47 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
お今晩は~。

金曜の夜ですねー。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

昨日ご提供したお茶菓詩、ネガティブどっぷりですみませんでした。
気分悪くさせてないことを願ってます。

本日はガラリと気分を変えて、少しでも、この美しい週末の夜にふさわしい、
優しい、澄んだ気持ちを皆さま一人一人の心にお届けできれば、と思います。

素敵な週末をお過ごしください。


2011年5月20日 ブログ直接投稿 「花束」

春の嵐が吹き過ぎて
地上は一斉に
芽を出し花を開かせる
れんげ おだまき はるじおん
ひなぎく えにしだ 花水木
白にピンクに黄色に青に
ジャスミン香って バラはつらつと
木々はみっしり葉を茂らせて
緑の息吹を滴らす

あなたの心に花束を
すべての心に花束を

あなたの心に開いた穴
白いひなぎくの花が咲く
あなたの心に開いた傷
ピンクのれんげの花が咲く
疲れて縮んだあなたの心に
つたの葉広がり葉影を作る
おだまき顔出し えにしだ揺れる
はるじおんは茎伸ばし
空の高みに花水木
優しい慈愛の色落とす
ジャスミン カミツレ チューリップ
色とりどりのバラの花

ひとつひとつがあなたの力
寄り合わさって天の力が
あなたの心に華開く

緑の息吹を感じよう 
花のいのちを感じよう
天の力の華やぎを
花束にして贈りたい
すべての人へ
そして光の花に満たされた
あなたの笑顔を見てみたい

だから受け取って 天の花束

あなたの心に花束を
すべての心に花束を



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「アン・サクセス・ストーリー」 (# 35)

2011-05-19 21:29:42 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
お今晩は~。

今日は暖かかった、というより暑かったですね。
日差しが新緑の上できらきらしてました。
でも、夕方になると一変して涼しくなって。
夕風が気持ちよかったですね。

皆さま、週末まで後一日です。
今週はいかがお過ごしでしたでょうか。

本日の詩モドキはそんな美しい一日と関係なく、
ちょぉっとネガティブ風味です。

でも、人生明るくて綺麗なことばかりじゃないし。

というか、ホントはみんな汚物の海で泳いでいて、
ときたま出くわす島に上がって休めるけど、そこには真水も食料もないし。

ホントはみんなそういう、世界の汚さや恐ろしさって心のどこかで分かっていて。
だけど一生懸命「空気を読んで」大人しくしているから。
お偉いさんが言う「正しい」ことをずっと守っているから。
自分が泳いでるのは汚物の海なんかじゃない、って自分にも他人にも思い込ませて。

でも、ふとした拍子に悪臭が鼻をかすめて、うろたえる。
自分は大変なところにいるんじゃないか、って。

あるいは、必死に他人を攻撃して何とかもう一度、
自分がいるのは綺麗なところだって、思い込みを修復しようとする。

世界で起こるいろんなことの端々に、人々の恐怖の叫びが見えるような気がします。

そして、本当は何が足りないのか分からないまま、
闇雲に叫んでいる様子がとても悲しいと思うのです。


本日のモドキは皆さまの恐怖に比べたらまだまだ力不足ですが。

そしてこの詩を作ってから実は7年後の今(2018年)でも、
皆さまが求めるものの根源の、ほんの表面しかまだつかめていないと白状しますが。

貴方の苦しみを解きほぐせるように。
そういう作品に近づいていけるよう、頑張りたいと思います。


またお会いしましょう。(2018年まかろん拝)


2011年5月19日 ブログ直接投稿 「アン・サクセス・ストーリー」

夢は必ず叶うなんて
耳障りの良い言葉に踊らされ
大衆受けしそうな サクセス・ストーリー
自分もそうならなきゃと
焦りが身を噛む

気がつきゃ 五年も十年も時は過ぎて
薄くなった財布の中身と頭の毛
厚くなった胴回り
男は中身が勝負だぜ なんて
強がる気力も出やしない
薄っぺらい瞳が鏡の中から
俺を見返す

どうしてこうなっちゃったんだ
夢は叶うもんじゃなかったのかい
頑張りゃ輝く未来に
辿り着くんじゃなかったのかい
時が経って大きく豊かになるはずが
だんだん小さく小さくなってく俺の世界
子供の頃の方がよっぽど
大きく豊かで広かったって
思うのは感傷かな

俺の居場所はどこだ
こんな小さなアパートの片隅にすら
安息の地はなく
ましてこのドでかい世界は
どっかの誰かのために
奪われ尽くしてしまっていて
俺のためのスペースなんて
小指の先ほどもありゃしない

俺の居場所はどこだ
この世界は空漠で
足掻いても掴むのは乾いた砂ばかり
灰色の空の下
ま白い顔のマネキンどもが
必死に手を伸ばす俺を
のっぺりと見返す

誰か俺を見てくれ
この広大な世界の中で
たった一人でいい
俺がここにいるって認めてくれ
俺に生きる資格があるんだって言ってくれ
木も花も雀も猫も
みなこの世界のどこかに居場所があって
そのちっぽけな輝きが
無駄に何十年か生きてきた
人間様の俺を刺す

誰もいない 何もない
それでいいなんて思えない
この先の長い空虚な人生
ただひたすらに足掻いて
どこへも踏み出せず
うずくまっている
そんな不幸な一つの
アン・サクセス・ストーリー


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