まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その30

2014-06-24 22:20:29 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
さあ、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その30

  そうします とカエルはまだ
  納得いかないという様子で 言った
  苦労してるね君 とさやかさん
  泥で汚れた レインウェアを脱いで
  よれよれの格好をつくろい 雨の街を帰った

<つづき>

翌朝起きると 日が射していた
なんたるラッキー!
・・とは思うけど だるいし眠い
二度寝の誘惑を こらえて
さやかさんは また荒れ庭に出かけた

紐でゆるく閉めた 木戸を開ける
まだ薄い朝日が 斜めに射し込んで
雨露に濡れた 草木を輝かしてた
ほんわり 立ち上る土の香りが
起きたばかりの緑の香りを 包んでた

だけど 掃除するとなると大変だ
昨日やった所も また花びらが落ちてる
あーあと思いながら ぐるっと見て回る
伸びた木の枝が 所々ぽっきり折れて
枯れはて 無残な茶色をさらしてた

のこぎりがあれば 下ろせるけど
さやかさんは いやいやと思った
これ以上 仕事を増やしてどうする
今日はそう! しおれた花だ
それから 葉っぱを片づける

うんと うなずきながら歩いてると
危ない! と声がした
えっ?と思う間もなく 足が宙を浮き
がくん!と 倒れそうになるのを
あわてて 手近な木の枝をつかむ

足がじわじわ 濡れていく
さやかさんは 小さな池に
右足を どっぷり突っ込んでた
歩いてた小道は 庭の端の
池の前でとぎれてた


<つづく>


人気ブログランキング ← なんでこんな所に池が、って猿も?!(嘘です)


※修正のご報告:2016年1月9日
翌朝起きると 日が差していた → ~ 日が射していた
まだ薄い朝日が 斜めに差し込んで → ~ 斜めに射し込んで 
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その29

2014-06-24 22:17:00 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
そろそろ七夕の時期ですね。

まかろん、七夕には毎年強く心を掻き立てられるのですが、
なかなかこれという作品が作れず・・・

今年こそ、と思ってたのですが、無理っぽいですね。

これ終わらせないと・・・

いつか、七夕の物語も書けたら書きたいです。

では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その29

  しおれた花を取るのは
  これまた 大変だった
  雨の中しゃがんで 小さな花を
  つまんで 一つ一つ切っていく
  足腰がじきに ずきずき痛みだした

<つづき>

虫退治をしたと言われた辺りを
一通りやって さやかさんは腰を伸ばした
休憩したら 二度とやる気に
なれそうになかったけど 限界だった
ああまだいましたね とカエルの声がした

あーうん いるけど・・
とさやかさんは ため息混じりに言った
ごめん今日はもう帰るわ もー限界
と 腰をなでるさやかさんに
そうですか・・ とカエルは言った

仲間をご紹介したかったんですが
あいつら まだ来てませんか?
カエルは きょろきょろ見回した
今呼びに行ったら どいつも
どこかに 出かけてて

うーん? とさやかさんは言った
とりあえず 誰も見かけなかったけど
カエルは のどをふくらますと
ケロロケロロと 声を放った
草木を打つ雨の音だけが 静かに響いた

・・来てませんね 全く!
カエルは 腹立たしそうに言った
あー明日も来るから とさやかさんは
取りなすように 言った
良かったら 明日紹介して?

そうします とカエルはまだ
納得いかないという様子で 言った
苦労してるね君 とさやかさん
泥で汚れた レインウェアを脱いで
よれよれの格好をつくろい 雨の街を帰った


<つづく>



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