まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その22

2014-06-20 21:29:53 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
この話、夏至がどうこう言ってますが、
リアルでは明日が夏至なんですよねぇ。

当茶菓子で夏至を一緒にお祝いはできませんでしたが、
素敵な夏至の日を、どうぞ過ごされますように。

では、続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その22

  妖精が 気に入るわけだわ
  と思って道を廻ると 古びた家屋が
  植木の壁の向こうに 見えた
  和風なような 洋風なような
  蔦が這う土蔵風の壁に 木の窓柵がレトロっぽい

<つづき>

引っ越ししたって ホントでしょうね
そう思いながら さやかさん
物がごろごろ転がる 勝手口の
小さな軒下に 荷物を下ろした
漬物用らしき壺とか見ると 気が咎めた

こっそり 聞き耳を立ててみる
中の様子まで 分かるわけもないけど
人がいる気配は 感じなかった
薄汚れた壁が 緑の中でしんとしていた
さやかさんは レインウェアを出して着た

荷物から ゴミ袋と軍手を出して
さてと 辺りを見回した
ホウキとちりとりは どこだ
さやかさんは 頭をかいた
あれ ホントにどこだろう

勝手口辺りに それらしきものはなかった
家の中?そんな困る! と焦っていると
植木の影から 先日見た女の子が
こっちを見ているのに 気づいた
さやかさんは ぎょっとした

やっぱ 人いるじゃん!
さやかさんは 内心慌てた
そーだよ 前もこの子がいたじゃん!
息を殺して 女の子の様子を窺う
大声出すなよー おばちゃん悪い人じゃないよー

心の声が通じたか 女の子は騒がなかった
とことこ近づき レインコートの
すそをつかんで 引っ張った
戸惑うさやかさんの顔を 見上げて
またくいくい 引っ張った


<つづく>



人気ブログランキング ← まあ、お菓子でも。
コメント (2)
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その21

2014-06-20 21:14:06 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
さあ、今日も続きです。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その21

  え? とカエルは言った
  ほら私大きいでしょ と
  さやかさんは あわてて言った
  そんな小さい 蚊とか虫のことは
  出来ないと 思うなー

<つづき>

ああええそうですよね とカエルは
少し がっかりしたように言った
もちろんです ここの方も
ムシは 僕らに任せてましたし
あーうん・・ とさやかさんは言った

えっとじゃあ 片づけしようかな
さやかさんは 腰を上げた
どこか濡れない所・・えーと
と見渡してると カエルが言った
貴女も濡れるの お嫌いですか

んーとそうね とさやかさんは答えた
服とか荷物が 濡れると困るし
カエルは ため息をついた
旦那方や昆虫たちも そうなんですよねぇ
おかげで準備が 皆僕らに回ってきて

カエルは 花の上から頭を下げた
手伝って下さって ありがとうございます
よろしく お願いします
うん・・ とさやかさんは曖昧に答えて
そそくさと 小道を歩きだした

荒れた感じは あるけれど
街中と思えない 緑の深さだった
道や木は 豊かな下草で縁取られ
それに交って 背の高い花低い花が
色とりどりに 散らばっていた

妖精が 気に入るわけだわ
と思って道を廻ると 古びた家屋が
植木の壁の 向こうに見えた
和風なような 洋風なような
蔦が這う土蔵風の壁に 木の窓柵がレトロっぽい


<つづく>



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※修正のご報告:2016年1月9日
植木の壁の向こうに 見えた → 植木の壁の 向こうに見えた
(※言葉を切る箇所を変えました)
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