ども、12月も5日目です。
皆さま、お元気にされてますか。
12月は不思議な月です。
うん、先日も同じ言葉言ったけどね、別の方向で。
12月は、世界がある一点に向かって澄んでいく、そんな空気を感じます。
皆さまはどう思われますか。
自然は12月だのXmasだの、そんなこと関係なく日々移ろっていくけれど、
人が生み出した、このシステムも、
大切な何かを人が忘れていない証拠という気がして、
それを思うと、まかろんは何か温かい気持ちがしてならないのです。
それはともかく。
さあ、アドヴェントカレンダー5つ目の窓を開けましょうね。
2013年12月1日~ブログ直接投稿 「魔法のインク」 その5
アカマツさんが 入口じゃないの?
聞くインクに 小鬼は言った
入口が一つだけじゃ 不便だろ
さあ行くぜ 狼サンを助けたいんだろ
小鬼はインクを手に ヤナギの影に踏み込んだ
<つづき>
ひゅうっと 穴 に落ちる感覚がして
気がつくとそこは 真っ白だった
雪におおわれた こんもり木の森
木々は雪で 白い三角帽のようだった
その間に細い道が 薄闇の中白く続いてた
小鬼は深い雪の中 足取り軽く進んでいった
時おり木の間に 何かの気配はしたけれど
だれも何も 現れなかった
まだかなと インクが思い始めたとき
小鬼はふと 足をとめた
森が そこで終わっていた
開けた向こうは 一面の雪の大地
夜空に広がる 不思議な光のカーテンが
刻々ゆらめき 色を変え
丘の上の白い城に 不気味な色を与えてた
近づくと城は 全部氷でできていた
乳白色の氷が 天高くそびえ立ち
蒼みを帯びて 見る者を拒んでた
鋭い光 が内から差して 城は蒼白く輝いてた
小鬼は目をすがめながら 城に入っていった
中は一面 氷と時計だらけ
床も柱も天井も 半ば透きとおった氷に
無数の時計が時を止めて 浮かんでた
押し殺した静けさの中 小鬼は
ひたひたと 歩いていった
大広間もまた 氷と止まった時計だらけ
一段高いところに 女性が一人
背の高い椅子に 雪と氷でできたような姿を預け
ガランとした広間を 無表情に見下ろしていた
小鬼は 進み出てひざまずいた
<つづく>

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12月は不思議な月です。
うん、先日も同じ言葉言ったけどね、別の方向で。
12月は、世界がある一点に向かって澄んでいく、そんな空気を感じます。
皆さまはどう思われますか。
自然は12月だのXmasだの、そんなこと関係なく日々移ろっていくけれど、
人が生み出した、このシステムも、
大切な何かを人が忘れていない証拠という気がして、
それを思うと、まかろんは何か温かい気持ちがしてならないのです。
それはともかく。
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2013年12月1日~ブログ直接投稿 「魔法のインク」 その5
アカマツさんが 入口じゃないの?
聞くインクに 小鬼は言った
入口が一つだけじゃ 不便だろ
さあ行くぜ 狼サンを助けたいんだろ
小鬼はインクを手に ヤナギの影に踏み込んだ
<つづき>
ひゅうっと 穴 に落ちる感覚がして
気がつくとそこは 真っ白だった
雪におおわれた こんもり木の森
木々は雪で 白い三角帽のようだった
その間に細い道が 薄闇の中白く続いてた
小鬼は深い雪の中 足取り軽く進んでいった
時おり木の間に 何かの気配はしたけれど
だれも何も 現れなかった
まだかなと インクが思い始めたとき
小鬼はふと 足をとめた
森が そこで終わっていた
開けた向こうは 一面の雪の大地
夜空に広がる 不思議な光のカーテンが
刻々ゆらめき 色を変え
丘の上の白い城に 不気味な色を与えてた
近づくと城は 全部氷でできていた
乳白色の氷が 天高くそびえ立ち
蒼みを帯びて 見る者を拒んでた
鋭い光 が内から差して 城は蒼白く輝いてた
小鬼は目をすがめながら 城に入っていった
中は一面 氷と時計だらけ
床も柱も天井も 半ば透きとおった氷に
無数の時計が時を止めて 浮かんでた
押し殺した静けさの中 小鬼は
ひたひたと 歩いていった
大広間もまた 氷と止まった時計だらけ
一段高いところに 女性が一人
背の高い椅子に 雪と氷でできたような姿を預け
ガランとした広間を 無表情に見下ろしていた
小鬼は 進み出てひざまずいた
<つづく>

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