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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「魔法のインク」 3

2013-12-03 21:35:13 | 「魔法のインク」 2013Xmas
ども、お今晩は~。

12月ってなんか不思議な月ですよね。
冬のはずなのに、少なくとも東京では紅葉のピークで、
寒さも2月の方がピークだし、どっちかというとまだ秋だと思います。

先日街を歩いてたら、見事に黄色く紅葉した木を見かけて、
ああ植物にはXmasだのって関係ないんだな、って思いました。

人の世界と関係ない世界。
普段の世界と違う、だけどここにある隣の世界。

そういう世界にお連れできたら幸せです。

さあ、アドヴェントカレンダー、3つ目の窓を開けましょうね。


2013年12月1日~ブログ直接投稿 「魔法のインク」 その3

  ここまで来て知らんのかね とアカマツ
  ここは不思議の国 わしはその門番じゃ
  といっても ただ入口に生えてるだけだがの
  で何の用じゃ 入るのか入らんのか
  僕は帰りたいんですけど とインクは言った

<つづき>

どこに?妖精界にか とアカマツじいさん
いえ人間の家に 僕は使命があるからとインク
ちょっぴり インクの色がまたにごった
ふーむ しかしここには偶然来るものでもないぞ
お前さん ここに呼ばれたんじゃないのかの

そうとは思えないんですけど と
インクは 弱々しく言った
まあええ 帰れるもんなら帰ればええ
だれか になる者を呼んでやろう
そう言い アカマツは身をゆすった

ぬっと現れたのは 大きな灰色狼
アカマツじいさんから 話を聞くと
そぉっと優しく インクをくわえ走り出した
あんまり 無理せんようにな!
アカマツじいさんは 後ろで叫んだ

狼の足は速かった けどいくら走っても
雪の原っぱが 延々続くばかり
人間の家なんか ありゃしない
やっぱり アカマツさんが言う通り?
僕は 無駄なことさせてるのかも

インクの不安をよそに 狼は何日も走り続けた
インクは もう止めようと言いたかったけど
使命を捨てるのが 怖かった
無駄なものになるのが 怖かった
それで狼とインクはまた 雪の原っぱを進んだ

それでも狼はだんだん 弱っていった
休むことが多くなって ある晩
ヤナギの木の下で 動かなくなった
狼さん! とインクは叫んだ
そこにひょこっと 小鬼が顔出した

<つづく>



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コメント
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