すすきのゼロ番地飲食店街

再発見!中央区南6条西4丁目に昭和レトロな雰囲気を漂わせる建物
1階が市場、その地下にすすきのゼロ番地飲食店街がある

北海道歴史探訪・すすきの(9)

2012-02-05 | Weblog

南6条より駅前通り

次に区画を整えるにあたっては、市街地を4キロ四方とし、道幅も細く設定しました。
さらに通りの命名も、京都にならって人々にわかりやすく、条・丁目と改めました。
こうして岩村は着々と事業をこなしていきましたが、ここにきてひとつの

難題にぶつかりました。
それは、当時辺りに生息していた熊より厄介だといわれた火事でした。

住民が住む粗末な草小屋は薪を
炊いて暖をとることによって、草葺屋根に燃え移ってしまい、

それが大火事につながることも少なく

なかったのです。そこで明治5年、岩村は「草小屋を取り除く」という

お触書を出したあと、退官覚悟で
御用火事と呼ばれる放火を決行しました。まず、官庁にあった草小屋を

模範的に焼き払い、それから
民家を全て焼き払うという強行手段に出たのです。
岩村がまわりの非難を振り払ってでも行った、この御用火事によって、

町並みもきれいに整えられ、
火事などの災害はほとんどなくなりました。延焼防ぐ目的で札幌で

はじめての消防隊が誕生したのも
この御用火事がきっかけだといいます。
こうして札幌の開発は急速に進み、岩村は次の事業に取りかかりました。

それは、土木作業者のために
北海道で初めての官庁公認の遊郭を、すすきのに設けることでした。

=つづく=

 

 昭和レトロの癒しの穴場 

すすきの南6西4ゼロ番地の魅力を探る

 

すすきの中心部の一角(南6条西4丁目)に、ひときわ異彩を放つビルが建っている。
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階に『すすきの市場』(所有者=札幌振興公社)、2階~5階に公営住宅(同土地再生機構)、地下1階に飲食店街《 すすきのゼロ番地 》(同すすきのゼロ番地飲食業協同組合)が入居するこのビルは、大正11年に設置された札幌第二公設廉売市場が前身。
地下1階部分についていえば、昭和33年に現在の建物に建て替えられたのち、(株)北海道振興の管理運営時代を経て、昭和46年に協同組合へ売却されたのを機に、現在の《ゼロ番地》の名称で呼ばれるようになった。
《ゼロ番地》の由来は、『地下で番地がなかったから』『ゼロからのスタートという意気込みから』など諸説があるようだ。
戦後65年、すすきのは大きく様変わりしてしまったが、『ゼロ番地』は今も昭和のレトロムードを色濃く残しており、癒しを求めて訪れるファンが少なくない。最近は老舗店に加え、スタイリッシュな新店舗も登場。
若者にも注目され始めるなど、新たな魅力も備えた『ゼロ番地』である。