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※症例は患者様の同医済み.

痛みの「?オノマトペ」

2015-10-18 21:34:27 | 医学雑話

免許とりたてのときは、患者さんの訴えをカルテに記入するときに、わざわざ医学用語に置き換えるということをしてました。
例えば、「腕を挙げると肩がズキズキ痛むんですよ」を、と言われたときに、「上肢挙上時、肩関節に疼痛出現」

「ズキズキ」などという表現が稚拙だと思っていて、経験も技術もないところを隠すために背伸びしていたような気がします。
実はこの「ズキズキ」とか「ピリピリ」というオノマトペ(擬音語、擬態語)が大切な情報なんですよね。

元国立国語研究所特任助教授のの竹田晃子氏と、日本大学総合科学研究所教授の小川節郎氏が、
頭痛や腰痛など慢性痛に悩み通院経験のある約8100人を対象に受診した際、痛みを表現するためにどんなオノマトペを使ったか調査を実施されました。

その結果、実際に診断された病名には、一定の関係があるということがわかったそうです。
例えば、「ズキズキ」が片頭痛、肩関節周囲炎、座骨神経痛、頸椎症など15に及ぶ病気で広く使われていたようです。
また、血管の炎症により起こるとされる片頭痛など頭痛については「ガンガン」、関節リウマチなど関節の痛みは「ギシギシ」「ゴリゴリ」、帯状疱疹(ほうしん)後神経痛など神経による痛みでは「ピリピリ」「チクチク」が多かったということです。

このことから、炎症による痛みは「ガンガン」のように有声子音神経の痛みは「ピリピリ」や「チクチク」など「パ行」「タ行」などの無声子音という傾向がみられたようです。

臨床的には、「ガンガン」がなくなり、電気刺激が走るような「ピリピリ」が残っていると患者が表現した場合は、病歴から、片頭痛は改善されたが帯状疱疹など神経性の痛みは残っていることが分かるということです。

自分の臨床では「ズキンズキン」は、鍼も浅く、即刺即抜だったり「ピリピリ」では灸の遠隔取穴と感覚的にやっています。

最近ある患者さんが「振り返ったりすると"ふぃーふぃー"する」と言われるのでどうなることなのか尋ねたら、頭を動かすと少しふぁ~とするということでした。なんとなくはわかりますが、めまいではないと言われるし、意識がなくなるのでもなさそうです。
このオノマトペを共感できれば治療に繁栄されるのでしょうが方言のように環境で違いが出てくるので応用は難しいですね。

欧米では擬音語、擬態語はあまり使われないようで本で言えば、平均5分の1くらいしか使われないようです。それも児童書では多く、対象年齢が上がるほど使用頻度は少なくなるようです。
もしかして欧米人はええ格好しーなのでしょうか?
雨がざあざあ降っていた…It was raining hard
雨がぽつぽつ降り出した…It began to sprinkle with rain.
文書にすると味気なくなるんで、言い方とかジェスチャーでバリエーションをつけるのでしょうね。


【蛇足1】
研究記事ではオノマトペを「擬音語、擬態語)と説明してましたが、ズキズキとかピリピリは実際にそのような音は出てないので擬音語ではないと思うのですが。

【蛇足2】
うちの子がまだ言葉もたどたどしい幼児の頃、「パチッ パチッ パチッ パチッ、パチッ パチッ パチッ パチッ…」と険しい表情で言っているので、このオノマトペは何を表現しているのかと思っていたら、どうもうちの山の神のガミガミ怒っている様子をまねしていたようなのです。
痛みを与えるような発音、一過性の怒り、子供の感受性の高さには感心します。


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