ただのサッカーブログ

世間知らずの人間が書くサッカーを中心とした個人ブログ。2020年からはサッカー以外の事も少しずつ。

「厚底」人気加速 「箱根」以降ランナー以外も

2021-09-10 | Weblog
2020年令和2年2月19日水曜日
読売新聞朝刊、スポーツ面、文字起こし

スポーツBizトピックス

「厚底」人気 加速

「箱根」以降 ランナー以外も

記録製造シューズとして話題のナイキの厚底シューズ
「ヴェイパーフライ(VF)」。1月2,3日の箱根駅伝で
記録ラッシュを後押しし、世界陸連による規制も一時
取りざたされたことで、ランキング愛好家を超えた
社会的な注目が集まった。巻き返しを図る他の
メーカーも高機能シューズ開発を加速。1990年代の
ナイキ「エアマックス」シリーズ以来とも言われる
シューズブーム到来に、市場が活性化している。(西口大地)


「あの速く走れる靴はある?」

箱根駅伝以降、スポーツ用品販売大手「ゼビオ」の
東京御茶ノ水本店にはこうした問い合わせが急増した。
1月中旬、「世界陸連がVFを規制する可能性がある」
との報道が出ると、ランナー以外の一般客が、VF
目当てに店舗を訪れることがさらに増えたという。

「機能をしっかり説明し、納得して買ってもらったり、
買わなかったりという感じです」と稲庭幸司店長。
約3万円と高額なこともあって別の商品に切り替える客
もおり、他のメーカーの商品も売れているという。

市場調査会社エヌピーディー・ジャパンによると、
長年右肩上がりだった国内
ランニングシューズ市場は、
2017年11月から18年10月の1年間で前年比0.5%増と
停滞気味だったが、18年11月から19年10月は同9.3%と
再び急成長。中でも1万3500円以上の高価格帯が
18.2%増と大幅な伸びを見せ、VFを中心とした
高機能シューズへの関心の高さを物語った。

ナイキ人気を決定づけたのが、昨春発売の「VFネクスト%」だ。
昨年9月の東京五輪代表選考レース、マラソングランド
チャンピオンシップ(MGC)では男子の上位10人中8人
がこの靴を履き、「ピンクの靴」を強烈に印象づけた。
年末年始の駅伝でも独り勝ち状態で、シューズ
アドバイザーの藤原岳久さんの調べでは、箱根駅伝走者
のナイキ着用率は、昨年の41.3%から84.3%に倍増した。

藤原さんによると、以前のモデルは前傾姿勢のフォーム
でなければ履きこなせない傾向があったが、
ネクスト%はつま先とかかとの厚みの差が11ミリ
から8ミリに減り、「より接地感があり、厚底に近い
感触になった」トップ選手でなくても使いやすくなった。

露出価値20億円

往復とも30%近い視聴率を稼ぐ箱根での「VF旋風」は、
ナイキにとって最大の宣伝となった。市場調査会社の
ニールセン・スポーツは、
シューズがテレビ画面に映った位置や大きさ、露出時間
などを加味した独自調査手法から、露出価値は1時間
あたり約2億円と算出する。CMなどを除けば、2日間
のレース全体で約20億円の効果があった計算だ。

早大の松岡宏高教授(スポーツマーケティング)も
「ランナーではない人にとって、世界記録や日本記録を
出すようなトップ選手のシューズを自分が履くことは
考えられても、大学生は身近に感じられる」と、
箱根駅伝ならではの視聴者への訴求効果の高さを
指摘する。ナイキは今月5日、早くも次世代モデルを発表。
世界陸連の規定はクリアする新シューズで、
さらに攻勢を仕掛ける。

「打倒ナイキ」各社追走

箱根で10区間中9区間の区間賞走者がVFを履く中、
一矢報いたのがミズノだった。同社試作品の真っ白な
シューズを履いた創価大の嶋津雄大(2年)が、
10区間で区間新をマークした。
「昨年から(VF)脅威と感じ、シューズ開発を急いでいた」と
同社コンペティションスポーツ事業部の藤江弘一部長。
短距離スパイクの技術を生かした高反発プレートを
靴底に内臓した試作品は、「試着した選手の反応が非常に
良く急きょ年末年始の駅伝シーズンに投入した」という。

アシックスも14日、靴底の前部が反り上がり、効率的
に足を前に運べる、上級者向けの「メタレーサー」を発表。
アディダスも12日、同社製で初めてカーボンプレート
を搭載した「アディゼロ プロ」を発表した。
「打倒ナイキ」を目指す開発合戦は熱を帯びている。

新型コロナウィルスの感染拡大で市民マラソンの中止
が相次いでいるが、中止となっても市民ランナーが
走るのをやめるのではなく、エヌピーディー・ジャパン
の加藤拓真さんは「商品購入自体に大きく
影響することはない」と話す。

ゼビオの稲石店長が「実際には一般向けモデルでも
多くの技術革新が起きており、そちらの客層の方が
圧倒的に多い」と指摘するように、各社ともエリート
向けだけでなく、幅広いニーズに応じた新商品展開を
進めている。東京五輪を控え、市場は広がりそうだ。


各メーカーが新たに発売予定の高機能ランニングシューズ

ミズノ(商品名、未公表)
今夏発売予定 価格、未定
短距離用スパイクの技術を応用した
高反発のプレートを靴底に内蔵

アシックス メタレーサー
4月中旬発売 価格、未公表
つま先部分が上に反った形状で力のロスを削減

アディダス アディゼロ プロ
4月1日発売 22,000円税別
同社ランニングシューズで初めて
靴底にカーボンプレートを内蔵






9月9日(木)閲覧数:411PV 訪問者数:307人
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