造の記 ~つくりのしるし~

楽居の現場日記や、大工の日々の日記です。。

みらいの家外部工事

2010-10-27 19:50:26 | Weblog
こんにちは。。

楽居の新堂です。

急に寒くなり始めましたね。
今年は、秋があったのか???と思わせるような天気です。
皆さん風邪をひかないように暖かくしてくださいね。


そんな中みらいの家パーゴラ工事は進んでいました・・・



二階パーゴラが完成しました。。

手前側の梁は渡り顎工法を用い・・
奥に見える松の太鼓梁は、兜蟻にしました。
ちなみに・・・奥側の太鼓梁は、三間半(だいたい6メートル)とんでいます。

骨組みだけの屋根・・・ここには植物が生えミドリのカーテンができるイメージと伺いました。




そして、一階のルーバー付き屋根工事へと進んでいきます。

まずは、材料

頑固堂にて


左側が6メーターの杉材、梁成八寸(約240mm)程あります。
真中は6メーターの松材、梁成尺(約300mm)です。

次に、墨つけ・・・


これは、『大引』ウッドデッキの床板を受けるための材料です。


継手の墨・・・
これは台持継といいます。
一部、台持継にしました。



そうして、刻みにかかります。



台持の刻み
木を切り崩していきます・・



また、こんな継手もあります。
金輪継
この継手は、真中に栓を打ち継手同士が離れないようにきつくしめこむ継手です。



この材料は、垂木 屋根を受けるための材料です。
杉の三寸(90mm)芯持ち材を使っております。

この斜めに彫りこまれてあるのは・・・ルーバーがつくため
ここに遮光します。設計の遠野さんのお話によると冬は太陽の日差しが差込んでくる角度だそうです。。
なんともすごい。

つぎに建てこみになります。

本当は本日建て方でしたが・・・写真を撮り忘れたため・・
次回アップします。

それではまた。。。


土壁塗り始め

2010-10-20 22:07:03 | 材木座 M邸

こんばんは、楽居 木村です。

さて土壁が塗り始められました。

荒壁という行程です。

 

土がいい具合に発酵しているため、牛小屋の中で仕事をしているようです。
土が乾くにつれ匂いもなくなります。

 

まずは、このように

梁が写っていませんが、M邸は天井が付くにも関わらず、
土台から二階床梁まで塗りあげられています。
これは、通し貫と土壁で面としての力をつけるため。

 

 

下駄箱の部分


丸太の束が浮き出てきて、数寄屋ぽくなってきました。

 

 

 

左官の佐々木さん。

塗面戸を塗ってもらています。

左官でやると少し侘びた雰囲気が出ます。

面戸とは垂木と垂木の間に通常、木の板で入れるものです。

名前の通り、木で入れるのも、左官で塗るのも面倒です。
「面戸は左官と大工で痛み分け」 という言葉もあり
今回は左官屋さんにも担当してもらいました。


 

それではまた。


パーゴラ工事

2010-10-16 19:30:40 | Weblog
こんにちは。
 
ご無沙汰してしております。楽居の新堂です。


みらいの家のお引き渡しから・・・早、2か月

10月に入りとてもすごしやすい日が続いております。

 只今、2Fテラスのパーゴラ工事を行っております。








骨組みがほぼ組みあがりました。

当初、テラス床も緑化する予定でしたが
木の板を貼り、ウッドデッキになります。

また、1Fもウッドデッキとパーゴラがつきます。



工事もまだこれからです。

またご報告いたします。お楽しみに。。。







土塗り前

2010-10-14 21:58:29 | 材木座 M邸

こんばんは、楽居 木村です。

やっとなんとか土を塗る準備ができました。

この竹だけの壁の状態が一番美しく見えます。

 

まずは玄関の下地窓辺りから。

 

写真左下は以前紹介した下地窓。
敷居と鴨居、そして杉磨き小丸太の方立が見えます。
写真右は玄関戸です。戸の上にも下地窓があります。

 

私が注意しているのは、それぞれ不規則な配置の中にも
何か規則性があり、幾何学的な美しさを出せたらと考えながら仕事をしています。

 

次は複雑で入り組んでいる玄関天井。

 

この写真だけでは少しわかりにくいですが、
いろいろな天井、壁、梁が交差していて
心地よい圧迫感があり私が気にいっている場所です。

 

 

茶室から裏玄関を臨む。

 

9尺の鴨居の上にも下地窓。
吊り束の両側に6分5厘の障子が二本引きでつきます。

このお茶室及び裏玄関の内法の高さは5尺7寸(173センチ)で
現在よくある高さ2メートルと比べると非常に低く感じますが
日本の住宅にはバランスがよく、非常に落ち着きます。
他の部屋は5尺8寸(176センチ)で統一しています。

 

 

玄関脇の蔀戸(しとみど)の枠

 

ここには突上げる板戸がつきます。
渋いです。

 

 

茶室 床の間の無双釘

高さのバランスが非常に難しく
床框、落とし掛け、天井の高さ、床の間の大きさ等を
検討し、3尺6寸5分の高さにしました。

 

 

裏玄関上の折釘

ここには扁額と呼ばれる額が掛かります。

 

このようにM邸には様々な和釘が仕込まれます。
他にも変わった釘を使っているのでご紹介します。

 

 


まずは



こちらは、

左が頭巻釘(かしらまきくぎ)

真ん中と右が巻頭釘(まきがしらくぎ)


名前が非常に似ており何が違うのかといいますと、
頭の大きさが違います・・・・。
それだけです。
金物屋さんに注文する時も非常にややこしいことになりました。

 



現代版の目鎹釘(めかすくぎ)

これは貫から鴨居を釣るのに使います。
貫を入れなくなった現代の建築では使わなくなりました。

 

 

現代版 合釘(あいくぎ)



板と板の接合等に使います。
いろいろ応用が利きます。

 

他にもいろいろありますが
其の都度紹介していきたいと思います。

 

それではまた。