造の記 ~つくりのしるし~

楽居の現場日記や、大工の日々の日記です。。

土塗り前

2010-10-14 21:58:29 | 材木座 M邸

こんばんは、楽居 木村です。

やっとなんとか土を塗る準備ができました。

この竹だけの壁の状態が一番美しく見えます。

 

まずは玄関の下地窓辺りから。

 

写真左下は以前紹介した下地窓。
敷居と鴨居、そして杉磨き小丸太の方立が見えます。
写真右は玄関戸です。戸の上にも下地窓があります。

 

私が注意しているのは、それぞれ不規則な配置の中にも
何か規則性があり、幾何学的な美しさを出せたらと考えながら仕事をしています。

 

次は複雑で入り組んでいる玄関天井。

 

この写真だけでは少しわかりにくいですが、
いろいろな天井、壁、梁が交差していて
心地よい圧迫感があり私が気にいっている場所です。

 

 

茶室から裏玄関を臨む。

 

9尺の鴨居の上にも下地窓。
吊り束の両側に6分5厘の障子が二本引きでつきます。

このお茶室及び裏玄関の内法の高さは5尺7寸(173センチ)で
現在よくある高さ2メートルと比べると非常に低く感じますが
日本の住宅にはバランスがよく、非常に落ち着きます。
他の部屋は5尺8寸(176センチ)で統一しています。

 

 

玄関脇の蔀戸(しとみど)の枠

 

ここには突上げる板戸がつきます。
渋いです。

 

 

茶室 床の間の無双釘

高さのバランスが非常に難しく
床框、落とし掛け、天井の高さ、床の間の大きさ等を
検討し、3尺6寸5分の高さにしました。

 

 

裏玄関上の折釘

ここには扁額と呼ばれる額が掛かります。

 

このようにM邸には様々な和釘が仕込まれます。
他にも変わった釘を使っているのでご紹介します。

 

 


まずは



こちらは、

左が頭巻釘(かしらまきくぎ)

真ん中と右が巻頭釘(まきがしらくぎ)


名前が非常に似ており何が違うのかといいますと、
頭の大きさが違います・・・・。
それだけです。
金物屋さんに注文する時も非常にややこしいことになりました。

 



現代版の目鎹釘(めかすくぎ)

これは貫から鴨居を釣るのに使います。
貫を入れなくなった現代の建築では使わなくなりました。

 

 

現代版 合釘(あいくぎ)



板と板の接合等に使います。
いろいろ応用が利きます。

 

他にもいろいろありますが
其の都度紹介していきたいと思います。

 

それではまた。


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