造の記 ~つくりのしるし~

楽居の現場日記や、大工の日々の日記です。。

銅板、下屋、玄関

2010-09-25 20:56:42 | 材木座 M邸

こんばんは、楽居 木村です。

急に寒くなりました。みなさん風邪などひいてませんでしょうか?

今日は写真盛り沢山です。

 

 

さて、今回はこの間の裏玄関の庇に銅板を葺いてもらいました。
加藤板金さんに無理を言って銅板の一枚一枚の大きさを小さくしてもらいました。

急遽一枚一枚刻んでもらいました。
加藤さんも久しぶりにやったとのこと。

 

 

でもわがままを聞いてもらったおかげで素晴らしい
屋根ができました。

 

びかびかです。

 

暫くすると銅板が緑青をふき、いい味が出てきます。
楽しみです。

 

 

 

続いては玄関の屋根です。
広小舞と木小舞が終わったところです。

 

 

 

土間側から見上げる。
上の屋根に銅板の色がが反射しています。

 

 

 

 

軒先には化粧の杉の野地板と、室内側には角萩を張っていきます。

こんな感じに。玄関入ってすぐの駆け込み天井です。

 

 

 

 

 

裏玄関の駆け込み天井には

垂木に海布丸太
尺八に晒し竹、 
小舞に晒し竹の吹寄せ、
それを藤蔓で巻き
野地板に杉の粉板(へぎいた)を稲子張りしました。

 

 

 

 

さてこれは何でしょう?

 

 

 

皮つきの葦(よし、または あし)です。

 

 

 

これを使ってこのように編んでいきます。

これは下地窓と言って、内側には障子がつきます。

この下地の影が障子に美しく映り込みます。

 

 

 

M邸は土壁のため、壁の下地には竹が張りめぐらされています。

 

 

 

勝手口の割竹の腰張り

 

 

今日はだいぶ長くなってしまいました。

それではみなさん、また来週~。


丸太と杉皮の庇

2010-09-09 21:54:44 | 材木座 M邸

こんばんは、楽居 木村です。

久々の更新です。

現在材木座M邸は、内法(うちのり)の取り付けと、庇をやっています。

今やっている庇は裏玄関の庇で、茶室の三本引きと裏玄関の引き戸をを開け放つと
どーん、と見えてくる気合いの入る場所であります。

北山杉の末口2寸(60mm)の丸桁に、同じく北山杉の末口1寸(30mm)の海布丸太
をまず、据え付けます。

 

垂木の上に晒竹で小舞を2本吹寄せで取り付けます。
そして尺八(垂木の丸太と丸太の間の竹)を藤蔓で編んでいきます。

 

下から見るとこんな感じです。
美しいです。


そしてお次にこの杉皮を上に張っていきます







 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうすると、このように。

 

数寄屋では定番の杉皮の化粧野地です。

普通の屋根に比べると非常に手間がかかりますが
出来上がり、見栄えは素晴らしいです。