性懲りもなくホラー小説を読み漁っています
だってしょうがないじゃないですか
角川ホラー文庫が面白そうな本を
次々と出しているのですから
しょうがないのです
ハロウィンも近いですし、そんな気分なのでしょう
……まぁ年がら年中そんな気分なので
おそらくわたしはハロウィンタウンの住民か
何かそんなものなのでしょう
玩具の魔改造なら任せてください
わたしの好みに合うように手を加えれば
おのずと悪趣味になるので完璧です
もうすぐハロウィン
そんな気分で次々読む中で強烈に面白かったのが
北見崇史さん『血の配達屋さん』
綾辻先生の本でおなじみ遠田志帆さんの絵が目を惹き
その綾辻先生が帯コメントを寄せている
しかし惹句が「偏愛」
そこで買うかどうか少し躊躇ったのです
『殺人鬼』シリーズみたいだったら読めないな、と
……痛そうなのが苦手なのです
それで少し迷ったのですが、結局買いました
結論、大丈夫でした
妙にテンションがあがる、本当に爽快な
血みどろ怪奇幻想でした
最初は生理的嫌悪感が凄まじいのですけれど
だんだんと麻痺してきます
極上に気味悪い生き物も
腕がぞわぞわするのは最初だけで
大集合の時には平気になっていました
詳細に想像するのを止めたせいかもしれませんが……
痛いのは駄目でも血は平気なので
貧血時に読めば鉄分摂取になりそうな
そんな気さえしてくる血みどろっぷりがもはや快感
「根腐れ蜜柑」のくだりでテンションは最高潮でした
ホラー読んでいるとたまに旧神の面影に出会えるのが楽しい
終幕がとっても清々しかったです、血まみれなのに
というわけでとっても面白かったのです
気になる所と言えば
主人公が賢くないので多少苛々するのと
時折引っかかる表現があることでしょうか
「無双する」って、読んで解りますけれども
一般的な表現でしたっけ
とはいえ
そんな些末な点は真っ赤に塗りつぶせば気にならなくなりますし
勢いに引きずられるまま突き進むうちに忘れます
映画ならまだしも
小説で熱量の高いホラーは珍しい気がします
そんな新鮮な恐怖を味わえてとても面白かったです