この間、夫とこんな話になった。
「最後に一緒にフレンチレストランに行ったのは一体何年前なんだろうね?」
そう言ってから思い出した。
以前、尖沙咀に、Au Troi Normandというフランス料理屋があって、そこは夫と私の大のお気に入りの場所だった。
雑居ビルの地下にある、何十年も続いた老舗のレストラン。
かなり年季の入った内装だが、赤と白の格子柄のテーブルクロスがかかったカジュアルな雰囲気。
そこのコッコ・オ・バン(鶏の赤ワイン煮込み)とグースやレバーなどのパテ数種類が絶品で大好物だった。(今書くとうげーーーって感じだが)
遅く起きた日曜日など、そこにブランチによく行ったものだった。
サンデーブランチはパテやオニオングラタンスープ、サラダなどの前菜はビュッフェスタイル、それからメインとデザートをオーダーする形。
すごくボリュームのあるもので、しかも味は香港化していなく、それでいてとてもリーズナブルな値段だった。
すごくボリュームのあるもので、しかも味は香港化していなく、それでいてとてもリーズナブルな値段だった。
フランス人の家族連れもよく見かけた。
残念ながらその後経営者の仲違い?により店は2つに分かれ、似たような名前で別々に営業を始めたが、どちらも味はそこそこになってしまい、あっという間に2件ともつぶれてしまった。
夫は今でも仕事がらみでフレンチレストランに行く機会があるが、頼むのはいつも特別オーダーの「野菜のグリル」。
イタリアンだったら美味しく仕上げてくれるのだろうが、フレンチだとダメダメらしい。
私はもうよほどの機会がない限り、フランス料理屋に行くことはないんじゃないだろうか。
家でも、作るものがどんどん簡素化していっているような気がする。
実際その方が喜ばれるし。
量も品数も結構多く作るのだが、手の込んだものはあまり作っていない。
食材も肉類、魚介類一切使わないから必然的にシンプルになる。
今朝、こどものお弁当に入れる炒り卵を作っていて気がついたが、仕上がった炒り卵が生臭い…。
卵は決して古くない。火もしっかり通っているし味もちゃんとついてる。
きたか…と思った。
私は近い将来卵も抜きになりそうな予感。
究極のシンプルごはんはきっと玄米ご飯にごま塩もしくはねぎ味噌かも。
宮沢賢治の世界、だね。それとも流行りのマクロビオティック。
私はマクロビは内容が100%同意できないのでレシピは利用するが厳密にやったことはない。
玄米は大好きなので毎食でも大丈夫だが夫とこどもがまだ白米でないとダメなので実行できないでいる。
たまに我慢できずランチで玄米や雑穀ご飯を炊いたりするが、こどものおべんとう用に朝ご飯を炊いたりすると余ってしまうのでその消費をしなくてはならずこれもなかなか実現しない。
友人夫婦が、数年前にアフリカのある国のある村に学校を建てた。
うちも寄付をさせてもらっている。
だから定期的に学校の運営状況の報告をもらうのだが、その中に食事の欄がある。
食事は主にメイズというとうもろこしの一種で、それを炊いてランチにする。
(注:上のメイズのリンクは友人の学校とは全く関係ありません)
(注:上のメイズのリンクは友人の学校とは全く関係ありません)
友人夫婦は、彼らがまだそれだけしか食べられないことが可哀相で仕方が無いらしい。
でも私は即、「何故?」と思った。
肉類、乳製品類が豊富で当たり前の国出身の彼らからすると、メイズだけというのは貧しい食事、という感覚があるのかもしれないが、菜食の観点から見ると、とうもろこしはなかなか素晴しい食材だ。
写真を見る限り量だって少なくもなく、満足に食べているようだし。
そこの現地の住民の食生活はかなり悲惨で、飲み水の質も悪く、年に多くの人がエイズなどの病気で亡くなっている。
それに比べると、学校に来ている生徒達の食事はそれで十分恵まれていると思う。
なんとも説明しにくいが、「貧乏なんだからそれで十分じゃないか」という意味ではない。
「とうもろこしのご飯、最高じゃないの!」って感覚だ。
もちろん、他の栄養を含む食材を組み込むことは必要かもしれないが、先進国の食生活が理想の食バランスの見本だとは思わない。
私は1日30品目だなんて、諸悪の根源だと思っているし。
ちなみに、アフリカでの友人夫婦の食生活は、材料の違いこそあれヨーロッパや香港にいたときとあまり違わないものだ。
現地の高級スーパーに行き、食材を調達している。(もちろんそれが悪いことだとは全く思ってない)
10年以上前に、大阪の甲田医院の医院長で医学博士でもある甲田光雄先生の文で読んだこと。
それによると、トンガの国に住む人たちは、タロイモが主食で、肉類はほとんど食べないらしい。
しかし男性のほとんどは筋肉隆々でパワーがみなぎっているように見える。
トンガの人たちの身体は、タロイモの炭水化物を体内でたんぱく質に変化できるようになっているらしい。
これはすごいことだよねー。
食文化が、からだまで作り変えることができるなんて!
・・・ところがさっき検索してみたらトンガの食生活は今や日本と変わりなく、肉類が多くなっていて、不健康な肥満で悩んでいる人が多いらしい。とほほ…
私は美味しいものを食べるのが大好きなはずなのに、食べない選択をするのも実はちょっとあこがれがある。
私も夫も甲田先生ほど神がかる?ことはとてもできないし、こどももいるしで究極のシンプルにはまだまだたどり着けないだろう。
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