毎晩、少しずつ読んでたこの本を、やっとの事で読み終えた。ほんとに私は活字が苦手で、絵画を眺めるように読めないのだ。”コールガール”後半へ行く前に番外編入れます。悪しからずです。
この本は、日本人の農耕的感性とかで読むと一発アウトなんですね。ボクシングとカーリングが同じ感覚で見れないように。また、数学を理屈や計算で考えると、頭が混乱する様に。
欧米でベストセラーになった程の本のレビューが日本でイマイチ低いのはその為でもあろうか。
でも、アマゾンのトップレビューは全く完璧だったと思う。でも、チョンマゲの歴史が永すぎた。日本人にはこういった類には、まだまだ上手く順応できてないのかも知れない。が、goo以外のブログを見てると、思い思いの自作エロ小説に出くわす。流石に若モンの感性は実に柔らかい・・・ウンいい事ですな。
沈没しかけた”才女”の物語
著者のジャネット嬢の、一人勝ちした超大国の女の、それも沈没しかけた才女であり、賢女である彼女の立場で読まないと。全く面白みのない現実で終止する。
ともかく、日本人なら誰でも、”東電OL事件”と同じ土俵での比較となる。となると、安直で稚弱な悲壮の女の興味本位な”娼婦物語”に衰没する。まるで、藤圭子の歌に出てくるような。
最後まで読み終えて思った事は、この女性の3年間の不道徳?な”夜の仕事”はある意味、自分を試すスパイゲーム。アメリカの闇を彷徨う新しい自分を発見する冒険なのだ。
それに彼女は純粋なアメリカ人ではない。フランス人の父とアメリカ人の母の下で、フランスで生まれ、フランスで育ち、学生時代をイギリスのロンドンで過し、成人してから渡米した。
勿論、”性”という歴史と濃度においては、フランスはイタリアと共に、世界の群を抜く存在であろう。その”半フランス&半アメリカ人”から見た”アメリカの性”は、ひょっとしたら中途に痴弱に映ったかも知れない。
新しい自分を再発見するにはいい機会だし、ギャラも環境もヨーロッパよりかはいいし、客も千差万別と来る。アメリカという自由満載な新大陸は、彼女にとって絶好のカモだったかも知れない。ヨーロッパでこんな事ヤッてたら、幾ら売春が合法な国が多いとしても、スリルも緊張感もなく、簡単に潰れてただろうか。
しかし、薬物社会のアメリカは、彼女に様々に巧妙なトラップを仕掛けていく。
互いの駆け引きも実に絶妙で、彼女があれだけの量のコカインを吸引し、シャブ中にならなかったのは驚異でもある。
性という奇怪なルポルタージュ
ある意味、アメリカに対する密かな復讐もあったのではと私は思う。
”私はアメリカほどには荒んではいないわ”とジャネットは内心思ってたんじゃないだろうか。事実、小説に中では、様々な異国の民が登場し、彼女に狡猾な罠を嵌め、落とし込もうとする。
そういう意味では、自らの性をネタにしたルポルタージュであり、30半ばの女性の3年に渡る、新しい自分を探す”性”なる冒険の旅。
全く、逞しくも羨ましい女性ではある。日本の才女とはかくも違うのか。
でも、健康的な女性だったら、特に若くて魅力的な女性なら、誰しもが心の内の密かに、肉体で男を支配してみたいと思うのは、当然かつ自然な事かもしれない。それを疚しいと一言で片付ける程の度胸は、私は持ち合わせてはいない。
この本の物語はある意味、アメリカの豊かさと度量の深さのなせる技ですね。訳者の若い友人が”こんな待遇なら、私でもやれるかしら”と色気付いたそうで。その気持ち、男の私でも判りますね。それに女性経営者のピーチは、ホントよくやってますもん。
著者のジャネットは、売春が合法化すれば、逆に規律とか統制が整備され、犯罪的売春行為がなくなるのではとも語ってます。私も合法化には賛成ですが。これに関しては様々な意見があるのは当然でしょう。
この後も、この”コールガール”シリーズは続きますが。よろしくです。
ある意味、アメリカの豊かさと度量の深さのなせる技ですね。
訳者の若い友人が”こんなに良い待遇なら私でもやれるかしら”と色気付いたそうで。気持ち判りますね。女性経営者のピーチは、よくやってますもん。
著者のジャネットは、売春が合法化すれば、逆に規律とか統制が整備され、犯罪的売春行為がなくなるのではとも語ってます。
私も全く同じ考えです。シャブや賭博は不正ですが。売春を不正とは誰が言い切れるだろう。私にはそんな勇気も度胸もない。
私は反対です。逆に犯罪が増えると。欧米はともかく、日本人はそんな野蛮には出来てない様に思います。とても繊細な民族ですから。
売春はやはり違法です。
この本を読む前までは、正直迷ってました。
確かに、繊細な日本の女性に、売春というものが、欧米の女性とは全く違う感覚に映ると思います。でも、ソープランドが合法で売春が違法というのも、極端すぎるようで。
ただ、著者が訴えてる様に、売春を仕事としてる女性の多くが、犯罪やドラッグの犠牲になってるのも事実です。合法化すれば、規律や統制が整備されるのではと、彼女は語ってます。
私は女性じゃないので、これとは言えないのですが。闇の部分に光を当てる事は必要ではないかと。命には変えられませんものね。