
セルフ給油では、釣り銭が出る時以外はレシートを受け取らない様にしている。
というのも、週1回で僅か千円分しか給油しないし、そのパターンが身についてるからレシートは要らないとなる。
もう1ヶ月以上も前の事だが、事もあろうに、釣り銭を取り忘れてしまった。
理由は単純だ。
普段なら、174円/L程で高止まりしていたレギュラー価格が166円に値下がってた事で、少し得した気分になり、気分的に舞い上がっていた事にある。
元々忘れっぽい私だが、セルフ給油の釣り銭システムは、そんな私にとって都合のいいものであった筈だ。
勿論、釣り銭を忘れる事自体”自業自得”と言われればそれまでだが、悔しいものは悔しいし、惜しいものは惜しい。実は、ガソリンスタンドでの釣り銭忘れは2度目で、情けないとは判ってはいても、それが情けというものだろう。
意外にも多い、セルフ給油での釣り銭忘れ
”セルフ給油での釣り銭忘れ”で検索すると、思った以上に釣り銭忘れの事例が多い事に驚かされる。
事実(2017年のデータによると)、平均的な釣り銭忘れの金額は月に5万円程で、大きいスタンドだと月に30万円に、全国展開型の店なら100万にも及ぶという。
結局はみな、多かれ少なかれ、同じ様な理由で釣り銭の取り忘れを体験する。だが、要はその後の対応の仕方で、幸か不幸かが決まる。全く、人生においても同じ事が言えそうだ。
現役のスタンド店員から言わせると、取り忘れた釣り銭が返ってくる可能性は”ほぼない”と言う。故に、怒り嘆く前に自己反省すべきとなる。
私の場合、夜の7時頃に給油し、釣り銭を取り忘れ、それに気付いたのが4時間後の夜11時である。すぐにセルフスタンドに立ち寄り、釣り銭忘れの概要を伝えたが、店内にいたのはアルバイトだけで、”記録が残ってる筈なので(社員が勤務する)翌朝8時以降に来て下さい”との事だ。
慣れた対応だったので、不思議と嫌な予感はしなかったし、私自身も冷静でいられた。
まず、釣り銭が戻ってこないケースとして考えられるのは、私の後に給油しに来た誰かがネコババするか、店側が嘘を付くかの2つだ。まず後者はありえないとして、前者の可能性が高いが、これは明らかに窃盗罪である。
勿論、セルフ給油で盗み慣れしてる人種がどれ位の確率で存在するのかも地域により異なるだろうが、仮に戻ったとしても半々の確率と見るべきであろう。
4千円の釣り銭だが、やはり悔しいのは悔しい。だが、不思議とそれ以上の感情の落ち込みもなく、夜はぐっすりと眠れた。祭日という事もあり、起きたのは9時過ぎとなったが、急いでセルフスタンドに向かう。
行き慣れた店はリニューアルオープンで賑わい、釣り銭忘れの事を申し出ると、快く応じてくれた。
この時点で、いい予感がした。
”昨晩の7時頃に給油したと思うんですが、釣り銭を取り忘れたみたいで・・”と告げると、店長らしき人が昨日の精算記帳を広げ、”釣り銭はいくらですか?”と尋ねる。
”5千円入れて千円の給油だから4千円です”と告げると、”ここに名前と住所と電話番号を記入して下さい”という。
アッサリしすぎて少し拍子抜けしたが、開かれた昨日分の記帳を見ると、2枚の釣り銭レシートが貼ってあり、右側の方が私が忘れた釣り銭のレシートだった。すぐに、そのレシートは破棄され、無事に釣り銭の4千円を受け取り、事なきを得た。
ネコババする客がいなかった事が大きな救いだったが、実は他人の釣り銭レシートでネコババするのは簡単だという。
そういう意味でも本当にラッキーだった。これが犯罪や窃盗の多い都会や地域だったら、100%戻って来る事はなかっただろう。田舎とは言え、治安のいい日本に住んでる事の有り難みを、こういう時に感じてしまう。
つまり、日本はまだまだ捨てたもんじゃない。
実際に釣り銭は戻ってくるのか?
通常は、取り忘れたお釣りは店で管理され、レシートがあれば返却できる。一方、レシートがなくても、給油した日と時間、給油額と釣り銭が分かってて、店側が確認して合致すれば、お釣りは戻ってくるという。
私の場合は後者だったが、気付いたのが早かったので事はスムーズに進んだのだろう。
更にネットで検索すると、こうした釣り銭忘れによる処理トラブルは多岐に渡り、最悪は警察沙汰になり、盗んだの盗んでないのと訴訟合戦に発展する事もあるという。
勿論、取り忘れた本人が一番悪いのだが、今は殆どのセルフ給油が、レシートをバーコードにかざして釣り銭を貰うという面倒な仕組みになっている。
これは、直接釣り銭が出る機械だと経費が余計に掛かるからだという。一方で、取り忘れがしばし起こる事から、敢えてこんなシステムにしたのだが、その日か次の日に取りに来なければ(釣り銭を忘れた人の)殆どは取りに来ないとのデータもある。
結果、その取り忘れ分は店側の丸儲けとなる。大手スタンドなら月100万として年間1000万を優に超える釣り銭忘れが、何もしないで店側の懐に入るという。
勿論、クレジットやスマホ決済にすれば、釣り銭忘れはなくなるが、昔ながらの現金払いだと、こんなにも美味しい商売が出来るのだ。まさに、”釣り銭忘れ”に感謝である。
確かに、スタンド側に何ら罪も責任もないし、通常の金銭感覚を持つ人ならば、仮に釣り銭の忘れに遭遇したとしても、すぐに気付く筈だし、お釣りが戻る確率も高い。
結局は、金銭感覚にルーズなおバカさんがいる限り、セルフ給油は何もせずに結構な利益を上げる事が出来る。言い換えれば、現金商売はそんな人種をカモにする為に存在するのかもしれない。
意識の高い輩は”これからは変化に対応出来ない人は生き残れない”と偉そうに説くが、世の中の殆どは変化に対応できない。また、変化に対応できたとしても、得るものはあるのだろうか?
つまり、カードやスマホ決済にしても、店側にすれば、釣り銭忘れ以上の金額が洗車や高価なコーティングやオイル交換等の、給油以外の付加的サービスに使われる可能性もなくはない、
しかし、釣り銭の取り忘れがこれ以上頻繁に続くと、それらに関する法律(罰則)が必要になるかもしれない。だが、金銭にルーズなバカを叩き直すには、このままの方がいいのかもしれない。
という言葉で、今時の釣り銭忘れの実態について報告しました。
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