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果汁100%飲料は避けた方がいい・・そのワケ〜糖化と老化の密な関係

2025年05月31日 16時22分18秒 | 健康

 GooBlogスタッフのテーマに”一番好きな果汁飲料の味は?”ってのがあった。
 いつも思うのだが、GooBlog編集部は呆れる程に能天気である。だからブログが終了するんだろうが・・そういう幼弱なテーマに敢えて付き合う私も、確かに人が良過ぎる。
 因みに、私は”果汁100%ジュースに多く含まれる糖質(果糖)はブドウ糖の数十倍も糖化し易く、AGEs(終末糖化産物)という老化物質を作り易いから避けた方がいいとは、本当だろうか?”とコメントした。
 勿論、”果汁飲料は身体に悪い”で検索した結果の解答をコピペしただけである。
 だがもし、健康とされてる食品が老化を加速させるだけだとしたら、洒落にもならない。


糖質と老化

 そこで今日のテーマは、糖質と老化である。
 ずっと前に、清涼飲料水は糖質が多く含まれるから身体に悪いとの説をよく耳にしたが、若い頃は今よりもずっと太ってて甘いものにも目がなかったから、清涼飲料水は生活必需品であるかの如く飲んでいた。
 会社の上司から注意され、清涼飲料水からスポーツドリンクに変えたが、炭酸飲料とは異なりゴクゴク飲めるので結果的には同じであった。

 「内臓脂肪がストンと落ちる食事術」(江部康二著)では、糖質制限と1日2食を組み合わせた”食トレ”を解説し、特に糖質制限で避けるべき飲み物を紹介している。
 まず、コーラなどの炭酸飲料やジュースなどの清涼飲料水は平均10%の濃度で砂糖や果糖といった糖質を含む。500mlには糖質約50gが含まれ、角砂糖10個以上に相当。
 また、健康によさげな果汁100%や野菜100%ジュースも糖質は多く含まれるので避けた方がよく、特に果糖はブドウ糖の数十倍も糖化し易く、AGEs(終末糖化産物)という老化物質を作り易いので要注意だという。
 牛乳や豆乳にも糖質は含まれ、お洒落なイメージのカフェラテやソイラテを毎日の様に飲めば、糖質過多に繋がるのは言うまでもない。一方でAGE値を抑える豆乳だが、”糖乳”という意識を持ちたいものだ。
 また、お酒でNGなのがビールや日本酒などの醸造酒で、糖質を多く含む。ビール中ジョッキには糖質15g以上、日本酒1合には糖質8g程度で、“ビール腹”と呼ばれる内臓脂肪型肥満の大きな原因となる。
 だが、醸造酒でも辛口のワインは例外で、グラス1杯に糖質1g足らず。故に1、2杯飲むくらいなら問題ないとされる。逆に、OKなのは焼酎やウイスキーやウォッカなどの糖質ゼロの蒸留酒で、酎ハイなどの糖質を多く含んだものはNG。当然だが、ワインも焼酎も飲み過ぎれば身体には悪い。 

 その上、糖質制限には白米やパンや麺類も含まれるから、B級グルメや外食派は頭が痛い所である。勿論、健康が人生の全てではないし、健康の定義は幅が広く、個人差もあり、慢性化した糖質制限のストレスで頭がおかしくなる事もあろう。更に、健康以外にも人生の危機は幾らでも存在する。
 本書に書かれてる中で私が実践してるのは、1日2食と(糖質を含む)炭水化物控えめだけだ。
 ただ、江部氏が語ってる事は、教科書に載ってる公式を黒板に書いただけ様なもので、目新しさはないが、AGEs(終末糖化産物)という言葉だけが妙に引っ掛かる。


AGEsと糖化のなれ果て

 前述した様に、AGE(Advanced Glycation Endproducts)とは終末糖化産物の事で、強い毒性を持ち、老化促進の元凶として注目される物質だ。体内のタンパク質に過剰な糖がこびりついて糖化を促進し、AGEと呼ばれる”劣化したタンパク質のなれ果ての物質”が溜まる事で広範囲に様々な病気の発症に繋っていく。
 皮膚に蓄積されれば、しみ・しわ・たるみとなり、血管であれば動脈硬化・心筋梗塞・脳血管障害に、脳であればアルツハイマー病などの認知症に、目であれば白内障、骨であれば骨粗鬆症、その他がんや変形性関節症など・・
 とにかく、ありとあらゆる場所で深刻な病気を引き起こす厄介な曲者だ。また、AGE値が高い人は老化の進行が顕著で寿命が短くなる事が報告されている。
 このAGEを判り易く言えば、糖質とタンパク質を同時に加熱してできる焦げ目が糖化した部分である。例えば、ホットケーキでは小麦粉(糖質)を練り、牛乳や卵のタンパク質を加えて加熱した時のこんがりきつね色した部分がAGEなのだ。他にもステーキやトーストを焼いた時の焦げ目など、我らは知らず内にAGEsを体内に取り入れてる事になる。

 ただ、AGEの根源となる糖質は我らが食事でとるエネルギーの半分以上を占め、生きる上で欠かす事のできないし、体内でAGEが生成されるのは、ある程度仕方がない事と言える。従って、AGEの蓄積を最小限に抑える事が重要だ。
 一方、AGEが体内に蓄積されるパターンには大きく2通りあり、1つはパンやご飯などの炭水化物の摂り過ぎで高血糖状態が長く続き、体内のたんぱく質と糖が結びついてAGEが生成・蓄積されるパターン。2つ目は食品(食物)に含まれてるAGEを摂取する事で体内に蓄積するパターンだ。
 特に、後者で注意すべきAGEを多く含む食品だが、その含有量が多いとされる食品群を以下に示す。
 まずファーストフードでは、ハンバーガー(牛)=4876KU/90g、フライドポテト=1522KU/100g。肉類では、フランクフルト(豚肉/5分間焼いたもの)=10143KU/90g、鶏胸肉(皮つきチキンカツ/25分間揚げたもの)=8965KU/90g。魚では、サケ(10分間揚げたもの)=1348KU/90g、マグロ(醤油をつけて10分間焼いたもの)=4602KU/90g。乳製品ではプロセスチーズ=2603KU/30g、パルメザンチーズ=2535KU/15g。ナッツ類ではアーモンド(ロースト)=1995KU/30g、ピーナッツバター=2255KU/30g。
 但し、比較参考として、ご飯=9KU/100g、食パン(耳を除く)=7KU/30g、白砂糖=0KU/5g、人参=10KU/100g、バナナ=9KU/100g、牛乳=12KU/250mL、コーラ=16KU/250mL。


糖化とAGEsと老化

 以上から、同じ食品でも調理の仕方で、AGEの量は大きく変化する事が判る。例えば、魚で言えば、AGEの量は(味付けを除き)”焼き魚>煮魚>刺身”となる。故に、高温で長時間調理をする程にAGEは増える為、焼いたり油で揚げる調理に加え、ジャンク&ファーストフードやチーズやナッツ類は、老化抑制の観点からも避けた方がいいとなる。
 従って、AGE含有量の調理法で言えば、”生<蒸す(茹でる)<煮る<炒める<焼く<揚げる”となる。
 そこで、AGEを減らす対策として、糖質を多く含む食品や高温で長時間調理された食品を避ける事は勿論だが、食後の血糖値を抑える事でもAGEの生成を抑制できる。
 その為には、①”野菜→肉→炭水化物”の順で食べる事で血糖値の急上昇を防ぐ②低GI食品や抗AGEであるビタミンB1,B6を取り入れる③糖質消費の為に食事直後に軽い運動を行う事の3つが指摘されている。
 以上の様に、AGEの生成・蓄積を予防するには毎日の食事を改善する必要があるが、長年慣れ親しんだ食生活を一変させる事は無理があり、糖化による老化の恐怖に怯えながら、徐々に鳴らす事が必要であろう。 

 医学的には、人間の老化とは加齢により体を構成するタンパク質が劣化し、機能が低下する事だが、糖化によるAGEの蓄積がタンパク質の劣化や機能低下に繋がる。更には、体内のタンパク質の3割以上を占めるコラーゲンが糖化し、AGEが溜まるとシミやシワの元になり、骨や血管のコラーゲンに溜まれば、骨粗しょう症や動脈硬化の原因になる。従って、AGEが蓄積される事でほぼ全ての疾患に発展する可能性がある。
 一方で、酸化によるダメージには体内の防御システムがあり、またビタミンCなどの抗酸化物質を摂取する事で抗酸化力を上昇させ、AGEの分解を促す事が可能となる。
 但し、糖化は酸化と違い、体内に備わる機能で防ぐ事は出来ず、それに糖化後の分解が難しく、食習慣などの予防的対策が重要だが、糖化はその過程で酸化的部分を含む為、酸化防止の対策により、糖化を遅くする事が可能となる。

 因みに、発がん性物質の点で見れば、焦げた食べものは卵巣がん・腎臓がん・子宮内膜がんのリスクを高めるとされ、食べものが焦げると、世界保健機関(WHO)が人間に害を与える“可能性あり”とする化学物質=アクリルアミドが増える事から、国際がん研究機関もこれを“人に対し、恐らく発がん性のある物質”に分類する。
 但し、英国のがん研究慈善団体によると、その因果関係は分かっておらず、同団体HPには焦げたトースト、チップス、フライドポテトの”アクリルアミドが発がんリスクが上昇する可能性は低い”との記載も・・
 その一方で、アクリルアミドはAGEsの一種であり、発がん性と神経毒性を持つ可能性のある物質で、許容濃度の測定は困難だが、”そのリスクを認識して可能な限り焦げた食品を避ける事も大切だ”との声もある。
 更に、食品の焦げ目にに潜むこうしたリスクは茹でる事で大量のアクリルアミドが発生する事はなく、楽に減らせる。また、その含有量は食品の色を見れば判り、焦げ茶や黒になるまで調理せず、薄茶色や黄金色の時点で火を止める。また、140℃を越えると、その発生量が大幅に増加するので低温でじっくりと調理する事も推奨している。


最後に〜AGEを減らす7つのルール

 ”糖化と老化”で検索すると、以上の事が当り前の様に解説されてるが、揚げ物が大好きな私にしては、実に痛い報告ではある。
 だが、”日ごろからAGEの多い揚げ物などを好んで食べる人は、AGE化を防ぐビタミンB1やB6やカテキンなどの成分を摂るといい”と、AGEクリニックの牧田善二院長の言葉もある。
 つまり、ビタミンB1には糖質の代謝を促し、B6やカテキンはAGEの吸収を阻害する働きがある。更に、”食品に含まれるAGEの約7%は消化の過程で体内に溜まるので、AGE量が多い食品は避けるべき”とも語る。
 以上の3つの成分を一緒にとれる飲み物が”粉茶豆乳”で、ビタミンB1やB6が豊富な豆乳にカテキンの多い粉茶を混ぜるだけ。更に、食品に含まれるAGE量を約半分に減らすとされる酢を保存料に、ビタミンB1の抗糖化作用を持続させるアリシンが一度にとれる”酢タマネギ”を加えれば、これだけでもAGEの摂取量をぐんと減らす事ができる。
 この他にも、鶏むね肉などに多く含まれるカルノシンやベリー類のアントシアニンといった抗酸化成分は、糖化を加速させる活性酸素を除去し、酢やレモンに多く含まれるクエン酸はAGEを半減させ、(上述の様に)ビタミンCやワインの抗糖化作用もAGEを分解してくれる。

 牧田氏のコラム「老化の元凶AGEを防ぐ、食事の7ルール」では、以下の様に解説する。
 ①”揚げ物・焼き物には酢を”として、酢に多く含まれるクエン酸は食品中のAGEを半減させ、糖質の代謝を促し、AGEが多めの食事には酢を加えるといい。
 ②”メインには鶏むね肉を”として、上述の様に鶏むね肉に含まれるカルノシンは、抗酸化により糖化を抑制し、強力にAGEを抑え、肌を若く保つ効果がある事も判ってきた。
 ③”サプリやキノコでビタミンB群を”では、ビタミンB1とB6は糖尿病合併症の治療でも使われる抗AGEビタミンの代表格で、サプリでとれば効率がいいし、食品ではキノコ類や豚肉に豊富に含まれる。
 ④”αリポ酸を含む緑黄色野菜をしっかりと”では、αリポ酸には糖化を防ぐ作用糖化とビタミンCの約400倍ともいわれる強力な抗酸化作用があり、疲労回復にも効く。葉物類やトマトなどをこまめにとろう。
 ⑤”果物はジュースではなく少量を丸ごと”では、ブルーベリーなどに含まれるアントシアニンにはAGE化を抑制する働きがあるが、果糖は糖質の中で最もAGEを作り易く、ブドウ糖の約10倍。果汁飲料には果糖を多く含むので、果物は少量を丸ごととる様にする。
 ⑥”炭水化物にはオリーブオイルを”では、ご飯やパンやパスタなどはオリーブオイルなどの脂質と一緒に食べた方が食後血糖値は上がりにくい。AGE対策にもオススメである。
 ⑦”お酒は抗糖化・抗酸化作用があるワイン”では、上述の通りである。

 勿論これらも、教科書的な説明で物足りなくも感じるが、全てを実行するとなると不可能に近い。だが、AGE対策を大まかに言えば、酢(クエン酸)・ビタミンCとB群・野菜などを摂ってれば、大方は大丈夫となる。
 上の7つのルールで私が実行してるのは、①の酢と②③の鶏むね肉(ビタミンB6)と④の緑野菜と⑤の果物丸ごとの5つで、⑥の脂質が食後の血糖値を抑制するのは初耳だった。
 ただそれ以上に、速攻で効果が感じられたのが(前述の)”野菜→肉→炭水化物”の順で食べる事で、明らかに晩酌時の酔い方が違った。更に、晩酌後に運動する事で酔わなくなった。

 つまり、長年親しんだ食事を変える事は思う以上に難しいが、食事の順番を変え、食後に一寸した運動をする事はグータラな私でも十分に可能だ。
 それが理解できただけでも、今回の糖化と老化に関する記事を書いたのは、全くの正解だった様に思う。



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