久しぶりの藤村です。代表作に「夜明け前」があります。
冒頭の「木曽路は全て山の中である」はあまりにも有名ですが
この「家」もまた木曽の山の中にある旧家のお話、藤村の自伝小説。
文中久しぶりに「だちかん」なる言葉が出てきて懐かしかった。
子供のころ近所のおばさんが盛んに「だちかん」を使っていました。
当時も意味は知っていましたが、
今改めて「埒が明かない」と知りました。
だめだ、いけないと言う意味。岐阜の方言らしいのですが
主人公の一人が文中で使っています。
全国的には通じないでしょう。
岐阜は隣県で身近なところですが、名古屋でも高年者には通じても
若い人には通じないでしょう。興味深いので若い人に聞いてみたい。
司馬義経を読んだ後だけに、時間の流れもゆったりしていて
方言交じりの会話や木曽の山の中の風景描写にも
心安らぎました。再読ですが、所々記憶にある程度なので
面白くよんでいます。