LanguageStyle

■「日本人と英語」を考えてゆくブログ

コンセント

2008年03月27日 | 記事
和製英語とは-コンセントを例に

 大辞泉によれば、コンセントとは「配線から電気を取るための、プラグのさし込み口。また、その器具」のことであるといいます。自分がこの言葉を使うかどうかは別としても、「これコンセントにさして!」と言われたとき、その意味は正しくつかむことができるという点でこの言葉は日本語になっているといえます。
 すでに周知の事実ですがコンセントというのは和製英語です。すでにその定義をみたように、コンセントというのは日本語の世界では右図のようなモノを指します。しかしこれは和製英語だというわけですから、英語の世界ではこの認識は通用しないということになります。まずは和製英語についてその意味するところを見ておきましょう。和製英語についてウィキペディアでは次のように述べてあります。

和製英語(わせいえいご)とは、英語の単語を組み合わせることにより造られた、英語風に聞こえるが本来の英語にはない表現のこと。また欧米には存在せず、日本独自のモノを英語風に名づけて普及した言葉も含まれる。
(強調はブログ作成者)

 大辞泉では「英語らしく作った語」(強調はブログ作成者)としてあります。つまり和製英語とは「本来の英語」にはない表現を勝手に日本人が創作した英語らしい言葉ということになるでしょうか。お気づきのように、「本来のものではない」という言い方はその基準を英語に置いています。ここでいう本来の英語とはアメリカ人の話す英語、イギリス人の話す英語だと考えて差し支えはないでしょう。「英語の時代:日本人英語」で見たように、本名信行氏の『世界の英語を歩く』(集英社新書、2003)の目次には「ヨーロッパの英語」「アフリカン・イングリッシュ」「インドの英語」「マレーシアの英語」「シンガポールの英語」「ブルネイの英語」「フィリピンの英語」「中国、台湾、韓国の英語」「アジアの英語」「アメリカ英語」「カナダの英語」「イギリスの英語」「オーストラリア英語」「ニュージーランドの英語」など様々な英語が紹介してありますが、本来の英語といったときに想定されるのは「アメリカの英語」と「イギリスの英語」ということになるでしょう。少なくとも「日本の英語」が含まれる可能性はゼロです。
 話を戻します。「本来のものではない」という言い方は英語を基準に置いているわけですが、日本語の世界に存在する和製英語を見つけて「本来のものではない」と言われたとき、日本語の世界に生きる私たちからしてみればまず考えられる返答は「それで?」というものかと思います。これはコンセントは日本語の世界ではきちっとその役目を果たしているのだから本来がどうちゃらこうちゃらは関係ないという考え方です。
 一方、次のように考える人もいるでしょう。コンセントはconcentric plug という英語が「コンセントプラグ」となり、「コンセント」となったのだ(コンセントの由来についてはこちらのブログが詳しい)。これが英語として通用するならまだしも、通用するどころか日本人の英語学習の邪魔をしているだけである。強勢の位置は異なるがコンセントにはconsent【kənseˈnt】「同意(する)」という他の語もある。
 これら2つの対照的な考え方は和製英語が日本語の世界だけで完結している/完結させればよいと考えるのか、それとも完結するものではないと考えるのかの違いも関係しているかもしれません。つまり、英語の世界など関係のない、ただ日本語の世界にコンセントという語があるから使っているだけだという人と英語に何かしらの関係を持っていて和製英語に何かしらの問題意識を持っている人の違いです。



和製英語|a Japanese coinage from English
コンセント|((plug in)) an [a wall] outlet; a (plug) receptacle; 〔英〕a power point; a socket

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できる課題を用意する

2008年03月23日 | 記事
 ニュー・ホライズン(2年生用)に“Can Anyone Hear me?”という題材があります。リーディング教材の授業をするのはいろいろ工夫が必要?ですが、これを1時間(45分)でやらなければいけないとすると、その工夫は非常に限られたものになります。生徒の方に予習を求めないとすると授業の中でできることはさらに制限されたものになるでしょう。リーディングに限らず英語の学習は英文を一文一文ていねいに見てゆく作業が必要ですが、これだけ多量の英文を一時間でていねいに見てゆくというのは一斉指導の場ではほとんど不可能です。教師が生徒に「説明」してやる場が授業であるならば不可能というのは言いすぎですが、中学校段階では「説明」よりも生徒に「やらせる」ことのほうが重要ではないかと思います。この「やらせる」という視点に立った時、その課題は「できる」ものでなければならないことが大前提となります。
 次のプリント1とプリント2を比べてみましょう。
 
  • プリント1
  • プリント2
  •  
     プリント1とプリント2の決定的な違いは誰にでもできる課題が入っているかどうかという点にあります。プリント1を塾の生徒にやらせたら10分かからずにやりましたが、学校の生徒は学力の差が激しいのです。30分あってやっとというのがほとんどでしょうか。30分やったのはいいのですが、空白も目立ち本人に自分ができたという自覚があるのかどうかも定かではありません。一方でプリント2の方はどうでしょうか。このプリントの場合、やる気があれば誰にでもある程度はできるはずです。なにしろニュー・ホライズンのリーディング教材のページには「覚えたい語句」として英単語が挙げてあり、そのすぐ横に日本語訳が書かれているのですから、誰にでもやる気さえあればできるのです。辞書を引くまでもなく、教科書の最後のページあたりの英単語一覧を見るまでもなく、教科書さえ開けばできるのですからこれほど簡単な話はありません(もちろん生徒(中2でも!)の中には英単語を写す作業に困難を覚える生徒もいます)。下にある本文の日本語訳の方は誰にでもできるとは言えませんが、生徒同士が相談してやるにはちょうどいいくらいかと思います。
     
     このようなプリントになってしまったのは1時間で生徒の予習なしで授業をしなければならないという制限があったことが前提にあります。条件が変われば別の工夫ができるでしょう。

    本日のFILM:俺は、君のためにこそ死ににいくGガール 破壊的な彼女
     
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    はじめましてなんですけどぉ

    2008年03月23日 | 記事
     3月17日(月) 塾講師(アルバイト)最終日
     3月18日(火) 中学校英語講師最終日
     3月19日(水) 東京へ
              はじめて靖国神社を参拝し、遊就館を見学する
     3月22日(土) 小中学校英語教育セミナーin広島に参加
     
     今週は2つの終わりと、1つのはじめてがありました。最近テレビなどでよく「私は○○さんとははじめましてなんですけど…」という言い方がなされますが、「1つのはじめてがありました」という言い方と同程度にどこか違和感のあることばの使い方です。「はじめて」というのは副詞的に使われることばですし、「はじめまして」というのは挨拶としての一種の慣用表現です。それをあたかも普通名詞であるかのように使っているところに私の違和感の原因はあるのだと思います。それはさておき、今週で4年ちょっとに渡って続けた塾講師(個別指導)のアルバイトが終わりました。17日の月曜日です。自作のプリントなどは塾で指導する際に用いたものであって、塾生たちからいろいろと指摘をしてもらいながら成長させてきたものです。塾アルバイトをはじめたのは大学1年の秋。はじめのころのたじたじの指導や卒業していった生徒たちのことを思い出しています。18日の火曜日には去年の5月からはじめた中学校英語教師としての仕事が終わりました。契約はもう少し残っていますが、授業自体はもうないためこの日が最後ということになりました。塾講師も学校講師も今思えば私自身のやり方は変えてないように思います。塾は個別指導で、学校は一斉指導という違いはありましたが、塾よりも学校に力を入れるなどということはなかったようにおもいます。私自身、おもしろかったのは…どちらかといえば塾の個別の方でしょうか。その理由は塾の生徒の方がよく勉強するなどという理由ではありません。それは塾の方が生徒とより近くで接する場面が多いという理由です。
     19日ははじめて靖国神社を参拝しました。広島から東京まで車で行きましたが、18日の夜7時に自宅を出て、着いたのは翌日の朝6時。11時間程度で着きました。7時くらいに靖国参拝をしてその後朝食を食べました。その後、国会見学ツアーを行い、再び靖国へ。いろいろと問題視される遊就館を見学しました。遊就館内の売店で本を一冊買ったのちは、ウナギを食べに自民党本部の横にある店に。とてもおいしい鰻重(うなじゅう)でした。
     22日は小中学校英語教育セミナーin広島に行きました。いろいろ貴重なお話が聴けましたが、まだ東京帰りの疲れが残っていたのでしょうか。体がだるかった気がします。

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    ファイルをブログで公開する方法

    2008年03月12日 | 記事
     自作のファイル(ワードやエクセルやPDFなど)をネット上で公開しようと思ったとき、ココログのようにファイルアップロード機能のついたブログサービスを使っている人にとっては全く問題ではありませんが、私が使っているgooブログのようにその機能がないブログサービスを使っている人にとっては一つの克服しなければならない問題となります。
     そのようなとき、例えばYahoo!ブリーフケースを使うという選択肢が考えられますが、ファイルに直リンクを貼ろうとする場合、Yahoo!ブリーフケースでは少々問題が発生します。それはYahoo!ブリーフケース内にアップロードされたファイルのアドレスはファイルがアップロードされる毎に?変更されるという問題です。リンクを貼ったはずなのにファイルが開けない。リンクに使ったアドレスがしばしば変更されてしまうわけですから、このような問題が発生するわけです。この問題を解決するにはファイルごとに指定できる「友だちに送る」という機能を使います。この機能を使い公開したいファイルを自分のメールアドレスに送り、そのメール内に記載されているファイルのアドレスを公開することでリンクが変更されるという問題は解決されます。しかしこの作業はいかに言っても煩雑です。
     2つ目に考えられる方法はホームページスペース(無料のもの)をレンタルかファイルアップロード機能のついたブログサービスに乗り換えるかです。しかし、ホームページスペースはファイル倉庫としての使用を禁止しているのが常ですし、新しいブログサービスに乗り換えるのもなかなか勇気のいることです。ファイル管理だけは別のブログサービスを使うという方法もありますが、面倒なのは言うまでもありません。そのようなとき、次の3つ目の方法は大変に便利なものです。

    Windows Live SkyDrive

     3つ目の方法とはWindows Live SkyDriveを使用するというものです。Windows Live SkyDriveの特徴は次のとおりです。

  • Windows Live ID(無料)を取得すれば誰でも利用できる。
  • Windowsだけでなく、Macintoshでも利用できる。
  • 1アカウントあたり、5GBまで利用できる。
  • 1つのファイルは50MBまでアップロードできる。
  • EXEフォーマット以外のファイルをアップロードできる。
  • きめ細かなファイルの保護ができる。
     (→  * Windows Live IDによる個人の認証。
         * SSLを使ったファイルの転送。
         * 個人用、共有、パブリックの3つのレベルによるファイルの保護。

  •  これ(50MB)以上大きなファイルをネット上で公開しようと思えば、MediaFire(http://www.mediafire.com/)などのオンラインストレージサービスを使うことができます(私は使ったことはありませんが)。


    どのオンラインサービスにも一長一短がありますから、皆様方個々の判断で利用なさる事が大切です。

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    あと10日となって

    2008年02月28日 | 記事
     最近は頭痛が続き、体調の悪い日が続いています(現在も絶不調)。もう1ヶ月以上になるでしょうか。その間、インフルエンザにもかかってしまい、最悪の状態です。ブログ記事の更新もほぼ1ヶ月の間、怠ってしまいました。
     ところで、中学校英語講師としての生活もあとわずかとなりました。数えてみるともう10日も行く日はありません。後期期末試験やら卒業式(予行と本番)やらで通常の授業がキャンセルされる日が続くためです。この一年をそろそろ振り返る時期でしょうか。

    全体的な印象

     この一年、私は教師でありながら教師ではない気がしていました。心のどこかで「自分は教師は不向きだ」と思っているせいかもしれませんが、時には新聞記者的な目で、時には評論家的な目で、時には一人の一般人として子供たちの姿を見てきましたし、英語教育にかかわってきました。現在の子供たちはどんな姿勢で勉強に取り組んでいるのか、現在学校で行われている英語教育ではどのような教育が行われているのかについて私は現場にいながら、一歩引いた視点で眺めてきました。教育者というよりは観察者であり、英語教師というよりは一人の英語指導実践者といった感じです。
     この一年を通しての全体的な印象を一言で言えば「英語ができる日本人の育成の前に我慢ができる日本人の育成を目指すべきではないか」ということです。以前も同じように書きましたが、学校現場に入っては思い知らされたことはいつが誰かが言っていた「生徒にする」という言葉のリアリティーです。生徒というのは「学ぶ主体」です。子供たちは中学に入ると「児童」から「生徒」になるわけですが、校門をくぐったからといって「生徒になる」というわけではないのです。授業中の私語、暴言、立ち歩き、席移動に始まり教室外へのエスケープやトイレへの引きこもり、他クラスの授業妨害などなど子供たちの問題行動を挙げだすとキリがありません。授業中の居眠りなどは私の中学時代には考えられませんでした(高校時代はよく寝たな~)が、居眠りは普通のこと。授業中に本を読んでみたり、マンガを開いてみたり、プリクラ帳を必死に眺めたり、クラスメイトにお手紙を書いたり、他教科の提出物(いわゆる内職)をやってみたりと子供たちはやりたい放題です。中には授業中に飲食をする子どもまで現れる始末です。教室にストーブが入る季節になると、ストーブの前にかじりついて動かない生徒がいたり、夏には扇風機の前で「暑い、暑い」と言いながら好き勝手にする生徒がいたり、子供たちが生徒ではない現実が学校現場にはあるわけです。席移動をしている生徒に対して自分の席に戻るように促して、実際に自分の席に戻らせるまでに10分。教室外へ飛び出す生徒を追いかけて教師に戻すまでに数分から数十分。講師の私が生徒指導的なことまでなぜしなければいけないのかと愚痴もこぼしたくなりますが、TTの補佐役としての私の立場は授業中の生徒指導がほとんどでした。
     生徒主体の授業と教師主導の指導。
     教師主導で何とか乗り切っていくほかないという考え方を現実的な判断として採用せざるを得ない現実があるということは言えるでしょう。
     もちろん、問題行動を起こす子供たちにも同情の余地はあるわけです。印象としてはまずもって問題行動を起こすような生徒は家庭環境が整っていない場合がほとんどです。親が教育放棄をしている、親が離婚を繰り返しているなどなど子供たちを取り巻く環境が子供たちにとってふさわしくないケースです。規範意識が極めて低い親がいることも子供たちを落ち着かせない原因かもしれません。自分の子供が学校の机に落書きをしているため、学校に親を呼んだとき、「何がいけないのですか」というトンチンカンな親がいる。本来は親になってはならないような人間が親になってしまっているということです。生徒指導、あるいは進路指導の中でこのままでは進学が危ないということを絶えず言ってきたにもかかわらず、いざ高校進学の段になって「高校に入れなかったら先生を一生恨みますから」と平気で言う親がいる。親が親でなく、単なるイチャモンファイターになってしまっている現実が現場にはあるわけです。授業参観をすれば参観に来た親同士が学校の中で喧嘩をはじめる。翌日、学校の教員がその親同士の仲裁のために電話をかけなければいけない。学校の教員の仕事の中には親同士の仲直りも含まれるのだという新発見をしたわけですが、このような現実にはただただあきれるばかりです。
     子供を生徒にすることが最初に取り組むべき学校の仕事です。学ぶ主体を作るということが生徒にすると言う意味ですが、そのためには自分はこの子の親だと称する人間に親になってもらう必要もあります。学校、家庭、地域という3つの方向からの支援で持って子供たちを育てていくという考え方は至極まともな考え方ですが、これらの3つの重要性はそれぞれ対等ではないはずです。なんといっても親が大事なのは当たり前。そのようなことをこの一年学びました。

    英語教育について

     「英語の前に我慢」という私の印象はもちろん印象の域を出るものではありません。英語は英語であり、我慢は我慢。両者は別物と考える人もいるでしょう(私がそのように考えないのはいうまでもありません)。私の基本的な考え方としては英語などたいして重要ではなく、我慢ができるほうが何倍も何十倍も何百倍も重要なのだというものがあります。英語が必要な場面と言うのはそれほど経験するものではありませんが、我慢はどんな場面でも必要な力です。次のように言われた先生がいますが、私は全面的に賛同します。

    授業中に遊んでいる子がいれば他の勉強したいと思っている子が迷惑をする。その代わり寝ているのはかまわん。迷惑かけんように寝とき。もっといいのは、じっとしておくこと。それが105回あるけどな。3年間で315回あるから、もしそれを勉強分からんけど50分あと何分と重いながらじっとしておくことができたら、君は英語を楽しんでいる子達よりもはるかに社会人の勉強が出来る。耐えるということ。


     これは半ば冗談として語られたものなのでしょうが、本質を突いていると思います。そういえば田尻科研では次の言葉も登場しました。

    下手な教師は「教える」
    上手な教師は「学ばせる」
    優れた教師は「心に火をつける」


     このことばの出展がハッキリしましたので以下に載せておきます。

    アーサー・ウイリアム・ワード(Arthur William Ward)


    The mediocre teacher tells.
    The good teacher explains.
    The superior teacher demonstrates.
    The great teacher inspires.

    下手な教師はしゃべる。
    良い教師は説明する。
    優れた教師はやってみせる。
    偉大な教師は心に火をつける。


     英語教育について英語指導実践者として感じたことについては場を改めて書きたいと思います。体の調子が悪いので今日はこのへんで。

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    新学習指導要領案の発表【1】|小学校を見る

    2008年02月17日 | 記事
     今月の15日、文部科学省が学習指導要領改定案を発表しました。ゆとりだ何だと批判のあった現行の学習指導要領が脱ゆとり路線に転換したとの論評があります(中国新聞、2008年2月16日)。しかし、事実上の転換ではあってもそういった言葉を使いたがらない性が行政にはありますから、文部科学省としてはこれまでの基本路線である「生きる力の育成」が揺るいだわけではないというわけです。次の図表は現行の学習指導要領と今回の案を時間数で比較しているものです(©中国新聞)。



     「主要教科で一割」という文言が新聞の見出しを飾っていることからもわかるとおり、主要教科の授業時間数が相対的に増加しています。特徴としては小学校に「外国語活動(仮称)」が明記されたことでしょうか。小学校に英語を入れようという動きに関しては私も興味を持って観察してきたわけですが、入れる理由についての文部科学省の説明は大変ユーモアに富んでいるものです。文部科学省のホームページ「新しい学習指導指導要領:「答申」Q&A」には次のようにあります。

    小学校高学年段階において外国語活動を必修化するのはなぜですか。

    現在、多くの小学校において、総合的な学習の時間等を活用して外国語活動が行われていますが、取組内容にはばらつきがあります。このため、教育の機会均等や中学校との接続の観点から、小学校高学年で、「外国語活動」を週1コマ程度行うこととしています。


     取組内容にばらつきがあるから週に1時間の外国語(英語)を必修にしましょうというわけです。しかし少し立ち止まって考えてみると少々おかしなことが起きていることに気づくはずです。
     現在、多くの小学校で「英語活動」を行っているという事実については多くの方が承知していると思います。これは1998年に改訂され、2002年度に施行された現行の学習指導要領において「総合的な学習の時間」が新設され、その中で「国際理解」を扱ってもよいことになったためです。以下の文言がそれです。

    各学校においては,1及び2に示す趣旨及びねらいを踏まえ,総合的な学習の時間の目標及び内容を定め,例えば国際理解,情報,環境,福祉・健康などの横断的・総合的な課題,児童の興味・関心に基づく課題,地域や学校の特色に応じた課題などについて,学校の実態に応じた学習活動を行うものとする。
    (下線はブログ作成者)

     国際理解に関する学習の一環として、外国語会話等(英語活動)を行ってもよいことになったわけですが、「総合的な学習の時間」において扱ってもよい内容は「国際理解」だけではないわけです。情報,環境,福祉・健康などのテーマの中から各学校において総合的な学習の時間の目標及び内容を定めるわけです。ということは「英語活動」だけをやるのではないということです。「国際理解」を扱ったとしてもそれが「英語活動」とイコールでもないのですから、それらを考え合わせると取組内容にはばらつきがあるというのは当然の話しなわけです。総合的な学習の時間には「学校の実態に応じた学習活動を行う」のです。とすると、「外国語活動を必修化するのはなぜですか」に対する先ほどの文部科学省の答えはチンプンカンプンに思えてきます。当初から取り組み内容にばらつきがあることを当然としながらはじめたものを、そのばらつきを改善しなければならないのだから小学校に英語を必修として入れるのですよという論理は果たしていかがなものなのでしょうか。これを文部科学省の自作自演と呼ばずして何をそのように呼べばよいのでしょうか。
     文部科学省が小学校英語に対してこの程度の理由づけしかできないのであればそれは政策と呼べる代物ではありません。政策には理念があるはずですが、自作自演の理由を堂々と何の疑いもなしに述べている姿からは理念の理の字もうかがうことはできません。「小学校高学年段階において外国語活動を必修化するのはなぜですか」という質問の中には「なぜ高学年段階なのか」というものも同時に含まれていますがこれに対する答えもありません。
     今回の指導要領案で示された小学校における外国語活動の目標は以下の通りです。

    第1 目標
    外国語を通じて,言語や文化について体験的に理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら,コミュニケーション能力の素地を養う。


     高校では「コミュニケーション能力」、中学校では「コミュニケーション能力の基礎」、そして小学校では「コミュニケーション能力の素地」ですか。どういう英訳がなされるのか興味があります。
     小学校英語の目的ははっきりはしていませんが、「教育基本法の改正に対応した学習指導要領案の主な改訂点」においては「伝統と文化の尊重、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛し、他国を尊重、国際社会の平和と発展に寄与」の項目に書かれています。
     また「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」(答申)においては「小学校段階における外国語活動」について次のようにあります。

    (6) 小学校段階における外国語活動
    ○ 社会や経済のグローバル化が急速に進展し、異なる文化の共存や持続可能な発展に向けて国際協力が求められるとともに、人材育成面での国際競争も加速していることから、学校教育において外国語教育を充実することが重要な課題の一つとなっている。
     国際的には、国家戦略として小学校段階における英語教育を実施する国が急速に増加している。例えば、アジアの非英語圏を見ると、1996年にタイ、97年には韓国、2005年には中国が必修化を行っている。また、フランスにおいては2007年から必修化されている。
    ○ 我が国においては、外国語教育は中学校から始まることとされており、現在、中学校においてあいさつ、自己紹介などの初歩的な外国語に初めて接することとなる。しかし、こうした活動はむしろ小学校段階での活動になじむものと考えられる。また、中学校外国語科では、指導において聞くこと及び話すことの言語活動に重点を置くこととされているが、同時に、読むこと及び書くことも取り扱うことから、中学校に入学した段階で4技能を一度に取り扱う点に指導上の難しさがあるとの指摘もある。
     こうした課題等を踏まえれば、小学校段階で外国語に触れたり、体験したりする機会を提供することにより、中・高等学校においてコミュニケーション能力を育成するための素地をつくることが重要と考えられる。
    ○ 一方、外国語のいわゆるスキルの習得に関しては、例えば、聞くことなどの音声面でのスキルの高まりはある程度期待できるが、実生活で使用する必要性が乏しい中で多くの表現を覚えたり、細かい文構造に関する抽象的な概念について理解したりすることを通じて学習への興味・関心を持続することは、小学生にとっては難しいことから、むしろ、ALT*1の活用等を通して積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成等を基本とすべきとの指摘がある。
    ○ このため、小学校段階では、小学生のもつ柔軟な適応力を生かして、言葉への自覚を促し、幅広い言語に関する能力や国際感覚の基盤を培うため、中学校段階の文法等の英語教育を前倒しするのではなく、国語や我が国の文化を含めた言語や文化に対する理解を深めるとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図ることを目標として、外国語活動を行うことが適当と考えられる*2
     また、アジア圏においても国際的な共通語としては英語が使われていることなど、国際的な汎用性の高さを踏まえれば、中学校における外国語は英語を履修することが原則とされているのと同様、小学校における外国語活動においても、英語活動を原則とすることが適当と考えられる。なお、小学校段階においては、幅広い言語に触れることが国際感覚の基盤を培うことに資するものと考えられることから、英語を原則としつつも、他の言語にも触れるように配慮することが望ましい。
    ○ このような外国語活動を行うに当たっては、身近な場面やそれに適した言語や文化に関するテーマを設定し、ALTの活用等を通して、英語でのコミュニケーションを体験させるとともに、場面やテーマに応じた基本的な単語や表現を用いて、音声面を中心とした活動を行い、言語や文化について理解させることを基本とすることが適当である。
     なお、日本語とは異なる英語の音声や基本的な表現に慣れ親しませることは、言葉の大切さや豊かさ等に気付かせたり、言語に対する関心を高め、これを尊重する態度を身に付けさせることにつながるものであり、国語に関する能力の向上にも資するものと考えられる。
    ○ 小学校段階における英語活動については、現在でも多くの小学校で総合的な学習の時間等において取り組まれているが、各学校における取組には相当のばらつきがある。このため、外国語活動を義務教育として小学校で行う場合には、教育の機会均等の確保や中学校との円滑な接続等の観点から、国として各学校において共通に指導する内容を示すことが必要である。
     この場合、目標や内容を各学校で定める総合的な学習の時間とは趣旨・性格が異なることとなる。また、小学校における外国語活動の目標や内容を踏まえれば一定のまとまりをもって活動を行うことが適当であるが、教科のような数値による評価にはなじまないものと考えられる。これらのことから、総合的な学習の時間とは別に高学年において一定の授業時数(年間35単位時間、週1コマ相当)*3 を確保する一方、教科とは位置付けないことが適当と考えられる。
    ○ 指導者に関しては、当面は各学校における現在の取組と同様、学級担任(学校の実情によっては担当教員)を中心に、ALTや英語が堪能な地域人材等とのティーム・ティーチングを基本とすべきと考えられる。これを踏まえ、国においては、今後、教員研修や指導者の確保に関して一層の充実を図ることが必要である。
     また、外国語活動の質的水準を確保するためには、まず第一に、国として共通教材を提供することが必要と考えられる。さらに、音声面の指導におけるCDやDVD、電子教具等の活用、へき地や離島等の遠隔教育及び国際交流におけるテレビ会議システムの利用など、ICTの活用による指導の充実を図ることも重要と考えられる。
    ○ 小学校段階における外国語活動の導入に当たっては、小学校と中学校とが緊密に連携を図ることが重要である。例えば、中学校においては、小学校における外国語活動の内容や指導の実態等を十分に踏まえた上で、中学校における外国語教育への円滑な移行と、指導内容の一層の充実・改善を図ることが求められる。
     さらに、中学校の学習指導要領の改訂を行うに当たり、小学校における外国語活動を通じて培われた一定の素地を踏まえて、中学校における外国語教育では、「聞く」「話す」「読む」「書く」という4技能のバランスのとれた育成がなされるよう見直しを図る必要がある。


    *1 Assistant Language Teacherの略。外国語指導助手。教師と協力してティーム・ティーチング(協同授業)等を行う外国人のこと。
    平成18年度、JETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)によるALTは5,057人(うち、小学校専属ALTは137人)、各地方公共団体が主として小学校に配置するために独自に採用・雇用したALTは2,796人。
    *2 小学校段階における外国語教育は、その目的と全教育課程に占める授業時数の割合により、
    ① Immersion(イマージョン)…実用的な外国語の習得が目的。週当たりの授業時数の概ね50 %以上で外国語を使う教育。
    ② FLES(Foreign Language in the Elementary School、フレス)…スキル学習を直接的な目標とする。教科としての外国語教育。
    ③ FLEX(Foreign Language Experience/Exploration、フレックス)…外国語体験活動。目的は広い意味での外国語学習の導入であって、何のために外国語を学ぶのかという動機付け、母語とは違う言葉でコミュニケーションをする重要性、母語に対する認識を深めるということが目的。週当たりの授業時数の概ね1%から5%の時間を占める。
    の三つのタイプに分類することができるとされている。この分類によれば、我が国の小学校における外国語活動は③のFLEX に該当することとなる。
    *3 この授業時数は、前頁の脚注の分類上、我が国の外国語活動が該当する③のFLEXにおける一般的な授業時数とも整合的である。


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    『音読王』 井上 一馬

    2008年02月12日 | 記事
    以下は井上一馬氏の『音読王』(2002)の目次です。こちらのページではネット上にて見つけられるものにリンクを貼っています。なお、このページは現在も更新中です。

      第一章 スピーチの力

    1. 「私には夢がある」キング牧師
      I have a dream, Martin Luther King, Jr.
    2. 「独立宣言」ジェファソン
      The Declaration of Independence, Thomas Jefferson
    3. 「大統領就任演説」ケネディ
      The Presidential Inaugural Address, John F. Kennedy
    4. 「ゲティスバーグ演説」リンカーン
      The Gettysburg Address, Abraham Lincoln
    5. 「独裁者」チャップリン
      The Great Dictator, Charles Chaplin
    6. 「動物農場」オーウェル
      Animal Farm, George Orwell
    7. 「ジュリアス・シーザー」シェイクスピア
      Julius Caesar, William Shakespeare

      第二章 名作の書き出しを味わう

    8. 「赤毛連盟」ドイル
      The Red-Headed League, Arthur Conan Doyle
    9. 「偉大なるギャツビー」フィツジェラルド
      The Great Gatsby, F. Scott Fitzgerald
    10. 「ある貴婦人の肖像」ジェイムズ
      The Portrait of a Lady, Henry James
    11. 「チャタレイ夫人の恋人」ロレンス
      Lady Chatterley's Lover, D. H. Lawrence
    12. 「デイヴィッド・コパフィールド」ディケンズ
      David Copperfield, Charles Dickens
    13. 「沈黙の春」カーソン
      Silent Spring, Rachel Carson
    14. 「創世記」旧約聖書
      Genesis, The Old Testament
    15. 「ヨハネによる福音書」旧約聖書
      The Gospel according to St. John, The New Testament

      第三章 童話の世界、不思議の世界

    16. 「ピーター・ラビットのおはなし」ポター
      The Tale of Peter Rabbit, Beatrix Potter
    17. 「不思議の国のアリス」キャロル
      Alice's Adventures in Wonderland, Lewis Carroll
    18. 「ハックルベリー・フィンの冒険」トウェイン
      The Adventures of Huckeleberry Finn, Mark Twain
    19. 「あしながおじさん」ウェブスター
      Daddy-Long-Legs, Jean Webster
    20. 「ロビンソン・クルーソー」デフォー
      Robinson Crusoe, Daniel Defoe
    21. 「ガリヴァー旅行記」スウィフト
      Gulliver's Travels, Jonathan Swift

      第四章 青春の息吹、愛の悩み

    22. 「アンネの日記」アンネ・フランク
      The Diary of a Young Girl, Anne Frank
    23. 「ロミオとジュリエット」シェイクスピア
      Romeo and Juliet, William Shakespeare
    24. 「赤い薔薇」バーンズ
      A Red, Red Rose, Robert Burns
    25. 「アナベル・リー」ポー
      Annabel Lee, Edgar Allan Poe
    26. 「レナードへの手紙」ウルフ
      Virginia to Leonard, Virginia Woolf

      第五章 昔を想う、詩の楽しみ

    27. 「行かなかった道」フロスト
      The Road Not Taken, Robert Frost
    28. 「埴生の宿」ビショップ他
      Home, Sweet Home, Howard Payne, Henry R. Bishop
    29. 「蛍の光」スコットランド民謡
      Auld Lang Syne, Scottish Air
    30. 「庭の千草」アイルランド民謡
      The Last Rose of Summer, Irish Air
    31. 「旅愁」アメリカ民謡
      Dreaming of Home and Mother, American Air
    32. 「オールド・ブラック・ジョー」フォスター
      Old Black Joe, Stephen C. Foster
    33. 「ぶらんこ」スティーブンソン
      The Swing, Robert Louis Stevenson

      第六章 日本人の書いた名文を味わう

    34. 「卒業生へ:塾長式辞」津田梅子
      The Principal's Address to the Graduates, Ume Tsuda
    35. 「茶の本」岡倉天心
      The book of Tea, Tenshin Okakura
    36. 「武士道」新渡戸稲造
      Bushido, Inazo Nitobe
    37. 「ジャック・アンド・ベティ」稲村松雄編
      Jack and Betty, Matsuo Inamura et al.

      第七章 感動的な場面を味わう

    38. 「ルーツ」アレックス・ヘイリー
      Roots, Alex Haley
    39. 「わたしの生涯」ヘレン・ケラー
      The Story of My Life, Helen Keller
    40. 「若草物語」オルコット
      Little Women, Louisa May Alcott
    41. 「赤毛のアン」モンゴメリー
      Anne of Green Gables, L. M. Montgomery
    42. 「老人と海」ヘミングウェイ
      The Old Man and the Sea, Earnest Hemingway
    43. 「翼よ、あれがパリの灯だ」リンドバーグ
      The Spirit of St. Louis, Charles A. Lindbergh
    44. 「最後の一葉」O・ヘンリー
      The Last Leaf, O. Henry
    45. 「アンクル・トムの小屋」ストウ夫人
      Uncle Tom's Cabin, Harriet Beecher Stow

      第八章 生きる喜びと苦しみ

    46. 「雨の降る日」ロングフェロー
      The Rainy Day, H. W. Longfellow
    47. 「アメージング・グレース」ジョン・ニュートン
      Amazing Grace, John Newton
    48. 「もしも一つの心を」ディキンスン
      If I Can Stop, Emily Dickinson
    49. 「ハムレット」シェイクスピア
      Hamlet, William Shakespeare
    50. 「マクベス」シェイクスピア
      Macbeth, William Shakespeare
    51. 「読書について」ロック
      Reading, John Locke

      第九章 自然・宇宙を感受する

    52. 「合衆国大統領への手紙」族長シアトル
      To the President of the United States, Chief Seattle
    53. 「草の葉」ホイットマン
      Song of Myself, Walt Whitman
    54. 「小さな星」テイラー
      The Star, Ann and Jane Taylor
    55. 「春の朝」ブラウニング
      Pippa's Song, Robert Browning
    56. 「眠り草」シェリー
      The Sensitive Plant, P. B. Shelley
    57. 「無垢の予兆」ブレイク
      Auguries of Innocence, William Blake
    58. 「水仙」ワーズワス
      The Daffodils, William WOrdsworth
    59. 「風」ロセッティ
      The Wind, Christina G. Rossetti

      第十章 言葉遊びほか

    60. 「早口言葉」
      Tongue-twisters
    61. 「ウェーザーローレ」(天気の民間伝承)
      Weatherlore
    62. 「マザーグース」
      Mother Goose
    63. 「イギリス国歌」
      God Save the Queen
    64. 「アメリカ合衆国国歌」
      The Star-Spangled Banner


    英語通―話すための英文法の極意 英語できますか?―究極の学習法

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    書籍:『音読王―心にきざむ英語の名文』
    著者:井上 一馬
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    英語の学習方法|音読の重要性

    2008年02月09日 | 記事
    灘中学校・灘高等学校 英語科 木村達哉オフィシャルサイト」が英語学習にとって参考になります。音読の効果を高く認めておられます。

    英語の苦手な人たちへ

    ①英語は数学や国語と違い、中1で学習し始める教科なので、高1時点での差はたった3年か4年の差でしかないと認識すること。

    ②中学時の英語は、塾に行ったからどうというものではないということを理解して、教科書の単語と文法事項を徹底的に暗記すること。

    ③書店に行くと「中1・2年の英語総復習」というような極めて薄い問題集が売っているので、それを3種類ほど買ってきてやってみること。

    ④同じような箇所で間違う場合(関係代名詞でよく間違うとか、比較でよく間違うとか)簡単な参考書の該当箇所をよく読んでから解きなおすこと。

    ⑤上に書いたことを「自分のペースで」ではなく、驚異的なペースでやること。1週間1冊でもいいぐらい。ページ数が少ないので、絶対にできるはず。

    ⑥高校英語に関しても単語と文法が基礎になるので、できるだけ薄いものを何冊も仕上げるタイプの勉強で、この2点を定着させること。

    ⑥英語といえども言語なので、本をしっかり読むこと。単語と文法を覚えても文章を読む習慣がないと、高2以後は伸びない。

    音読の方法

    ① まずは文章を何度も読み、設問がある場合はそれを解く。解答解説で自分の答えをチェックした後に、全訳と英語とを対比させる。

    ② 知らなかった表現や単語に関しては何度も紙に書き殴って覚えこむ。この段階でその文章全部の意味や表現、単語などは「知った」ことになる。

    ③ 音声CDを聞きながら、そのとおりに(←ここ大事)口マネして後を追う。発音、アクセント、イントネーションなどには、ものすごく固執すること。

    ④ 再度文章を黙読し上から意味を言えるかどうかをチェックする。言えない 箇所は全訳に戻り、わからない箇所は先生などに質問して完全理解。またCDどおりに読めない箇所に線を引き、何度も口マネをする。

    ⑤ この段階で音も意味も、その文章に関しては全て「知った」ことになる。

    ⑥ このままでは翌日になると忘れるので(笑)勉強したのに成績が上がらん!とわめき散らすことになる。したがって音読を始める。

    ⑦ 最初は意味を頭の中で確認しながら2~3回、小さい声でもいいので読む。意味が確実にわからない箇所に線を引き、その都度全訳でチェックする。

    ⑧ 完全に音も意味もわかるようになった段階で、CDのとおりに(←大事!)アメリカ人になったつもりで音読する。何度も音読せよ。1長文20回!

    ⑨ 1日に20回もやると頭がおかしくなるので、数日に分けてもOKやけれど、 翌日は次の長文をやったら前日のを5回、今日のを5回など、記録する。1長文20回音読できれば、その長文は完全に「潰した」という表現を使う!


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    夜スペシャル|和田中学校

    2008年01月27日 | 記事
     東京都杉並区立和田中学校で「有料特別授業」、通称「夜スペシャル」(略して「夜スペ」)が26日、スタートしたというニュースを目にしました。都の教育委員会から一時“待った”が掛かったというニュースを今月のはじめごろに聞いていたので、その後どうなったのかなと注目はしていました。
     「夜スペ」の仕組みを簡単に示せば、民間の塾講師が夜間に学校に来て有料で授業をするというもの。この思い切った取り組みは民間人校長として有名な藤原和博氏の案であるといいます。藤原氏は和田中学校の校長。藤原氏の狙いは「吹きこぼれ」対策であるといいます。「和田中の校舎を使って夜間に塾を開きます(PDF)」には次のようにあります。
     
    公立校の弱点である「吹きこぼれ」を出さないため、都立の進学重点校や私立の中上位校を狙う夜の特別コース

     
     これにはいろいろ世間から批判があるようで、たとえば次のような疑義が出されているようです。
     
  • 参加方法、費用の負担等について義務教育の機会均等という観点から疑義がある
  • 特定の私塾に学校施設を利用させることは営利性を疑わせ、学校施設の公共性に反する恐れがある
  • 教材開発に校長及び教員が関与することは、公務員の兼業、兼職の適正な手続きの観点から疑義がある
     
     上の疑義は東京都教育委員会から出たものですが、東京都教育委員会の最終的な見解としては次のようにおさまったようです(「杉並区立和田中学校における私塾連携の取組について」)。
     
    今回の取組は学校の教育活動外であること、また、生徒の学力向上という公共の利益のためのものであることが明確となり、教育関連法規及び公共財産の管理に係る規定等に照らして不適切なものではないと認められた。

     
     また、上記以外の批判としては次のようなものを私は目にしました
     
  • 生徒を塾に任せることは学校否定
  • 学校の教師が塾の講師と比較されることで学校の威信が低下する
  • 学校の教師よりも塾講師のほうが指導力があるものと考えている節《ふし》がある
     
     今回の和田中の取り組みに対して私がまず感じたのは、塾に通わなくても進学ができる学力を保障しようという話になったとき、学校の授業の質を上げることを考えるのが常ですが、今回の取り組みは逆転の発想で学校を塾化してしまえばよいというものに見えるということです。学校を塾化すると聞けばなにやらマイナスのイメージがつきまといますが、私は今回の取り組みに対してそれほど否定的な考えを持つには至っていません(現在のところ)。というのは機会均等の観点から疑義があるというのは「「夜スペ」の疑問に答えます 和田中の藤原和博校長」などを読むと「成績下位層はどうするか」との質問に藤原氏は次のように答えておられます。
     
    本校では既に「土曜寺子屋」(学生ボランティアを活用した補習)で徹底した底支えを行っている。上位層だけ対策しているわけではない。力や意欲はあるのに放っておかれる「吹きこぼれ」(上位層)の学力向上が本校の課題だった。上位層を伸ばすのも公教育の役目だ。

     
     至極まともな考え方だと思います。私は今回の取り組みは和田中学校が生徒を育ててゆくという全体的な取り組みの中の一つであると捉えています。これだけをやっているわけではない。塾講師と学校の教師が比較されるならされればよい。何か新しいものが生まれるに違いありません。例えば英語の授業ならばそれを英語で行おうとするかどうか。コミュニケーション活動を取り入れようとするかどうか。英語の場合、学習塾と学校の授業とでは教え方に雲泥の差があることが予想されます。この違いはなぜ生まれるのかについて考えてみるのも面白いことです。
     ただ私がこの取り組みに疑義をはさむとしたら委託する塾はどのように決めたのかという問題です。塾は一つではないわけですから、最も良い条件でやってくれるところを競争入札で選ぶのは当然です。それがあったのかどうか。
     これは開かれた学校づくりという観点から非常に大切なことではないでしょうか。公開性、それから透明性。
     もうひとつ付け加えておけば、このような外部の力を借りるのであれば教員の日々の雑務などを代わりにやってくれる人を入れて、現場の教員が授業で勝負できるような環境づくりを整えて欲しいと思っている人は多いのではないかと思います。これも至極まともな意見です。教育の問題は何が正しいのかを判断することにおいて難しいことを多く含んでいるわけですが、生徒にこうなって欲しいという理想像を持ち、日々の試行錯誤をしながらみんなで生徒を教育してゆく。大切なのはそういうことだろうと思います。


  • 特効薬か劇薬か 和田中「夜スペ」スタート
  • 「第一歩」「生徒を分断」 公立中の有料授業に賛否
  • 和田中「夜スペ」他教委から評価の声も… 地方はどうする?
  • 校長『公立で上位層伸ばす』塾側『騒ぎも知名度アップ』 和田中有料授業スタート
  • 戸惑いながらも真剣に 杉並区立中の特別授業
  • 杉並区立中の進学塾連携授業スタート 成績上位者対象

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  • フルスイング | NHK 土曜ドラマ

    2008年01月23日 | 記事
    フルスイン 先週の土曜日(2008年1月19日)からはじまったNHKの新ドラマ「フルスイング」。毎週土曜日にNHK総合テレビ(21:00~21:58)とBSハイビジョン(18:00~18:58)で放送される予定(全6回)のドラマです。公式ホームページはこちら。主演は高橋克実。「トリビアの泉」や「爆笑レッドカーペット」などのバラエティ番組でよく見かけるエンターテイナーです。「ショムニ」にも出演なさっていましたね。
     このドラマはプロ野球の名コーチから高校教師に転身した高畠導宏《たかばたけ みちひろ》という人物の実話。岡山県岡山市出身ということでドラマの中でもたびたび岡山弁らしきもの(岡山弁がどのような言葉かはよくは知りませんが)が聞こえてきます。すでに第一話は放送されてしまったので見逃した方は残念。第一話を見て結構面白いなと私は感じました。58歳にして教育実習に行くというあたりからすでに常人ではないことが分かりますが、これを見ながら自分の教育実習のときのことをすこし思い出している自分がいました。ドラマは見る人によってさまざまな見方があるということです。教育実習期間のたった数週間の中で生徒全員の顔と名前をすべて覚えようとする元気や余裕は僕には無かったなと懐《なつ》かしみました。
     第一話には重要なセリフが登場しました。次のやり取りに注目をしましょう。
     
     高林導宏:コーチ時代、コーチの仕事は教えんこと。それがわしの信念でした。
     時任あや:コーチなのに、教えないんですか。
     高林導宏:無理やり教えても、選手がかわいそうじゃ。選手が苦しんで、悩んで、「高さん、指導してください」言うてくるまで待つ。大きな耳、小さな口、優しい目で待つんですわ。
     
     なんとすばらしい言葉でしょうか。私は感動しました。指導者とは指導する者と書きますが、指導の中には「教えない」という指導もあるのですね。一つの大切な視点だと思います。いかに「教える」かを考えるということはいかに「教えない」かを考えることに通ずるような気がします。
     
      大きな耳 小さな口 優しい目
     
     内容的にも面白そうなドラマです。私のオススメドラマです。ついでに言えば、「斉藤さん」と「エジソンの母」も面白いと思います。よく私が見るドラマです。

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    書籍:甲子園への遺言―伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯
    著者:門田 隆将
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    親の希望は「バイリンガル」!――英国の子ども、幼少期から外国語学習

    2008年01月22日 | 記事
    1/21 親の希望は「バイリンガル」!――英国の子ども、幼少期から外国語学習

    外国語の学習は子どもの教育で必要不可欠なものと考える親は全体の70%を占め、子どもをバイリンガルにしようと、5歳の誕生日までに外国語を学ばせる親が多いことが調査の結果明らかになった。

    子供向けTVチャンネル「Cartoonito」が行った調査によると、子どもが生後18ヵ月の頃から新しい言語を教えるという親は全体のほぼ半数、子どもが英語の基本を習得したらすぐに第2言語を学ばせるという親は全体の3分の1に達したことが分かったという。

    ブルネル大学の児童発達心理の専門家は、「第2言語学習から得られる利益は大きい」とし、就学年齢以前の子どもは特に言語習得能力が高いため、外国語学習は早期に始めるほどよいとコメントしているとされる。

    英国の学校で子どもたちが話す言語は61ヵ国語にも及び、12歳以下の子どもたちに提供されている外国語の授業も35ヵ国語。また5歳以下では、全体のほぼ3分の1の子どもたちが20ヵ国語以上の言語を話しているという。

    同調査ではさらに、最も人気のある外国語はフランス語で、これにスペイン語、ドイツ語、イタリア語が続くほか、子どもに第2言語を学ばせる親が最も多い地域はイングランド南東部、逆に少ないのは北アイルランドであることも報告された。


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    説明と納得|既知から未知へ

    2008年01月17日 | 記事
     先日、僕が授業の空き時間に職員室で休んでいると保健室から電話がかかってきました。対応したのは他の教員でしたがなにやら英語教員を呼んで欲しいとのこと。その時、職員室にいた英語教員は僕だけでしたので、僕が保健室まで駆けつけることになったのです。
     外国から来た生徒が怪我でもしたのかなと思ったりしながら保健室まで急ぎました。でも、ついてみるとそこにいたのはちょくちょく職員室に顔を見せる生徒と教員、それから保健室の先生。僕が「何ですか?」というとこう尋ねて気ました。
     「アイデンティティって何ですか」
     どうやら保健室にいたその生徒がアイデンティティとは何かについて聞いたらしいのですね。しかし、この言葉って時々耳にすることはあっても説明するのは難しいらしく、英語教師を呼んでその意味を確かめることにしたのだそうです。一応の英語教師として説明することを試みましたが、今になって考えてみるとあの説明では全くダメだなという思いになっています。その時行った説明は大体次の通りです。
     まずは辞書にあるだろう日本語の意味を挙げました。
     「辞書では『存在証明』とか『自己同一性』なんていう日本語が当てられていますよ」
     そう言えば、国立国語研究所の「外来語言い換え提案」にも「アイデンティティ」が載っていたなということを思い出して得意げに次のようにも説明しました。
     「アイデンティティっていうのは日本語にはしにくい言葉なんですよね」
     その後はアイデンティティを動詞化してやると次のような命令文ができることを言いました。
     「アイデンティファイ ユアセルフ(Identify yourself.)と言われれば、自分の学籍番号やら所属している何がしやらを言わないといけないんだよ。アイデンティティっていうのは自分がそこにいるということ、自分の存在を証明するということだからね。自分がどんな人間なのかを言うんですよ」
     分かったようで分からない説明です。このように調子に乗っていると次のような質問に切り返せなくなります。
     「じゃあ、自分の性格なんかもそれに含まれるの?」
     もちろん含まれるでしょうが、例えば何か発言を求められたときに自分の所属や学籍番号などを言って発言しますが、自分の性格などを言って発言するというようなことはなかなかないことです。そう考えると、なるほど「アイデンティティ」ということばは自分のものになっていないなぁと感じてしまったわけです。そうか、考えてみると私は英語の世界でも日本語の世界でも実生活に「アイデンティティ」や「アイデンティファイ」なる言葉を使ったことが無いことに気づきました。
     しかし、今になって考えてみるともう少しよい説明があったことに気づきます。それは説明しようとしたからダメなのであって、納得させようとすればよかったというお話です。相手を納得させるにはどうするか。それは相手がすでに知っている情報にくっつけてやるのが一番です。アイデンティティで言えば、生徒はすでにIDカードを知っていますし、UFOも知っています。IDカードのIがIdentityのIであることを伝えたり、UFOがUnidentified Flying Objectの頭文字をとったものであることを伝えたりすれば納得につながったのではないかと思ったわけです。未確認飛行物体のことをUFOというわけですが、アイデンティティとは確認できるものを指すのだというわけです。
     最初の説明のいけなかったところはIdentityを「単体」で、しかも「説明」しようとしたところにあるともいえるかもしれません。なんでもそうですが、それだけを取り出して示すとの、既知情報とくっつけてやるのでは後者のほうが効率が言いに決まっていますし、そこには既知情報と新情報が結びつく嬉しさや感動が含まれています。ものの1分ほどの出来事でしたが、私にとっては大切な経験となりました。相手の求めているのは「説明」ではなく「納得」であること。鍵は既知から未知につなげること。授業に活かしていければと思います。

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    ALTと生徒:生徒の新たなる一面

    2008年01月16日 | 記事
     私の勤める学校は最近流行っている前後期制(2学期制)を採用しています。前後期制の利点についてあまり勉強はしていませんが、私の学校では次のように説明しています。

    ① 各学期がこれまでより長くなることで、「ゆとり」の中で学習や学校行事に取り組むことができます。
    ② 7月や12月などの時期に行事を計画することができるようになります。
    ③ 長期休業(夏休み、冬休み)が学期の途中にあることで、それまでの取組を振り返り、課題を重点的に克服することができます。
    ④ 長い学習期間になることで、授業時数の少ない教科(例:技術家庭科)や「総合的な学習」でより確かな評価ができるようになります。


     通知表渡しが年2回になることや、定期テストが年4回になることなども大きな特徴でしょうか。しかし、おかしなものでALTの来校は3学期制が基準となっているようです。私の学校では今月からALTがきてくれるようになりました。1学期(4月~7月)、2学期(9月~12月)はALTは不在で、3学期(1月~3月)のみ来てもらえるそうです。
     ALTが授業に参加すると変化が見られる生徒がいました。その変化は一時的なものかもしれませんが、これまで授業に参加しなかったような生徒が参加する姿を見せてくれたのです。

    I didn't sleep at all yesterday. So I'm sleepy now.
    My favorite singer is Kiss.
    I like soccer. I belong to soccer club. My favorite soccer team is England. I like Beckham the best.


     このような英語を作ってALTに話しかけようとする。ほとんどは教師に日本語を持ってきて、それを英語にしてくれと頼んでくるわけですが、そこには伝えようとする意志がある。「英会話!英会話!」などと言って喜んでいましたが、生徒の新たな一面を見ました。“My favorite singer is Kiss. Please kiss me.”などとやってALTを困らせる場面もありましたが、好奇心は最も大切なものだと思います。ALTとのやり取りは生徒にとっては日本語の世界では言えないようなことが言える経験ですし、日本語の世界では言えて当たり前のこと(例えば自分の名前や好きなものなどを言うこと)でも英語で言ってALTに理解してもらうという経験は感動につながるものです。感動こそが人を動かすとは誰かが言ったことですが、英語って面白いという思いがこういう場面で芽生える生徒もいるのだと感じました。

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    成人に本を!

    2008年01月14日 | 記事
     今日は成人の日。全国各地で成人式が執り行われました。沖縄のどこかの式で新成人数人が逮捕されるような事態が発生したというニュースを耳にしましたが、他のところではキチンとできたのでしょうか。私は数年前に成人になったわけですが、あっという間にここまできたなというのが感想です。今日は妹の成人式を見に行きました。わが市の成人式は静粛にすべきところは静粛にという感じでキチンと行われました。サプライズゲストとしてNON STYLEという漫才コンビとベビースターという漫才コンビが来ました。一気に会場の雰囲気を変える元気さは流石《さすが》は芸人だなと思いました。
     ところで今日の中国新聞を読んでいてすぐに目についたのに「漱石って日本語?」という記事です。「漢字の底力」シリーズの第一回目です。記事の内容は最近の若者は「漢字が多すぎる」という理由で夏目漱石や森鴎外などの文章が読めなくなっているというものです。読まないのではなく、読めないのだというということが、一ヶ月に一冊も本を読まない不読者が15歳以上の男女のほぼ半数に渡るという中国新聞の世論調査結果につながっているのだという指摘がなされていました。
     「たかじんのそこまで言って委員会」という番組がありますが、その中で評論家の宮崎哲弥氏が「新書完全読破」を宣言されていましたが、一般人にそこまでの力は無いにしても月に一冊も本を読まないというのは記事が伝えるような憂いも当然かもしれません。
     私も本は苦手なほうですが、読まなきゃいけないなとは思っています。そんなとき活用するのが「青空文庫」。
     

     
     夏目漱石も森鴎外も入っています。振り仮名もふってあって私のように漢字が苦手でも読めるようにはなっています。すべて無料ですからなおさら良い。宮崎氏のように出る新書すべてを読もうという元気はありませんが、少しずつ読むのも良いでしょう。それにしても新書と言うのは年間に何冊くらい出るものなのでしょうか。思いつくだけでも、岩波、講談社、新潮社、集英社、中央公論、PHP、文藝春秋などいろいろありますから、それらを全部読もうというのは私には大金をいくらつまれても成し遂げられる業ではありません。すごいな~と思います。ホントに。

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    世界ウルルン滞在記|一期一会で終われない!再開スペシャル

    2008年01月14日 | 記事
     大体、テレビを見るとき私は録画したものを見ます。その方がCMなどがスキップできて何かと便利だと感じるのです。1月13日放送の「世界ウルルン滞在記|一期一会で終われない!再開スペシャル」も録画したものを見ました。ウルルンの再開スペシャルは面白いのでよく見るのですが、今回の綱渡りをする韓国人男性との再会は韓国での英語熱を匂わせる場面があって興味深かったのでここに報告させていただきます。
     僕の注目した番組内容を紹介するためにウルルンのホームページに載せてある文章を掲げます。

    直径3cmの綱の上で43の技と漫談を掛け合わせながら行うチュルタギは、「空で遊び、空で舞う漫才師」と呼ばれ、1300年もの歴史があります。その正統な唯一の後継者キム・デギュンさん(当時38歳)は、6年前に史上最年少で韓国の人間国宝(重要無形文化財)に選ばれたほどの技を持つ人です。

    2005年3月、そのキムさんの元に向かったのは、俳優・西興一朗さん(28歳)。学生時代にはJリーグにも誘われたほど運動神経は抜群で自信があったのですが…。西さんがまず教わったのは、「綱の上を歩くこと」。しかし、2日間一度も成功することが出来ず、スランプに陥りますが、キムさんが手渡してくれた扇子を使ってバランスが取れるようになってからは、一度も落ちずに50往復を成功させることができました。その後、4つの技を成功させた西さんですが、「また割り」という大技だけ、どうしても成功することができませんでした。西さんのホームステイ先はキムさん宅。一人息子のミンジェ君(当時11歳)はチュルタギにあまり興味がなかったのですが、西さんの必死な練習に触発され、一緒に練習を始めるようになりました。

    あれから2年9ヶ月…。再び、西さんが韓国を訪ねます。そこには、衝撃の事実が待ち受けていました。


     「衝撃の事実」とありますが、それはおそらくは一人息子のミンジェ君がアメリカに行っているということを指しているのでしょう。キム・デギュンさんの発言に次のようにあります。

    キム:お母さんとミンジェはアメリカで暮らしているんだ


     続けて次のようなナレーションが入れられていました。

    ナレーション:ミンジェ君は一年前からアメリカに留学していた。韓国では今、小学生から留学する子供が増えている。社会現象にもなっているのだ。お父さんも4ヶ月間会っていないという。


     続けてキム・デギュンさんの発言です。

    キム:来月から私もアメリカで暮らすんだ。向こうでチュルタギの公演をやってみようと思っている。


     番組ではこの後、キムさんと西興さんがアメリカに行って、ミンジェ君と再会したり、チュルタギの公演をしたりするわけです。再開するときにミンジェ君を驚かせたり、キムさんと西興さんのひとつのお決まりとなっている「股割り」などを行うシーンに視聴者は喜ぶわけですが、私が注目したのはもちろん彼らと英語との関係です。お父さんを韓国に置いて、子供とその母がアメリカに渡る。アメリカに行く理由は子供に英語力をつけるためです。私は以前こういたった現象が「キロギ・アッパ」と呼ばれていることを紹介しました(「英語熱の行方」)。韓国語では「キロギ」は「雁(ガン)」を意味し、「アッパ」は「父」を意味するのだといいます。渡り鳥のようにアメリカにいる家族と韓国の間を往復することに由来している名前です。あのウルルンに現在の韓国の英語熱を象徴するような話題が登場するとは思っていなかったので少し驚きましたが、韓国の英語熱の盛り上がり様を改めて認識させられました。韓国の英語熱を代表するような話題を挙げてみるとどうなるでしょうか。

  • キロギ・アッパ
  • 舌を切る子供
  • 英語村

     このほかにも何かあるでしょうか。小学校英語の問題はすでに何年も前に解決済みですから、他には例えば『英語完全征服』など英語関連の映画があることですかね。
     ウルルンを見ながら英語についてかんなが得させられるとは思ってもみませんでしたね。


    [関連記事]
  • 「英語村について」(2007年09月03日)
  • 「英語熱の行方」(2007年02月18日)
  • 「アジアの英語教育」

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