LanguageStyle

■「日本人と英語」を考えてゆくブログ

基礎訓練に「基本英文法演習2000」

2008年05月18日 | 記事
基礎訓練


基本英文法演習2000
 「基本英文法演習2000」(コスモライブラリー)を高校1年生の授業で使っています。本書は中学段階で学んだ基本的な文法事項をドリル形式で練習してゆく形式になっています。こちらでその見本を見ることができます。
 本書の演習をやる上で大切なことは理屈の大切さを伝えることではないかと思います。
 「英文には文法があり、文法とは理屈である」
 ほとんどの文法事項はルールを守ってやればできる問題。ルールを守ればよいのですから基本的には誰でもできるわけです。定期試験や大学入試で問われるのは残りの不規則的なもの。高校1年段階では英語に理屈を持ち込み、ルールに支配されているものと一定のルールが及ばないものの存在に気づくことが大切でしょう。
 計画としては4月・5月で本書を終わらせる予定でしたが、6月の頭くらいにずれ込むかもしれません。

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地面を泳ぎたい

2008年05月08日 | 記事
 
泳ぎに行きましょう

 生徒の間違いをどのように考えるべきでしょうか。be動詞の変化の間違いや三単現のsの間違いなどは学習者の勉強不足として片付けられるとしても、日本語表現から英語表現を類推した際に起こる間違いは致し方ない部分もあるのではないでしょうか。生徒に英作文をさせてみると、ごく基本的な英語のルールをも無視した英文を作ったりします。live in Japanとするべきところをlive Japanとしたり、He died of cancer.とすべきところをHe was died of cancer.としたりします。意味と文法が結びついていない証拠が英作文には現れます。しかし日本語表現を英文に置き換えてみた時に起きる次のような間違いはどうでしょうか。つい最近も私の生徒の一人が同じミスをしました。

「海に泳ぎに行きましょう。」の意味で次のように前置詞の選択を間違える。

(×)Let's go swimming to the sea.
(○)Let's go swimming in the sea.

 「学校に行く」はgo to schoolだし、「駅に行く」はgo to the stationじゃないか。じゃあ、「海に泳ぎに行く」はgo swimming to the seaだろうという考えは一定の論理を形成しています。このようなとき、一つの説明としては「『~しに行く』という意味を表すgo ~ingの後に場所が来るときには~ingの動詞に前置詞を合わせる」というものがあります。go skiing to Hokkaidoではなく、skiing in Hokkaidoだというときも、go camping to the mountainsではなくgo camping in the mountainsだというときもこの説明は利用できます。go shopping to the storeではなく、go shopping at the storeであるというときも使えます。

go walking 「散歩に行く」
go dancing 「踊りに行く」
go fishing 「釣りに行く」
go hiking 「ハイキングに行く」
go skating 「スケートに行く」
go snowboarding 「スノーボードに行く」

 しかしここに持ってゆくための説明が必要な場合もあります。そのようなときはまずは注意を引くために挑戦的な語りをすることです。注意を引くための説明としてはgo swimming to the seaという英語を言う生徒に「できるもんならやってみなっ」と言い放つことです。生徒は「?」と思ってこの英語が何を意味するのか考えるはずです。何がおかしいのか、なぜ先生は「できるものならやってみろ」と言っているのかを考えるはずです。あるいは挑発的な別の説明としては黒板に2つの英文を書いて「どっちがあり得る英文か?」と問いかけることです。

Let's go swimming to the sea.
Let's go swimming in the sea.

 「ありえる」「ありえない」の2者択一なので説明としてはとてもシンプルであり、理解のしやすい提示です。swim in the seaが「ありえる」のは「海で泳ぐ」からであり、swim to the seaが「ありえない」のは「海まで泳ぐ」からだという説明は「うんうん」と納得のいくものではないかと思います。「できるものなら海まで泳いで行ってみろ」というわけです。海で泳ぐのではなくて、海まで泳いで行くには・・・。

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英語学習を振り返る【2】

2008年05月03日 | 記事
辞書を読む

 小学校の卒業記念に辞書を学校からいただきました。しかし僕は中学校ではその辞書は使わずに、家にあった『チャレンジ英和和英辞書』を主に使っていました。この辞書には目の焦点をずらすと文字が浮かび上がる仕掛けがしてあるページがあって、よくそれで遊んでいました。この辞書は和英もページは少ないながらついているのでこの日本語は英語でどういうのだろうと思ったと思ったときにはよく見ていました。
 辞書の引き方を学校で習った記憶はありません。どこで習ったかといえば、小学校からやっている公文。英語学習にとって辞書と仲良くなれたというのは幸運なことでした。公文ではよく辞書を引かされました。意味のわからない単語が出てきたとき、先生に聞いても決して教えてくれません。必ず「辞書で確認しなさい」と言われました。最初は面倒でしたが、次第に辞書ひきが速くなり、先生から言われる前に辞書を引く自分がそこにはいました。公文では小学校でもらった辞書を使ったり、備え付けの辞書を使ったりしていました。『チャレンジ英和和英辞書』は大体学校において帰ったり、カバンの中に入れてあったりしていました。まとめると次のような感じです。
 
 学校で使うのは⇒『チャレンジ英和和英辞書』
 公文で使うのは⇒小学校でもらった辞書、備えつけの辞書
 
 辞書を使い分けたのは後から振り返るとこれまた幸運なことでした。『チャレンジ英和和英辞書』は英語学習初期の段階(小学校6年生)から使っていたのですが、単語の読みがカタカナで書かれているのでどう読むのかがはっきりしました。単語は読めなければいけないだろうと思っていましたし、読めなければムズムズしてしまうのでこの『チャレンジ英和和英辞書』は僕にとっては使い勝手のいいものでした。
 一方、公文で使っていたもう少し上級者向けの辞書は何が良かったかといえば発音記号が読めるようになったということです。発音記号の読み方について特別の指導は受けたことはありませんが、辞書を引き、発音記号を見て発音をしてみて、それを先生に確認するという方法を続けているうちになんとなくわかるようになってきました。Cが反対になった記号を「オ」と読むのだということなどはすぐに覚えられましたし、aとeの中間音を表す記号などはよく考えたものだと感心していました。

それでも和訳は不得意

 英語学習を振り返る上で、そういえば和訳は苦手だったような気がします。おそらく(中学)2年生だったと思いますが、夏休みにまとまった英文を訳す課題が出されました。英語に苦手意識のなかった僕ですが、和訳がうまくいかない経験をそこでしました。きちんとした日本語にならないもどかしさからその課題は完成せずに終わったように思います。課題を提出せずに怒られたのかどうかは覚えていませんが、英語の奥深さを知りました。
 しかし不得意だからといって嫌いになったわけではありませんでした。めんどくさいという思いが先に来ただけで、「時間をかければできるわい」くらいの思いでした。ただ、そのころは時間をかける作業がめんどくさかったのですね。

はじめてのテスト

 英語は好きな科目だったので中学校に入っての初めての試験はかなり気合を入れていたように思います。どんな勉強をしたのかまでは覚えていませんが、点数は覚えています。98点でした(アレ?97点だったかな?)。僕が点数のことで覚えているのは98点か97点かということもあるのですが、それよりも何よりも隣の女の子に1点ほど負けたということです。たぶん僕が97点で隣の女の子が98点だったような気がします。一年生の最初のテストなのでみんな高得点を取るのですが、1点負けたということが意外に悔しくてたまらなかったなということを思い出します。

(つづく...)

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英語学習を振り返る【1】

2008年04月28日 | 記事
感動こそが人を動かす

 僕は中学に入学する1年前、つまりは小学6年生の時に英語を習い始めました。近所にあった公文式ではじめて英語と触れたのです。友達の中にはそれ以前から英語を習っている者もいたりして、休憩時間にローマ字を書いて自慢をしている友達の姿を見ながら「すげぇー」と思ったのを今でも覚えています。公文で英語を学ぶきっかけになったのは中学校から英語の授業が始まるということもありましたが、その友達の影響が大きかったように思います。すでに公文式に通っている友達のところに相談に行き、自分も公文で英語を習うようになったのです。その当時、英語は僕にとってあこがれであったと言ってもいいでしょう。
 英語の勉強が始まってみると何もかもが新鮮に感じられました。英語学習初日に渡されたカードの勉強は今でも覚えています。カードの表には英単語が書いてあって、裏にはその単語が表す絵と日本語での意味と発音が書いてありました。課題は①英単語が読めるようになること、②英単語の意味が日本語で言えること、でした。家に持って帰ってチラシの裏に何度も何度も殴り書きをしたのを覚えています。5個の英単語を何度書いたでしょうか。単語はlionとmelonとlemonがあったのは覚えています。あとはpigとhatあたりだったでしょうか。はっきりとは覚えていません。僕が英語を習い始めて最初に書いた単語はlionです。チラシの裏に「ライオン、ライオン・・・」と言いながら何度も何度も書きました。課題は書けるようになることではなかったのですが、覚えるのであれば書かなければだめだろうという直感が働いたのでしょう。あるいは書けるようになりたいというただそれだけの理由だったのかもしれません。馬鹿みたいに書いていました。melonとlemonについては使われている文字は一緒なんだなと思いながら書きました。日本語で既に「メロン」と「レモン」という単語を知っているためあとは綴りだけに注意を払えばいいので覚えやすかったことを覚えています。次の時はumbrellaという単語がカードに含まれていたのを覚えています。umbrellaという長い単語にわくわくし、「アンブレラ」という面白い発音に魅了されながら覚えた記憶があります。umbrellaという聞きなれない英単語を目にした時が英語をやっているという実感が持てた時でしょうか。
 僕にとっての英語学習は「楽しい」「わくわくする」「どきどきする」といういたって情緒的な動機で進められていきました。当時の僕には少なくとも「外人さんと話してみたい」とか「アメリカに住んでみたい」などの動機はありませんでした。ただ、友達が書いている英語を自分も書けるようになりたいという思いとこれまで日本語で表現してきた単語を英語に置き換えることができるようになる悦びによって僕の英語学習は支えられていた気がします。

教科書を読む

 中学に入って英語の授業が始まると僕は次の表現で頭を悩ますことになりました。それは年齢を言う表現です。

I'm twelve years old.

 この表現はそれまでに公文で学んでいた表現だったのですが、学校では次のように出てきたのです。

I'm twelve.

 この表現が登場してから数日間気になったのを覚えています。この表現だと「私は12」までしか言ってないじゃないかと考えてしまったわけです。「~才」というときには"years old"をつけるという知識がすでに自分の中で固まっていたので、違和感が残ったのでしょう。悩んだ挙句、やはり最後は先生に尋ねてみました。自分の英語の知識が間違っているのか、と。どういう返事が返ってきたのかまでは残念ながら記憶にありませんが、教室で「?」になっている自分を今でも思い出します。
 しかし全体としては英語の勉強は好きなままでした。先生もいい先生で恵まれていました。中学校での英語学習は主には教科書を読む作業で進められました。とにかく読むのです。声に出して読むだけですので、手も疲れませんし、難しい問題を解くわけでもありません。公文はずっと続けていましたが、英語の勉強の基本は読みでした。テストの前は一応はテスト範囲の問題に当たりますが、やはり基本は教科書の読みであって、読んでいて意味が取れないところは特に何度も何度も読んでいたように思います。
 基本が読むだけなのでそれほど苦にすることもなく英語学習が進んでいきました。読むというのは基本的には面白いものであり、飽きないものです。声に出して読むと何やら気持がよくなったのを覚えています。音読を基本としたのは誰かに言われたからではなく、気づけばそうなっていたのです。公文では毎回よく読まされました。これが中学校の英語学習にも応用されたとも言えます。しかし周りの友達などはそれほど読んでいる様子もありませんでした。一緒に勉強しようということになったとき、僕の勉強法は読むだけですのでいたってシンプルなのですが、そのときばかりはワークなどをやったりしていました。
 中学の頃は僕の周りには英語が苦手だという友達が何人かいましたが、彼らに英語を教えてあげたという記憶はありません。僕はやさしい人間なので「教えて」と言われたときには教えてあげたと思いますが、とても控えめな性格でもありますので自分から率先して教えてやろうという行動には至らなかったということでしょう。

つづく...

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『ドリームズ・カム・トゥルー』(2006)

2008年04月27日 | 記事

スペリングコンテスト

 単語のスペリングコンテストを中心に繰り広げられるこの映画。まずはAmazonに記載されている紹介文を見てみましょう。

幼い頃に父親を亡くした11歳のアキーラ(キキ・パルマー)は、恵まれない環境で家族とギリギリの生活を送る毎日。そんな暮らしの中、唯一の楽しみが英単語の綴りをマスターすること。ある日、アキーラの綴り力の高さを見抜いた大学教授(ローレンス・フィッシュバーン)が、全国英単語綴り大会でアキーラを入賞させるべく、家庭教師に名乗りを上げた!大会に向け綴りの暗記に励むが、何度も入賞しているライバルの出現や家族がトラブルに巻き込まれたりと、思いもよらぬ境遇に追い込まれる!

 主人公は11歳の女の子ですが、この子は死んだお父さんが愛したという単語の勉強に夢中になっています。学校の勉強はあまり熱心ではありませんが、単語を覚えることに関してはとても興味を持っている女の子。学校で行われる単語テストで毎回満点を取るという理由からスペリングコンテストに参加することになったわけです。
 この映画の原題は"Akeelah and the Bee"。Akeelaというのは主人公の女の子で、Beeというのはスペリングコンテストの名前です(Wiki)。Wikipediaにはもう少し詳しい説明があります。邦題が「ドリームズ・カム・トゥルー」となっていることから「夢の実現のために頑張る姿」が予想されますが、ふと思ったことは邦題のつけ方にルールはないのかということです。"Akeelah and the Bee"という原題と「ドリームズ・カム・トゥルー」という邦題ではかなりの違いがあります。日本には「ドリームズ・カム・トゥルー」(略して「ドリカム」)という歌手がいますが、そちらの人気にあやかったということでしょうか。「アキーラとビー」という邦題では見れもらえそうにないとの判断があったのでしょう。

基礎単語を覚える

 この作品の中で紹介された単語記憶術はいろいろありましたが、一番大きいのは語源(etymology)でしょう。コンテストの形式は質問者が口頭で単語を読み上げ、その綴りを回答者が口頭で言うというものです。その際、回答者がたびたび質問することに「語源は何ですか」という問いがありました。「ラテン語です」「フランス語です」などの回答が返ってきます。ほかには「この単語の意味は何ですか」や「この単語が使われる例文を挙げてください」などのお願いをすることができます。これらのヒントから回答者は正しい綴りを答えることになるわけですが、Wikipedhiaには映画の中でどのような単語が登場したのかについてまとめてあります。挙げてみると次のような感じです。

Xanthosis
Pulchritude
Pluviosity
Ratatouille
Ratiocinate
Argillaceous
Miscible
Palynological
Scheherazadian
Merovingian
Logorrhea
Prestidigitation
Xylem
Doubt
Fanciful
Pterodactyl
Psoriasis
Synecdoche
Grovel
Ambidextrous
Placid
Love
Staphylococci
Loquacious
Embrocation
Jambalaya
Jacquard
Effervescent
Gabbro
Pastiche
Madrigal
Doublure
Manifest
Cabalistic
Cognizant
Tzigane
Psalmody
Brunneous
Rhesus
Euphoric
Carmagnole

 語源を使った記憶術についてここでは触れませんが、丸覚えでは対応しきれないのは明らかです。何万とある単語を丸暗記の対象にはできないということです。論理を入れるというのは話を難しくするためではなく、話を簡単にするのが目的です。筋を通すというのは考え方を最もシンプルにするということです。
 映画の公式ホームページでは何やら単語ゲームや壁紙のダウンロードができるようになっているようです。ご参考までに。

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書籍:ドリームズ・カム・トゥルー
監督:ダグ・アッチソン
販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2007/10/24
時間:113 分
定価:¥ 3,990 (税込)


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犬のフン「は」持ち帰ってください

2008年04月20日 | 記事
 日本語で面白いのは目的格の扱いだと思いはじめてきました。散歩をしているときに「マナーは守りましょう」とか「犬のフンは持ち帰りましょう」などのような貼り紙を見つけたためです。ふつうは「~は」と聞けば主格であると私たちは(私だけ?)考えるわけですが、目的格としても使われるのですね。よく見てみると「マナーを守りましょう」や「犬のフンを持ち帰りましょう」とは少しニュアンスが異なっていることにも気づきます。「マナーは守りましょう」と言えば、マナーくらいは守りましょうの意味ですが、マナーを守りましょうにはそのような意味はありませんよね。「犬のフンは持ち帰りましょう」も同じことで、この表現には犬のフンくらいは持ち帰りましょうよという意味がありますが、犬のフンを持ち帰りましょうにはそのようなニュアンスはありません。大変面白いものです。
 最近、関係代名詞についてどうやって教えたら一貫性のある指導になるのか考えています。2文を1文にするというやり方が最も人気のある指導法であり、私の使っている教科書でも2文を1文にする問題が登場しますが、理解の上ではこれでよくても、実際的ではない考え方だなと思っています。まず2文を考えて、その後それを1文にして話したり、作文したりするのは稀なのではないかという気がするのです。しかしながら、2文を1文にする問題が教科書にある以上、それは試験の対象になるため指導しないわけにはいきません。関係「代名詞」と銘打っているにもかかわらずなんだか接続詞をやっている感覚ですが、主格・所有格・目的格をそれぞれ総動員して生徒には2文を1文にしてもらう技を身につけてもらう必要があります。
 2文を1文にする指導で手こずるわけではありませんが、likeの扱いにについては考えさせられます。それは目的格を受ける言葉が「~が」となるためです。普通、目的格は「~を」で受けるわけですが、likeは「~が」で受けるのです。そうすると「~を」という一貫性に「~が」が突如として割り込んできた格好になってしまいます。「~を好きです」とはふつうは言いませんからね。そこで教師が考えることと言えば「~を好む」という具合に「好き」ではなく「好む」という別の表現に変えることくらいなのです。指導には一貫性を与えたいものです。
 一貫性ということでいえば、これも散歩をしていてふと気づいたことですが、「ゴミ」は数ではなく量なのですね。ゴミは数えられる対象ではなく図られる対象であるということです。これは日本語の世界でも英語の世界でも同じことです。だからゴミはgarbageにしろ、trashにしろ、rubbishにしろ不可算名詞なのだと。面白い発見でした。refuseにも廃棄物という意味があることも知れましたし(もちろん不可算名詞)。
 話はふたたび関係代名詞に戻りまして、私は接触節を使って関係代名詞をやりたいと今考えているわけです。どういうことかというと、「公園で遊んでいる子供たち」を表すのに、生徒たちはすでに「子供たちが公園で遊んでいる」という表現が言えるわけですから、公園を先行詞に置いた語順に変えればよろしいという指導をやりたいと思っているのです。
 
 Children are playing in the park.
 the park children are playing in
 
 さらに、ここで関係代名詞のwhichを使って言えることも確認します。
 
 the park which children are playing in
 
 そしてさらに、前置詞+関係代名詞でもよいことを確認するわけです。
 
 the park in which children are playing
 
 これが進めば前置詞+関係代名詞は関係副詞で表すことができることも指導します。
 
 the park where children are playing
 
 この考え方でいけば、
 
 Jack built the house.
 the house Jack built
 the house which Jack built
 
 となることが語順という1つの大きな柱でがっちり筋が通っていることが確認できるはずです。しかし、この方法だと2文を1文にする方法とは大きく異なるため、試験では点が取れないことになる可能性があります。よってなぜ前置詞が文末に残ったりするのかということに対する一つの説明として使おうと思っているにすぎません。
 この考え方は文を名詞節に変えるという点で英作文でも使えると思います。なんとかうまく授業に組み入れる方法はないものかと考えています。

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『熱血教師キムタツの東大英語基礎力マスター Vol.1』 木村達哉

2008年04月08日 | 記事

 先日、アマゾンで本書を注文していたのですが(なぜか近くの書店には置いていないんですよね)、今日それが届きました。著者は木村達哉先生。灘中学・高校の英語教師です。



 それでは、まずは本書の内容紹介をアマゾンから引っ張ります。

中学英語のエッセンスのみを抽出し、復習することで基礎英語力を養成。毎日約1時間の勉強を7日間、合計1週間で終了。第1~3日(名詞・動詞・形容詞・副詞の復習)では、暗記すべき単語と確認ドリル、第4~7日(品詞・文法)では、解説とチェックポイント、確認ドリル、実践ドリルで構成。

 本書を使う際にこれだけは押さえておかないといけないなと思ったのは、これを1週間(7日間)でやりきることです。基礎的な単語や英語の構造をきちっと押さえておくことが英語学習の基本ですが、そのほとんどは中学英語までに登場しています。英語の基本が中学英語にあるとするならば、英語が苦手な高1や高2、あるいは高3の生徒はまずは中学英語を100%にすることから始めなければいけません。本書はそれを7日間でやっていまおうというわけですから大変ですが、本書は100ページにも満たない構成(全87ページ)になっており、分量的にはパッと見た感じでは多くないと生徒たちは感じるのではないかと思います。ということは手にとってやってみようかなと思っちゃうわけです。しかし実際にやってみれば分かるように、薄い本とはいえ、結構な分量があることがわかります。これだけの量を一定期間(7日間)に集中的に行うことによって、またその中で間違えた問題に繰り返し取り組むことによって本書から得られるものは大きいと思います。
 本書のタイトルから察するに、この後Vol.2、Vol.3とシリーズ化されるのでしょうか。だとすれば、それらをすべて揃え、英語をがんばってみようと思いながらも、何から手をつけていいのかわからない生徒にはぜひとも紹介していきたいと思っています。続編が期待されるところです。

・・・・・・・・・・[Amazon.co.jp]・・・・・・・・・・
書籍:熱血教師キムタツの東大英語基礎力マスター Vol.1 徹底復
著者:木村 達哉
出版社:講談社
発売日:2008/04
ページ数:87頁
定価:¥ 630 (税込)


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スラッシュ訳と読解

2008年04月05日 | 記事
 先日の会議で一年生、2年生、3年生ともに長文読解(リーディング)の指導に当たってはいわゆる「スラッシュ訳」を基本とすることが確認されました。スラッシュ訳とは意味の塊(チャンクと呼んでもいいのかな)ごとに英文を読んでいこうとする試みであり、基本的には英文を前から前から読んでいこうという試みであると理解しています。その場合、どこでスラッシュ(区切り)を入れるべきかについて基本的なルールを確認しておく必要がありますが、先日の会議ではそこのところは話題に上りませんでした。3年生で使う教科書『Vivid Reading NEW EDITION』(第一学習社)には次のような基準が示されています。

①長い主語のあと
 The young woman playing the piano / is my sister.
②接続詞、関係詞、疑問詞の前
 Did you tell anyone / (that) you were coming to see me?
 A dictionary is a book / which gives you the meanings of words.
③前置詞句の前
 I read about the accident / in the newspaper.
④to-不定詞の前
 I went to the park / to play soccer.
⑤コンマ(,)、セミコロン(;)、コロン(:)のあと
 It rained hard, / and we all got wet.


 また「英語の先生応援団 - 高校の英語の先生を応援します!」というサイトではスラッシュ訳について次のようなやり取りがなされています。

Q:授業でスラッシュリーディングをさせるために、英文に私がスラッシュを入れているのですが、たまに「どこに入れるべきか」と悩むことはありませんか?

A:迷うこと、ありますね。スラッシュの入れ方は必ずしも決まったものでなく、語句の長さなどによって変わるとは思うのですが、私なりに書いてみると以下のようになるかと思います。ご参考までに。
(1) 副詞句や形容詞句の前後
(2) カンマ、セミコロン、コロン、ダッシュの前
(3) that節、疑問詞節、whether節の前
(4) 関係代名詞、関係副詞の前
(5) to 不定詞の前
(6) 接続詞の前
(7) 長い目的語や補語の前
(8) 長い主語の後


 実践例で考えてみたいと思います。手元に1年生で使う『Revised POLESTAR English CourseⅠ』がありますので、そこの英文を拾ってやってみましょう。



 ここで次のような要素も入れてみます。
 
 [名詞の働きをしている句・節]
 <副詞の働きをしている句・節>
 (形容詞の働きをしている句・節)
 
 スラッシュ訳というものをあまり付けたことのなかったものですので、ここで少し整理しておいた方がいいなと思ったわけです。このスラッシュ訳がどの程度効果があるのかは未知数ですが、英語を読んでゆく方法を示すことは大切かと思っています。勉強、勉強。

  • 【PDF】スラッシュと入れ方と読解記号(2008年4月5日)

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