LanguageStyle

■「日本人と英語」を考えてゆくブログ

コンセント

2008年03月27日 | 記事
和製英語とは-コンセントを例に

 大辞泉によれば、コンセントとは「配線から電気を取るための、プラグのさし込み口。また、その器具」のことであるといいます。自分がこの言葉を使うかどうかは別としても、「これコンセントにさして!」と言われたとき、その意味は正しくつかむことができるという点でこの言葉は日本語になっているといえます。
 すでに周知の事実ですがコンセントというのは和製英語です。すでにその定義をみたように、コンセントというのは日本語の世界では右図のようなモノを指します。しかしこれは和製英語だというわけですから、英語の世界ではこの認識は通用しないということになります。まずは和製英語についてその意味するところを見ておきましょう。和製英語についてウィキペディアでは次のように述べてあります。

和製英語(わせいえいご)とは、英語の単語を組み合わせることにより造られた、英語風に聞こえるが本来の英語にはない表現のこと。また欧米には存在せず、日本独自のモノを英語風に名づけて普及した言葉も含まれる。
(強調はブログ作成者)

 大辞泉では「英語らしく作った語」(強調はブログ作成者)としてあります。つまり和製英語とは「本来の英語」にはない表現を勝手に日本人が創作した英語らしい言葉ということになるでしょうか。お気づきのように、「本来のものではない」という言い方はその基準を英語に置いています。ここでいう本来の英語とはアメリカ人の話す英語、イギリス人の話す英語だと考えて差し支えはないでしょう。「英語の時代:日本人英語」で見たように、本名信行氏の『世界の英語を歩く』(集英社新書、2003)の目次には「ヨーロッパの英語」「アフリカン・イングリッシュ」「インドの英語」「マレーシアの英語」「シンガポールの英語」「ブルネイの英語」「フィリピンの英語」「中国、台湾、韓国の英語」「アジアの英語」「アメリカ英語」「カナダの英語」「イギリスの英語」「オーストラリア英語」「ニュージーランドの英語」など様々な英語が紹介してありますが、本来の英語といったときに想定されるのは「アメリカの英語」と「イギリスの英語」ということになるでしょう。少なくとも「日本の英語」が含まれる可能性はゼロです。
 話を戻します。「本来のものではない」という言い方は英語を基準に置いているわけですが、日本語の世界に存在する和製英語を見つけて「本来のものではない」と言われたとき、日本語の世界に生きる私たちからしてみればまず考えられる返答は「それで?」というものかと思います。これはコンセントは日本語の世界ではきちっとその役目を果たしているのだから本来がどうちゃらこうちゃらは関係ないという考え方です。
 一方、次のように考える人もいるでしょう。コンセントはconcentric plug という英語が「コンセントプラグ」となり、「コンセント」となったのだ(コンセントの由来についてはこちらのブログが詳しい)。これが英語として通用するならまだしも、通用するどころか日本人の英語学習の邪魔をしているだけである。強勢の位置は異なるがコンセントにはconsent【kənseˈnt】「同意(する)」という他の語もある。
 これら2つの対照的な考え方は和製英語が日本語の世界だけで完結している/完結させればよいと考えるのか、それとも完結するものではないと考えるのかの違いも関係しているかもしれません。つまり、英語の世界など関係のない、ただ日本語の世界にコンセントという語があるから使っているだけだという人と英語に何かしらの関係を持っていて和製英語に何かしらの問題意識を持っている人の違いです。



和製英語|a Japanese coinage from English
コンセント|((plug in)) an [a wall] outlet; a (plug) receptacle; 〔英〕a power point; a socket

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できる課題を用意する

2008年03月23日 | 記事
 ニュー・ホライズン(2年生用)に“Can Anyone Hear me?”という題材があります。リーディング教材の授業をするのはいろいろ工夫が必要?ですが、これを1時間(45分)でやらなければいけないとすると、その工夫は非常に限られたものになります。生徒の方に予習を求めないとすると授業の中でできることはさらに制限されたものになるでしょう。リーディングに限らず英語の学習は英文を一文一文ていねいに見てゆく作業が必要ですが、これだけ多量の英文を一時間でていねいに見てゆくというのは一斉指導の場ではほとんど不可能です。教師が生徒に「説明」してやる場が授業であるならば不可能というのは言いすぎですが、中学校段階では「説明」よりも生徒に「やらせる」ことのほうが重要ではないかと思います。この「やらせる」という視点に立った時、その課題は「できる」ものでなければならないことが大前提となります。
 次のプリント1とプリント2を比べてみましょう。
 
  • プリント1
  • プリント2
  •  
     プリント1とプリント2の決定的な違いは誰にでもできる課題が入っているかどうかという点にあります。プリント1を塾の生徒にやらせたら10分かからずにやりましたが、学校の生徒は学力の差が激しいのです。30分あってやっとというのがほとんどでしょうか。30分やったのはいいのですが、空白も目立ち本人に自分ができたという自覚があるのかどうかも定かではありません。一方でプリント2の方はどうでしょうか。このプリントの場合、やる気があれば誰にでもある程度はできるはずです。なにしろニュー・ホライズンのリーディング教材のページには「覚えたい語句」として英単語が挙げてあり、そのすぐ横に日本語訳が書かれているのですから、誰にでもやる気さえあればできるのです。辞書を引くまでもなく、教科書の最後のページあたりの英単語一覧を見るまでもなく、教科書さえ開けばできるのですからこれほど簡単な話はありません(もちろん生徒(中2でも!)の中には英単語を写す作業に困難を覚える生徒もいます)。下にある本文の日本語訳の方は誰にでもできるとは言えませんが、生徒同士が相談してやるにはちょうどいいくらいかと思います。
     
     このようなプリントになってしまったのは1時間で生徒の予習なしで授業をしなければならないという制限があったことが前提にあります。条件が変われば別の工夫ができるでしょう。

    本日のFILM:俺は、君のためにこそ死ににいくGガール 破壊的な彼女
     
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    はじめましてなんですけどぉ

    2008年03月23日 | 記事
     3月17日(月) 塾講師(アルバイト)最終日
     3月18日(火) 中学校英語講師最終日
     3月19日(水) 東京へ
              はじめて靖国神社を参拝し、遊就館を見学する
     3月22日(土) 小中学校英語教育セミナーin広島に参加
     
     今週は2つの終わりと、1つのはじめてがありました。最近テレビなどでよく「私は○○さんとははじめましてなんですけど…」という言い方がなされますが、「1つのはじめてがありました」という言い方と同程度にどこか違和感のあることばの使い方です。「はじめて」というのは副詞的に使われることばですし、「はじめまして」というのは挨拶としての一種の慣用表現です。それをあたかも普通名詞であるかのように使っているところに私の違和感の原因はあるのだと思います。それはさておき、今週で4年ちょっとに渡って続けた塾講師(個別指導)のアルバイトが終わりました。17日の月曜日です。自作のプリントなどは塾で指導する際に用いたものであって、塾生たちからいろいろと指摘をしてもらいながら成長させてきたものです。塾アルバイトをはじめたのは大学1年の秋。はじめのころのたじたじの指導や卒業していった生徒たちのことを思い出しています。18日の火曜日には去年の5月からはじめた中学校英語教師としての仕事が終わりました。契約はもう少し残っていますが、授業自体はもうないためこの日が最後ということになりました。塾講師も学校講師も今思えば私自身のやり方は変えてないように思います。塾は個別指導で、学校は一斉指導という違いはありましたが、塾よりも学校に力を入れるなどということはなかったようにおもいます。私自身、おもしろかったのは…どちらかといえば塾の個別の方でしょうか。その理由は塾の生徒の方がよく勉強するなどという理由ではありません。それは塾の方が生徒とより近くで接する場面が多いという理由です。
     19日ははじめて靖国神社を参拝しました。広島から東京まで車で行きましたが、18日の夜7時に自宅を出て、着いたのは翌日の朝6時。11時間程度で着きました。7時くらいに靖国参拝をしてその後朝食を食べました。その後、国会見学ツアーを行い、再び靖国へ。いろいろと問題視される遊就館を見学しました。遊就館内の売店で本を一冊買ったのちは、ウナギを食べに自民党本部の横にある店に。とてもおいしい鰻重(うなじゅう)でした。
     22日は小中学校英語教育セミナーin広島に行きました。いろいろ貴重なお話が聴けましたが、まだ東京帰りの疲れが残っていたのでしょうか。体がだるかった気がします。

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    ファイルをブログで公開する方法

    2008年03月12日 | 記事
     自作のファイル(ワードやエクセルやPDFなど)をネット上で公開しようと思ったとき、ココログのようにファイルアップロード機能のついたブログサービスを使っている人にとっては全く問題ではありませんが、私が使っているgooブログのようにその機能がないブログサービスを使っている人にとっては一つの克服しなければならない問題となります。
     そのようなとき、例えばYahoo!ブリーフケースを使うという選択肢が考えられますが、ファイルに直リンクを貼ろうとする場合、Yahoo!ブリーフケースでは少々問題が発生します。それはYahoo!ブリーフケース内にアップロードされたファイルのアドレスはファイルがアップロードされる毎に?変更されるという問題です。リンクを貼ったはずなのにファイルが開けない。リンクに使ったアドレスがしばしば変更されてしまうわけですから、このような問題が発生するわけです。この問題を解決するにはファイルごとに指定できる「友だちに送る」という機能を使います。この機能を使い公開したいファイルを自分のメールアドレスに送り、そのメール内に記載されているファイルのアドレスを公開することでリンクが変更されるという問題は解決されます。しかしこの作業はいかに言っても煩雑です。
     2つ目に考えられる方法はホームページスペース(無料のもの)をレンタルかファイルアップロード機能のついたブログサービスに乗り換えるかです。しかし、ホームページスペースはファイル倉庫としての使用を禁止しているのが常ですし、新しいブログサービスに乗り換えるのもなかなか勇気のいることです。ファイル管理だけは別のブログサービスを使うという方法もありますが、面倒なのは言うまでもありません。そのようなとき、次の3つ目の方法は大変に便利なものです。

    Windows Live SkyDrive

     3つ目の方法とはWindows Live SkyDriveを使用するというものです。Windows Live SkyDriveの特徴は次のとおりです。

  • Windows Live ID(無料)を取得すれば誰でも利用できる。
  • Windowsだけでなく、Macintoshでも利用できる。
  • 1アカウントあたり、5GBまで利用できる。
  • 1つのファイルは50MBまでアップロードできる。
  • EXEフォーマット以外のファイルをアップロードできる。
  • きめ細かなファイルの保護ができる。
     (→  * Windows Live IDによる個人の認証。
         * SSLを使ったファイルの転送。
         * 個人用、共有、パブリックの3つのレベルによるファイルの保護。

  •  これ(50MB)以上大きなファイルをネット上で公開しようと思えば、MediaFire(http://www.mediafire.com/)などのオンラインストレージサービスを使うことができます(私は使ったことはありませんが)。


    どのオンラインサービスにも一長一短がありますから、皆様方個々の判断で利用なさる事が大切です。

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