LanguageStyle

■「日本人と英語」を考えてゆくブログ

夜スペシャル|和田中学校

2008年01月27日 | 記事
 東京都杉並区立和田中学校で「有料特別授業」、通称「夜スペシャル」(略して「夜スペ」)が26日、スタートしたというニュースを目にしました。都の教育委員会から一時“待った”が掛かったというニュースを今月のはじめごろに聞いていたので、その後どうなったのかなと注目はしていました。
 「夜スペ」の仕組みを簡単に示せば、民間の塾講師が夜間に学校に来て有料で授業をするというもの。この思い切った取り組みは民間人校長として有名な藤原和博氏の案であるといいます。藤原氏は和田中学校の校長。藤原氏の狙いは「吹きこぼれ」対策であるといいます。「和田中の校舎を使って夜間に塾を開きます(PDF)」には次のようにあります。
 
公立校の弱点である「吹きこぼれ」を出さないため、都立の進学重点校や私立の中上位校を狙う夜の特別コース

 
 これにはいろいろ世間から批判があるようで、たとえば次のような疑義が出されているようです。
 
  • 参加方法、費用の負担等について義務教育の機会均等という観点から疑義がある
  • 特定の私塾に学校施設を利用させることは営利性を疑わせ、学校施設の公共性に反する恐れがある
  • 教材開発に校長及び教員が関与することは、公務員の兼業、兼職の適正な手続きの観点から疑義がある
     
     上の疑義は東京都教育委員会から出たものですが、東京都教育委員会の最終的な見解としては次のようにおさまったようです(「杉並区立和田中学校における私塾連携の取組について」)。
     
    今回の取組は学校の教育活動外であること、また、生徒の学力向上という公共の利益のためのものであることが明確となり、教育関連法規及び公共財産の管理に係る規定等に照らして不適切なものではないと認められた。

     
     また、上記以外の批判としては次のようなものを私は目にしました
     
  • 生徒を塾に任せることは学校否定
  • 学校の教師が塾の講師と比較されることで学校の威信が低下する
  • 学校の教師よりも塾講師のほうが指導力があるものと考えている節《ふし》がある
     
     今回の和田中の取り組みに対して私がまず感じたのは、塾に通わなくても進学ができる学力を保障しようという話になったとき、学校の授業の質を上げることを考えるのが常ですが、今回の取り組みは逆転の発想で学校を塾化してしまえばよいというものに見えるということです。学校を塾化すると聞けばなにやらマイナスのイメージがつきまといますが、私は今回の取り組みに対してそれほど否定的な考えを持つには至っていません(現在のところ)。というのは機会均等の観点から疑義があるというのは「「夜スペ」の疑問に答えます 和田中の藤原和博校長」などを読むと「成績下位層はどうするか」との質問に藤原氏は次のように答えておられます。
     
    本校では既に「土曜寺子屋」(学生ボランティアを活用した補習)で徹底した底支えを行っている。上位層だけ対策しているわけではない。力や意欲はあるのに放っておかれる「吹きこぼれ」(上位層)の学力向上が本校の課題だった。上位層を伸ばすのも公教育の役目だ。

     
     至極まともな考え方だと思います。私は今回の取り組みは和田中学校が生徒を育ててゆくという全体的な取り組みの中の一つであると捉えています。これだけをやっているわけではない。塾講師と学校の教師が比較されるならされればよい。何か新しいものが生まれるに違いありません。例えば英語の授業ならばそれを英語で行おうとするかどうか。コミュニケーション活動を取り入れようとするかどうか。英語の場合、学習塾と学校の授業とでは教え方に雲泥の差があることが予想されます。この違いはなぜ生まれるのかについて考えてみるのも面白いことです。
     ただ私がこの取り組みに疑義をはさむとしたら委託する塾はどのように決めたのかという問題です。塾は一つではないわけですから、最も良い条件でやってくれるところを競争入札で選ぶのは当然です。それがあったのかどうか。
     これは開かれた学校づくりという観点から非常に大切なことではないでしょうか。公開性、それから透明性。
     もうひとつ付け加えておけば、このような外部の力を借りるのであれば教員の日々の雑務などを代わりにやってくれる人を入れて、現場の教員が授業で勝負できるような環境づくりを整えて欲しいと思っている人は多いのではないかと思います。これも至極まともな意見です。教育の問題は何が正しいのかを判断することにおいて難しいことを多く含んでいるわけですが、生徒にこうなって欲しいという理想像を持ち、日々の試行錯誤をしながらみんなで生徒を教育してゆく。大切なのはそういうことだろうと思います。


  • 特効薬か劇薬か 和田中「夜スペ」スタート
  • 「第一歩」「生徒を分断」 公立中の有料授業に賛否
  • 和田中「夜スペ」他教委から評価の声も… 地方はどうする?
  • 校長『公立で上位層伸ばす』塾側『騒ぎも知名度アップ』 和田中有料授業スタート
  • 戸惑いながらも真剣に 杉並区立中の特別授業
  • 杉並区立中の進学塾連携授業スタート 成績上位者対象

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  • フルスイング | NHK 土曜ドラマ

    2008年01月23日 | 記事
    フルスイン 先週の土曜日(2008年1月19日)からはじまったNHKの新ドラマ「フルスイング」。毎週土曜日にNHK総合テレビ(21:00~21:58)とBSハイビジョン(18:00~18:58)で放送される予定(全6回)のドラマです。公式ホームページはこちら。主演は高橋克実。「トリビアの泉」や「爆笑レッドカーペット」などのバラエティ番組でよく見かけるエンターテイナーです。「ショムニ」にも出演なさっていましたね。
     このドラマはプロ野球の名コーチから高校教師に転身した高畠導宏《たかばたけ みちひろ》という人物の実話。岡山県岡山市出身ということでドラマの中でもたびたび岡山弁らしきもの(岡山弁がどのような言葉かはよくは知りませんが)が聞こえてきます。すでに第一話は放送されてしまったので見逃した方は残念。第一話を見て結構面白いなと私は感じました。58歳にして教育実習に行くというあたりからすでに常人ではないことが分かりますが、これを見ながら自分の教育実習のときのことをすこし思い出している自分がいました。ドラマは見る人によってさまざまな見方があるということです。教育実習期間のたった数週間の中で生徒全員の顔と名前をすべて覚えようとする元気や余裕は僕には無かったなと懐《なつ》かしみました。
     第一話には重要なセリフが登場しました。次のやり取りに注目をしましょう。
     
     高林導宏:コーチ時代、コーチの仕事は教えんこと。それがわしの信念でした。
     時任あや:コーチなのに、教えないんですか。
     高林導宏:無理やり教えても、選手がかわいそうじゃ。選手が苦しんで、悩んで、「高さん、指導してください」言うてくるまで待つ。大きな耳、小さな口、優しい目で待つんですわ。
     
     なんとすばらしい言葉でしょうか。私は感動しました。指導者とは指導する者と書きますが、指導の中には「教えない」という指導もあるのですね。一つの大切な視点だと思います。いかに「教える」かを考えるということはいかに「教えない」かを考えることに通ずるような気がします。
     
      大きな耳 小さな口 優しい目
     
     内容的にも面白そうなドラマです。私のオススメドラマです。ついでに言えば、「斉藤さん」と「エジソンの母」も面白いと思います。よく私が見るドラマです。

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    書籍:甲子園への遺言―伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯
    著者:門田 隆将
    出版社:講談社
    発売日:2005/6/29
    ページ数:311頁
    定価:¥ 1,785 (税込)


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    親の希望は「バイリンガル」!――英国の子ども、幼少期から外国語学習

    2008年01月22日 | 記事
    1/21 親の希望は「バイリンガル」!――英国の子ども、幼少期から外国語学習

    外国語の学習は子どもの教育で必要不可欠なものと考える親は全体の70%を占め、子どもをバイリンガルにしようと、5歳の誕生日までに外国語を学ばせる親が多いことが調査の結果明らかになった。

    子供向けTVチャンネル「Cartoonito」が行った調査によると、子どもが生後18ヵ月の頃から新しい言語を教えるという親は全体のほぼ半数、子どもが英語の基本を習得したらすぐに第2言語を学ばせるという親は全体の3分の1に達したことが分かったという。

    ブルネル大学の児童発達心理の専門家は、「第2言語学習から得られる利益は大きい」とし、就学年齢以前の子どもは特に言語習得能力が高いため、外国語学習は早期に始めるほどよいとコメントしているとされる。

    英国の学校で子どもたちが話す言語は61ヵ国語にも及び、12歳以下の子どもたちに提供されている外国語の授業も35ヵ国語。また5歳以下では、全体のほぼ3分の1の子どもたちが20ヵ国語以上の言語を話しているという。

    同調査ではさらに、最も人気のある外国語はフランス語で、これにスペイン語、ドイツ語、イタリア語が続くほか、子どもに第2言語を学ばせる親が最も多い地域はイングランド南東部、逆に少ないのは北アイルランドであることも報告された。


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    説明と納得|既知から未知へ

    2008年01月17日 | 記事
     先日、僕が授業の空き時間に職員室で休んでいると保健室から電話がかかってきました。対応したのは他の教員でしたがなにやら英語教員を呼んで欲しいとのこと。その時、職員室にいた英語教員は僕だけでしたので、僕が保健室まで駆けつけることになったのです。
     外国から来た生徒が怪我でもしたのかなと思ったりしながら保健室まで急ぎました。でも、ついてみるとそこにいたのはちょくちょく職員室に顔を見せる生徒と教員、それから保健室の先生。僕が「何ですか?」というとこう尋ねて気ました。
     「アイデンティティって何ですか」
     どうやら保健室にいたその生徒がアイデンティティとは何かについて聞いたらしいのですね。しかし、この言葉って時々耳にすることはあっても説明するのは難しいらしく、英語教師を呼んでその意味を確かめることにしたのだそうです。一応の英語教師として説明することを試みましたが、今になって考えてみるとあの説明では全くダメだなという思いになっています。その時行った説明は大体次の通りです。
     まずは辞書にあるだろう日本語の意味を挙げました。
     「辞書では『存在証明』とか『自己同一性』なんていう日本語が当てられていますよ」
     そう言えば、国立国語研究所の「外来語言い換え提案」にも「アイデンティティ」が載っていたなということを思い出して得意げに次のようにも説明しました。
     「アイデンティティっていうのは日本語にはしにくい言葉なんですよね」
     その後はアイデンティティを動詞化してやると次のような命令文ができることを言いました。
     「アイデンティファイ ユアセルフ(Identify yourself.)と言われれば、自分の学籍番号やら所属している何がしやらを言わないといけないんだよ。アイデンティティっていうのは自分がそこにいるということ、自分の存在を証明するということだからね。自分がどんな人間なのかを言うんですよ」
     分かったようで分からない説明です。このように調子に乗っていると次のような質問に切り返せなくなります。
     「じゃあ、自分の性格なんかもそれに含まれるの?」
     もちろん含まれるでしょうが、例えば何か発言を求められたときに自分の所属や学籍番号などを言って発言しますが、自分の性格などを言って発言するというようなことはなかなかないことです。そう考えると、なるほど「アイデンティティ」ということばは自分のものになっていないなぁと感じてしまったわけです。そうか、考えてみると私は英語の世界でも日本語の世界でも実生活に「アイデンティティ」や「アイデンティファイ」なる言葉を使ったことが無いことに気づきました。
     しかし、今になって考えてみるともう少しよい説明があったことに気づきます。それは説明しようとしたからダメなのであって、納得させようとすればよかったというお話です。相手を納得させるにはどうするか。それは相手がすでに知っている情報にくっつけてやるのが一番です。アイデンティティで言えば、生徒はすでにIDカードを知っていますし、UFOも知っています。IDカードのIがIdentityのIであることを伝えたり、UFOがUnidentified Flying Objectの頭文字をとったものであることを伝えたりすれば納得につながったのではないかと思ったわけです。未確認飛行物体のことをUFOというわけですが、アイデンティティとは確認できるものを指すのだというわけです。
     最初の説明のいけなかったところはIdentityを「単体」で、しかも「説明」しようとしたところにあるともいえるかもしれません。なんでもそうですが、それだけを取り出して示すとの、既知情報とくっつけてやるのでは後者のほうが効率が言いに決まっていますし、そこには既知情報と新情報が結びつく嬉しさや感動が含まれています。ものの1分ほどの出来事でしたが、私にとっては大切な経験となりました。相手の求めているのは「説明」ではなく「納得」であること。鍵は既知から未知につなげること。授業に活かしていければと思います。

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    ALTと生徒:生徒の新たなる一面

    2008年01月16日 | 記事
     私の勤める学校は最近流行っている前後期制(2学期制)を採用しています。前後期制の利点についてあまり勉強はしていませんが、私の学校では次のように説明しています。

    ① 各学期がこれまでより長くなることで、「ゆとり」の中で学習や学校行事に取り組むことができます。
    ② 7月や12月などの時期に行事を計画することができるようになります。
    ③ 長期休業(夏休み、冬休み)が学期の途中にあることで、それまでの取組を振り返り、課題を重点的に克服することができます。
    ④ 長い学習期間になることで、授業時数の少ない教科(例:技術家庭科)や「総合的な学習」でより確かな評価ができるようになります。


     通知表渡しが年2回になることや、定期テストが年4回になることなども大きな特徴でしょうか。しかし、おかしなものでALTの来校は3学期制が基準となっているようです。私の学校では今月からALTがきてくれるようになりました。1学期(4月~7月)、2学期(9月~12月)はALTは不在で、3学期(1月~3月)のみ来てもらえるそうです。
     ALTが授業に参加すると変化が見られる生徒がいました。その変化は一時的なものかもしれませんが、これまで授業に参加しなかったような生徒が参加する姿を見せてくれたのです。

    I didn't sleep at all yesterday. So I'm sleepy now.
    My favorite singer is Kiss.
    I like soccer. I belong to soccer club. My favorite soccer team is England. I like Beckham the best.


     このような英語を作ってALTに話しかけようとする。ほとんどは教師に日本語を持ってきて、それを英語にしてくれと頼んでくるわけですが、そこには伝えようとする意志がある。「英会話!英会話!」などと言って喜んでいましたが、生徒の新たな一面を見ました。“My favorite singer is Kiss. Please kiss me.”などとやってALTを困らせる場面もありましたが、好奇心は最も大切なものだと思います。ALTとのやり取りは生徒にとっては日本語の世界では言えないようなことが言える経験ですし、日本語の世界では言えて当たり前のこと(例えば自分の名前や好きなものなどを言うこと)でも英語で言ってALTに理解してもらうという経験は感動につながるものです。感動こそが人を動かすとは誰かが言ったことですが、英語って面白いという思いがこういう場面で芽生える生徒もいるのだと感じました。

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    成人に本を!

    2008年01月14日 | 記事
     今日は成人の日。全国各地で成人式が執り行われました。沖縄のどこかの式で新成人数人が逮捕されるような事態が発生したというニュースを耳にしましたが、他のところではキチンとできたのでしょうか。私は数年前に成人になったわけですが、あっという間にここまできたなというのが感想です。今日は妹の成人式を見に行きました。わが市の成人式は静粛にすべきところは静粛にという感じでキチンと行われました。サプライズゲストとしてNON STYLEという漫才コンビとベビースターという漫才コンビが来ました。一気に会場の雰囲気を変える元気さは流石《さすが》は芸人だなと思いました。
     ところで今日の中国新聞を読んでいてすぐに目についたのに「漱石って日本語?」という記事です。「漢字の底力」シリーズの第一回目です。記事の内容は最近の若者は「漢字が多すぎる」という理由で夏目漱石や森鴎外などの文章が読めなくなっているというものです。読まないのではなく、読めないのだというということが、一ヶ月に一冊も本を読まない不読者が15歳以上の男女のほぼ半数に渡るという中国新聞の世論調査結果につながっているのだという指摘がなされていました。
     「たかじんのそこまで言って委員会」という番組がありますが、その中で評論家の宮崎哲弥氏が「新書完全読破」を宣言されていましたが、一般人にそこまでの力は無いにしても月に一冊も本を読まないというのは記事が伝えるような憂いも当然かもしれません。
     私も本は苦手なほうですが、読まなきゃいけないなとは思っています。そんなとき活用するのが「青空文庫」。
     

     
     夏目漱石も森鴎外も入っています。振り仮名もふってあって私のように漢字が苦手でも読めるようにはなっています。すべて無料ですからなおさら良い。宮崎氏のように出る新書すべてを読もうという元気はありませんが、少しずつ読むのも良いでしょう。それにしても新書と言うのは年間に何冊くらい出るものなのでしょうか。思いつくだけでも、岩波、講談社、新潮社、集英社、中央公論、PHP、文藝春秋などいろいろありますから、それらを全部読もうというのは私には大金をいくらつまれても成し遂げられる業ではありません。すごいな~と思います。ホントに。

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    世界ウルルン滞在記|一期一会で終われない!再開スペシャル

    2008年01月14日 | 記事
     大体、テレビを見るとき私は録画したものを見ます。その方がCMなどがスキップできて何かと便利だと感じるのです。1月13日放送の「世界ウルルン滞在記|一期一会で終われない!再開スペシャル」も録画したものを見ました。ウルルンの再開スペシャルは面白いのでよく見るのですが、今回の綱渡りをする韓国人男性との再会は韓国での英語熱を匂わせる場面があって興味深かったのでここに報告させていただきます。
     僕の注目した番組内容を紹介するためにウルルンのホームページに載せてある文章を掲げます。

    直径3cmの綱の上で43の技と漫談を掛け合わせながら行うチュルタギは、「空で遊び、空で舞う漫才師」と呼ばれ、1300年もの歴史があります。その正統な唯一の後継者キム・デギュンさん(当時38歳)は、6年前に史上最年少で韓国の人間国宝(重要無形文化財)に選ばれたほどの技を持つ人です。

    2005年3月、そのキムさんの元に向かったのは、俳優・西興一朗さん(28歳)。学生時代にはJリーグにも誘われたほど運動神経は抜群で自信があったのですが…。西さんがまず教わったのは、「綱の上を歩くこと」。しかし、2日間一度も成功することが出来ず、スランプに陥りますが、キムさんが手渡してくれた扇子を使ってバランスが取れるようになってからは、一度も落ちずに50往復を成功させることができました。その後、4つの技を成功させた西さんですが、「また割り」という大技だけ、どうしても成功することができませんでした。西さんのホームステイ先はキムさん宅。一人息子のミンジェ君(当時11歳)はチュルタギにあまり興味がなかったのですが、西さんの必死な練習に触発され、一緒に練習を始めるようになりました。

    あれから2年9ヶ月…。再び、西さんが韓国を訪ねます。そこには、衝撃の事実が待ち受けていました。


     「衝撃の事実」とありますが、それはおそらくは一人息子のミンジェ君がアメリカに行っているということを指しているのでしょう。キム・デギュンさんの発言に次のようにあります。

    キム:お母さんとミンジェはアメリカで暮らしているんだ


     続けて次のようなナレーションが入れられていました。

    ナレーション:ミンジェ君は一年前からアメリカに留学していた。韓国では今、小学生から留学する子供が増えている。社会現象にもなっているのだ。お父さんも4ヶ月間会っていないという。


     続けてキム・デギュンさんの発言です。

    キム:来月から私もアメリカで暮らすんだ。向こうでチュルタギの公演をやってみようと思っている。


     番組ではこの後、キムさんと西興さんがアメリカに行って、ミンジェ君と再会したり、チュルタギの公演をしたりするわけです。再開するときにミンジェ君を驚かせたり、キムさんと西興さんのひとつのお決まりとなっている「股割り」などを行うシーンに視聴者は喜ぶわけですが、私が注目したのはもちろん彼らと英語との関係です。お父さんを韓国に置いて、子供とその母がアメリカに渡る。アメリカに行く理由は子供に英語力をつけるためです。私は以前こういたった現象が「キロギ・アッパ」と呼ばれていることを紹介しました(「英語熱の行方」)。韓国語では「キロギ」は「雁(ガン)」を意味し、「アッパ」は「父」を意味するのだといいます。渡り鳥のようにアメリカにいる家族と韓国の間を往復することに由来している名前です。あのウルルンに現在の韓国の英語熱を象徴するような話題が登場するとは思っていなかったので少し驚きましたが、韓国の英語熱の盛り上がり様を改めて認識させられました。韓国の英語熱を代表するような話題を挙げてみるとどうなるでしょうか。

  • キロギ・アッパ
  • 舌を切る子供
  • 英語村

     このほかにも何かあるでしょうか。小学校英語の問題はすでに何年も前に解決済みですから、他には例えば『英語完全征服』など英語関連の映画があることですかね。
     ウルルンを見ながら英語についてかんなが得させられるとは思ってもみませんでしたね。


    [関連記事]
  • 「英語村について」(2007年09月03日)
  • 「英語熱の行方」(2007年02月18日)
  • 「アジアの英語教育」

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  • “Today You're Mine”|日本たばこのCM

    2008年01月12日 | 記事
     「あなたが気づけばマナーは変わる。」というCMで世間の目を引きつけている日本たばこ
     「携帯灰皿という、新しいマナーが、広がっています。マナーを、携帯しよう。あなたが気づけば、マナーは変わる」というナレーションが入ったCMですが、それより何より私たちの注意をひきつけるのは挿入曲です。まずはYouTubeからそのCMを見てみましょう。
     


     
     インターネットで検索をしてみるとこのCMの挿入曲はJanis Ian(ジャニス・イアン)の“Today You're Mine”であるということが分かりました。この曲は最近までは発売されていなかったようですが、2007年9月27日にVictor Entertainmentから出た「アルティメイト・ベスト」の中に収められているということです。このCDの副題は“ULTIMATE BEST ~BEST OF JANIS IAN FOR JAPAN~”となっていますから、発売は日本たばこのCMに使われたことがきっかけのようです。
     ところでCMに使われている曲を唄っているジャニス・イアンさんは公式ホームページを持っておられます。その中で何曲か無料ダウンロードできる曲もあるようですから訪れてみるのもいいでしょう。同ホームページではイアンさんの曲の歌詞も公開されていますが、そこには“Today You're Mine”の歌詞は入っていないようでした。ということでネット上で検索をかけて探した結果、“Welcome to the dawn”というブログにその歌詞が載せてあるのを見つけました。その記事は「12/16(日) Today You're Mine」です。CMで使われている箇所とは違うのか、少し異なりますが紹介します。そこに記載されている歌詞は次の通りです。

    No,you're not the first
    Yes,I've had a past
    Completely unrehearsed
    A small supporting cast
    But suddenly I thirst,
    Afraid to drink too first,
    And though I'm not your first,
    I intend to be the last

    Suddenly there's something more
    Then memories and time
    Thought I never know the way before
    Today,you're mine


     歌を使った英語学習の方法は松澤喜好さんの『英語耳』(アスキー、2004)や『英語耳ドリルー』(アスキー、2005)などに詳しいのですが、その方法を簡単にまとめたものは「松澤喜好氏の英語・発音・語彙/英語耳」に記載しています。参考になるかと思います。

     これはShawn Colvinの“Never Saw Blue Like That”という曲です。



     
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    新年のご挨拶と無駄話を一つ

    2008年01月01日 | 記事
     新年明けましておめでとうございます。2008年も皆様にとって良い年となるようお祈り申し上げます。私にとってはどのような一年になるのか今から、楽しみでもあり、不安でもあります。このブログの運営についてはこれまで通り続けていこうと思っています。よろしくお願い申し上げます。

     この話題は2年前の2006年の正月に書いたものですが、なかなか興味深いテーマなので一部加筆修正をして再掲したいと思います。

     新年はじめの話題として、「あけましておめでとうございます」を英語でどのように言うのか取り上げてみたいと思います。日本には年賀状を友人やお世話になった方々、付き合いのある方々に送るという習慣があり、そのときに「あけましておめでとうございます」という風に書く場合が多いと思いますが、最近ではこれを英語を使って書いてある年賀状もよく目にすると思います。そのときによく書いてあるのが次の英語です。

    Happy New Year!

     しかし、よく考えてみるとYearは名詞だからその前にAがいるのではないかという疑問も出てきそうです。そのためかAをつけたものもよく見かけます。

    A Happy New Year!

     郵便局が提供している年賀状を自分で作るための支援ページ「郵便年賀.jp」を見てみると「明けましておめでとう」の英語版にはいろいろな表現があることが分かります。

    Happy New Year!
    A Happy New Year!
    Wishing You A Happy and Prosperous New Year!
    I Wish You A Happy New Year

     どれを使ってもよいのでしょうから、どれが正しいというのはないのかもしれません。どれを書いてもその真意である「めでたさ」や「新年の祝い」というものは伝わりそうですからコミュニケーションという観点から見ると問題はないと思いますが、無駄なことではあってもどれが好ましい表現なのか知りたい気持ちはあると思います。
     このうずうずする気持ちを満足させてくれるだろうことが大津由紀雄氏の『英文法の疑問―恥ずかしくてずっと聞けなかったこと』に書かれています。大津先生はこの問題を調べるのに、次の8つの表現を提示して、カードに書く場合、口頭で挨拶をする場合、それぞれの場合の表現として、どう感じるかについてイギリス人の言語学者をはじめ、数人の英語を母語とする話者に尋ねたそうです。

    (1)Merry Christmas!
    (2)A Merry Christmas!
    (3)Happy New Year!
    (4)A Happy New Year!
    (5)Merry Christmas and a Happy New Year!
    (6)Merry christmas and Happy New Year!
    (7)We wish you Merry Christmas and Happy New Year!
    (8)We wish you a Merry Christmas and a Happy New Year!

    その結果に関しては大津先生の本からの引用をさせてもらいます。

     回答に多少ぶれ(つまり、個人差)はありましたが、だいたいのところは、ほぼ同じ意見でした。

     (1)と(3)は話しことばとしてもカードに印刷された挨拶としてもまったく自然だそうですが、(2)と(4)にはひっかかりがあるといいます。実際、Good morning.などの挨拶表現でも、A good morning.とは言いませんね。
     これに対して、文の形をとった(7)と(8)の場合は、冠詞が使われていない(7)は不自然で、冠詞つきの(8)が自然であるようです。挨拶表現であっても、文の形をとると、通常の文法規則に従わないわけにはいかないのでしょう。
     (5)と(6)は微妙ですが、(5)のほうが自然だとする人が若干多くいました。しかし、(6)もかまわないという人もいます。(6)はMerry ChristmasとHappy New Yearのいずれも冠詞なしで釣り合いがとれています。(5)はその点で釣り合いは悪いのですが、読んだときの口調のよさが聞いているという意見もありました。
    (pp.184-185より)


     もうこれ以上何も補足説明をする必要はありませんね。英語の母語話者がそういっているのだからそうなのでしょう。ここらあたりにも文法が垣間見られるところが非常に興味深いところです。感覚としての文法を見た気がします。

     さて、話は変わりますが、去年を表す漢字は「偽」でした。私自身、振り返ってみると私には「一」という漢字が最もふさわしいかと思います。私の名前にも「一」がついていますが、それはさておき、去年ははじめて学校の教壇に立つ経験をした年でした(教壇は実際にはありませんが…)。一には「はじめ」という意味もありますが、去年私は英語の教え方を一から考えました。授業の仕方を一から学びました。生徒との接し方を一から教えていただきました。大学を卒業して現場に出るようになり、なかなか刺激的な毎日を送ることができたと思います。夜寝るときは次の日の授業のことを考え、気が重くなるような日もありました(ほぼ毎日!)。授業前に緊張しない日はありませんでしたし、授業後はこれでよかったのかと自問自答をしない日はありませんでした。
     学校現場に入っては思い知らされたことはいつが誰かが言っていた「生徒にする」という言葉のリアリティーです。子供たちは中学に入ると「児童」から「生徒」になるわけですが、校門をくぐれば「生徒になる」というわけではないのです。授業中の私語はもちろん、本を読んだり、カードゲームをしたり、飲食をしたり、はたまた立ち歩いたり、教室外へ出たり、授業妨害をしたり…などなどいろいろな問題が現場にはあり英語を教える以前に立ち向かわなければならない現実を実感しました。教師は子供たちを「生徒にする」ために日々たたかっていたのです。職員室では生徒にたいする文句(よく言えば生徒のここを正したいという点)について教員同士で意見交換なされいました。
     学校を離れては、はじめて他大学(広島大学と筑波大学)に行きました。どちらも国立大学でとても広いキャンパスでした。ウォーキングコースなるものが大学構内にあったりして驚きましたし、どちらの大学でも方向音痴の私は道に迷ってしまいました。広島大学の方では特に中学カリスマ英語教師などと呼ばれるすごい先生に直接お目にかかることができたり、著書を通じて存じ上げていた先生にお目にかかることができたりして、とても楽しいときを過ごすことができました。
     また拙ホームページ&ブログも開設から2年が過ぎ、3年目に突入したのも去年でした。去年書いた記事のタイトルは以下の通りです(一部にはニュースが含まれています)。

    2007/12/29 文法の傍流【1】
    2007/12/21 ミセス ミス ミズ
    2007/12/16 指導の私道「There is[are]の導入と指導」
    2007/12/09 「指導の私道」を新設
    2007/12/09 自由にならない英語
    2007/12/08 英語をやる理由って?
    2007/12/05 鈴木孝夫先生を見たい?!
    2007/12/03 田中克彦氏、TV出演
    2007/12/02 『論文捏造』 村松 秀
    2007/12/01 努力できる才能が。
    2007/11/30 メモ帳作成の方法
    2007/11/29 多聴に挑戦!オーディオブックのご紹介
    2007/11/26 自由な選択授業―「トランスレイト」の試み
    2007/11/24 田尻科研シンポ参加のご報告
    2007/11/23 使えない英語
    2007/11/23 世界一美しい言語は?
    2007/11/20 ベルギーの言語対立政治にも影響、空より高い言葉の壁
    2007/11/19 オーディオブックとは
    2007/11/18 ディクテーションの方法
    2007/11/18 たかじんのそこまで言って委員会
    2007/11/17 死ぬ気でやれ!死なないから。
    2007/11/16 壊れる機械―機械はいつかは壊れるんだな。
    2007/11/16 生徒指導と授業―学ぶ主体だって。
    2007/11/13 豪州、移民対象のテストに批判
    2007/11/11 IFの活動
    2007/11/11 「努力のプリント」の公開を再開
    2007/11/03 年賀状を作ろう!
    2007/11/02 電話表現に糸電話
    2007/10/27 スティーブ・ジョブズ氏―Macworld Keynote Address
    2007/10/15 ESSENTIALS OF GRAMMAR | 文法の本質
    2007/10/06 ブログ【『名演説で学ぶアメリカの歴史』 上岡 伸雄】
    2007/09/30 英文の整理【マッカーサー証言を読む】
    2007/09/28 ブログ【中国、大学生に英語履修を義務化へ】
    2007/09/28 ブログ【渡海文科相、教職員増など予算獲得に意欲】
    2009/09/23 ブログ【英語を使った政治家に】
    2007/09/22 ブログ【北京、ソウルで小学生の英語学習熱高まる】
    2007/09/19 ブログ【「英語必修化 教員の負担が重すぎる」】
    2007/09/18 ブログ【精神鑑定をめぐる宮崎・野田論争】
    2007/09/17 ブログ【「一家に1枚宇宙図を」って】
    2007/09/15 ブログ【クローズ・テストについて】
    2007/09/11 ブログ【前倒しではないという小学校英語】
    2007/09/10 ブログ【稲刈り2007】
    2007/09/09 ブログ【世界自殺予防デー】
    2007/09/03 ブログ【英語村について】
    2007/09/02 ブログ【英語の授業数が増える?】
    2007/09/01 ブログ【「誰かに」やってもらう宿題】
    2007/08/31 リーディングプリント【Billy and the Queen】
    2007/08/25 【ブログ【カタカナの王様!万歳!】
    2007/08/19 ブログ【リーディングプリントを公開】
    2007/08/19 どっぷり【2年生用リーディング課題「Animals in Danger」を追加】
    2007/08/17 ブログ【アクセスカウンターを設置】
    2007/08/17 どっぷり【2年生用リーディング課題「A Magic Box」を追加】
    2007/08/15 備忘録【代々木ゼミナールの英語学習支援】
    2007/08/14 備忘録【英語が世界を支配?】
    2007/08/10 備忘録【表現に関する基本的事項】
    2007/08/01 備忘録【あだ名は英語じゃなくタイ語で タイ政府が奨励策】
    2007/08/01 備忘録【エスペラント―異端の言語 [著]田中克彦】
    2007/07/30 ファイル【Reading Time】
    2007/07/29 ブログ【選挙の朝】
    2007/07/26 ブログ【自民党「英語が使える日本人育成」】
    2007/07/25 ブログ【公明党「小学校で英語教育を必修に」】
    2007/07/23 備忘録【接頭辞〔お試し的な作成・公開〕】
    2007/07/23 ブログ【次世代を育てる責任~田尻悟郎氏】
    2007/07/21 備忘録【「英語が使える日本人」の育成のための行動計画】
    2007/07/21 備忘録【語学ビジネス市場に関する調査結果 2007】
    2007/07/19 ブログ【雑記〔2007.07.18〕】
    2007/07/18 ブログ【義家氏(ヤンキー先生)を生で見ちゃった!】
    2007/07/17 ブログ【百ますを英語に】
    2007/07/16 備忘録【アルファベット 筆記体の練習】
    2007/07/16 ブログ【藤原正彦、小学校英語を語る】
    2007/07/15 ブログ【〔プロフェッショナル 仕事の流儀〕】
    2007/07/14 ブログ【非常勤講師!2ヶ月が経過!】
    2007/07/01 英語の教材作成
    2007/06/30 The Beatles - Hello Goodbye
    2007/06/30 言語事件簿
    2007/06/30 英語学習の方法について
    2007/06/30 日本人はなぜ英語を学ぶのか(資料)
    2007/06/30 小学校での英語必修化問題
    2007/05/26 ブログ【広島市の小学校英語に注目】
    2007/04/28 藤原正彦氏「小学校英語教育反対」
    2007/04/16 備忘録【印刷設定時に入力すると便利な記号(ヘッダーとフッター用)】
    2007/03/31 「私の日常」を開始(読者は限定)
    2007/03/16 ブログ【英語の学習方法について】
    2007/03/03 備忘録【This is a pen.への弁明】
    2007/02/26 ブログ【杉村太蔵氏の小学校英語論にケチをつける!(2/2)】
    2007/02/26 ブログ【杉村太蔵氏の小学校英語論にケチをつける!(1/2)】
    2007/02/24 備忘録【ピアジェ(J. Piaget)の認知発達段階論】
    2007/02/23 備忘録【イマージョンプログラムのタイプ】
    2007/02/22 ブログ【Don't mind.は新英語?】
    2007/02/20 ブログ【英語の時代:日本人英語】
    2007/02/19 ブログ【R-1ぐらんぷり2007】
    2007/02/18 ブログ【英語熱の行方】
    2007/02/16 ブログ【英語学力をどのように保障しているのか】
    2007/02/15 ブログ【『国語教科書の思想』 石原千秋】
    2007/02/14 ブログ【『外国語で発想するための日本語レッスン』 三森ゆりか】
    2007/02/12 ブログ【米国単独ライブ大成功の「なかやまきんに君」:ボンバー!?】
    2007/02/12 備忘録【Charlie Chaplinの「独裁者」】
    2007/02/12 備忘録【Martin Luther King Jr - I have a dream speech - Aug 28 1963】
    2007/02/11 備忘録【息抜きとしての会話】
    2007/02/10 ブログ【「偶有性/ぐうゆうせい」】
    2007/02/09 ブログ【英会話がしたい!】
    2007/02/08 ブログ【最近見た映画】
    2007/02/07 ブログ【『英語にとって授業とは何か』 寺島隆吉】
    2007/02/06 ブログ【『15(フィフティーン)』 中嶋洋一, 大津由紀雄, 佐藤礼恵, 幸若晴子, 柳瀬陽介】
    2007/02/05 ブログ【韓国の英語熱:海外逃亡!】
    2007/02/04 ブログ【『なぜあなたは英語が話せないのか』 東後勝明】
    2007/02/03 ブログ【『世界の言語を楽しく学ぶ』 井上孝夫】
    2007/01/31 ブログ【『語学の脳みそ―11ヵ月で4ヵ国語をマスターした僕の語学のツボ』 矢部 太郎】
    2007/01/30 ファイル【語源カード(接頭辞編)】
    2007/01/29 ファイル【アメリカ英語とイギリス英語の語彙】
    2007/01/28 ブログ【“Why Is English Like That?” Schmitt & Marsden】
    2007/01/27 ブログ【『日本の英語教育200年』 伊村元道】
    2007/01/27 ブログ【『英語を学べばバカになる グローバル思考という妄想』 薬師院仁志】
    2007/01/25 ブログ【教育再生会議の第一次報告】
    2007/01/23 ブログ【「英語は選択に」 グレゴリー・クラーク】
    2007/01/22 ブログ【『言語を生み出す本能』 スティーブン・ピンカー】
    2007/01/20 ブログ【『絶対音感』 最相葉月】
    2007/01/17 ブログ【「語源を利用して効果を上げる」 竹岡広信】
    2007/01/17 ブログ【『これが正しい!英語学習法』 斎藤兆史】
    2007/01/17 ファイル【オーストラリアの言語事件】を公開
    2007/01/12 ブログ【努力のプリント】
    2007/01/07 ブログ【「英米か!」というツッコミを。】

     私がいま興味を持っているのは新年早々すこし重たい話題かもしれませんが「ミセス ミス ミズ」で触れたような男女の間にある不条理な差をなくすための運動です。私はこれに反対したい。芸人などがどう対処してよいか分からないような話題の振られ方をしたときに「無茶振りやん!」と言いますが、私には「ミズ」などという汚い音は「無茶振り」の一種だと思われるのです。
     今、私はスペースワールドの近くのホテルに泊まっていてこの記事を書いています(スペースワールドで遊ぶ計画でしたが、ジェットコースターの故障で数名が怪我をされたようなのでスペースワールドはキャンセルしました←残念)。そこでの話をチョット。私が泊まっているホテルには大浴場があり、私も入ったのですが、突然、「お風呂のおばちゃん」が入ってきました。お掃除おばちゃんではなくバケツ直しおばちゃんです。身体を洗うのに使うバケツ(桶)をイスの上にきちんと直すおばちゃんです。髪や体を洗うところが7つくらいあり、私は一番はしっこに座ったのですが、そのおばちゃんは一番奥のほうからわたしのほうに向かってバケツの位置を整えはじめたのです。お風呂ですから、もちろん私は裸。一つ一つバケツを丁寧に直し、いよいよ私の隣までやってきました。私が顔をやると、おばちゃんはニコッと笑って何もなかったかのように向かい側のほうを直しに行きました。これは男子風呂におばちゃんという組み合わせだったために許されることで、逆に、女子風呂にオッサンだったら大問題になるんだろうなと思いながら、身体を洗い、お風呂の水につかりました。私はおばちゃんに素っ裸を見られちゃったわけですが、私はこれはこれでよいのだと思うのです。男と女の扱われ方を同じにしようと言って、おばちゃんを追い出す必要性を感じないのですね。おばちゃんにジロジロと見られたら少し困ってしまいますが、常識の範囲内であれば全然OKだと思うのです。若い女性におばちゃん役をされたら私も少し恥ずかしいかもしれませんが、おばちゃんも「自分が少々見たって男の人がどうこういうことはない」と了解し、男のほうも「おばちゃんに見られるくらいなんともない」と思っている。それならそれでよいと思うのです。逆にこういう光景は私などにとっては心の豊かさを意識できるものとなっており、良き習慣であるとさえ言ってもいいくらいだと思うのですが。
     「ミセス ミス ミズ」の問題もこれと同じように考えればよいのではないでしょうか。「ミセス、ミス」をやめて「ミズ」にするという発想はおばちゃんにおじちゃんの格好をさせるようなものではないかという…ことでしょう。話は少し変わりますが、名前の問題もそうです。中国に行けば「ヤマダ」さんは「シャン ティェン」さんになるわけですが、これは中国人が山田さんを「ヤマダ」さんと呼びたくないわけではなくて、中国語はこういうものなのだと思えばよいのではないでしょうか。自分の名前をローマ字にしたとき、[名+姓]にするか[姓+名]するかという問題があり、ある人は日本語で「姓+名」で呼ぶのだからローマ字でも「姓+名」でよいというわけですが、英語という言語の構造が日本語の構造を鏡に映したようなものだとすれば、名前の問題は英語の世界への入り口だと見れなくもない。目くじらを立てて[姓+名]にこだわる必要もないわけです。
     話がまとまりませんが、この話題も含めていろいろな話題を今年も取り上げていければと思います。

    I wish you a happy new year!

    今年もよろしくお願いします。

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