トルコから石灰棚を眺めながら生活する日記

ラム子のロカンタ(日本食食堂)、
ゴールデンレトリバーとカンガル犬との日常を綴っていました。

日本に完全帰国しないワケ

2017-10-27 21:31:23 | 日記
今日のパムッカレ


ブログにも度々書いているけれど、
改めて、日本に完全帰国しないワケを記すことにした。
備忘録も兼ねて。

先ず、
●ケントがいること。
老犬ケントを飛行機に乗せたくない、半野良生活のケントが
日本でトルコと同様の生活が出来ないから。

●食堂があること。
私のすべて(資金も含めて)がここにあるので、
簡単に手放せない。

●日本で財産があるわけでもないし、
年齢、持病があるので、日本で定職に就ける自信がない。
トルコでの自営業は不安定ながらも
自由が利くから。

●日本に帰っても悲しみが癒えるわけでもないし、
しばらく夫との思い出に浸りたい。

以前に、子供がいるわけでもないのに、
どうして、ここで頑張るの?と聞かれた。

子供いますよ!!ケントが息子よ、だから頑張るのよ!

あとね、配偶者が亡くなると、しかもその配偶者名義のものが
たくさんあると、膨大な手続きをしないといけない。
だから、逃げたくても逃げられないんよ。

これ、死別しなきゃわからないこと。
私だって、初めてよ。
こんなに煩雑だと思わなかったもの。

お墓も土葬から1年経ったのを機に
大理石などで、建立しないといけないし、
一周忌法事もある。

同じことを書くけど、
子供がいたら、少しはマシ。
いないと、かなり面倒です。
(人間の)子なし夫婦は要注意です。

↑後から読み返して、子供がいたら少しはマシ
という、言い方、悪いですね。
不愉快な思いをされた方、お許しください。

一家の大黒柱を失って、子供を抱えての生活を
余儀なくされるわけですから。
その将来への不安、心細さといったら、言葉には出来ないくらいのはずです。

ただ、私が声を大にして言いたいのは、
子供がいない、授からなかったために、
夫との二人だけの老後を考え、頑張って働いて来たのに、
子供がいないという理由だけで、
妻の相続分が、(トルコでは)半分に
なってしまうのです。

夫名義の預金さえ、妻が引き出すことさえ出来ない。
夫名義の法廷相続人が子供がいないために、
妻、義父母の3人なので、3人のサインが必要。
しかも、公証役場まで出向かなきゃいけない。
夫の両親は80過ぎで足が不自由なために、
二人とも車椅子が必要。

昨日まで元気だった人が突然に!
まさかのまさかの青天の霹靂は
突如やってくるのです。

そうそう、トルコでの居住許可証も
家族ビザから、ただの居住ビザになるから、
最長で1年になったしもうた。

なんだか、蚊帳の外に出された気分だ。

もう私を支えてくれていた夫はいない。
いつか必ずやってくるケントと
日本の両親との別れ。
夫がいれば、耐えられると
信じていたのに、肝心の夫が先に逝ってしまった。

独身時代は独り暮らしもしていたし、
別に一人は苦じゃなかった。

でも、今は独りが寂しい。
ケントがいるから、まだ耐えられるけど、
いなくなったことを考えると恐ろしいな。

夫と出会って、私は自分らしくいられる場所が
見つかった。居心地がよかった。
肩を張らず、他人の目なんて気にすることなく
生きることが出来た。

夫をケントのように大切に大切にしてこなかった
報いがいま来ている。

大切なものは、失って初めてわかると
身に沁みている。

自業自得という言葉が今の私に当てはまっている。