arudenteな米

食と映画感想とその他もろもろ個人の趣味と主張のだらだら日記

ディセント(原題)

2006年02月08日 | 映画
『ドッグソルジャー』の監督の作品ですが…

ディセント(THE DESCENT)
2005年英(2006年日公開予定)

監督 ニール・マーシャル
出演 ショーナ・マクドナルド

≪ストーリー≫
最愛の夫ポールと娘のジェシカは妻サラと3人で帰宅途中にトラックと衝突。
娘と夫は帰らぬ人となってしまった。
サラは深い悲しみで、喪失の日々を送っていた。
事故から1年後、そんなサラを元気付けようと、ベスを初めとした友人ジュノ、レベッカ、サム、ホリーの5人がが彼女をアメリカのアパラチア山脈、シャトーガ国立公園のロッジに彼女を誘った。
友人との楽しい一時に、心癒される思いのサラであった。
冒険好きの彼女達は、ガイドブックに載っている洞窟を探検しようと、重装備でその洞窟探検に挑むことにした。
洞窟入り口は広大な空間だったがそこから先は体ひとつがやっと通り抜けられるほどの狭さの穴を行くしかなかった。
そして、その狭い穴は、無理に通り抜けようとした為に、落石によって崩れてしまった。
もう、後ろには引き返せない!
彼女達が生きて生還するには、別の出口を探すしかないのだ。
そして、ガイドブックに載っていると思われたこの洞窟は、ジュノが冒険心から嘘をついたもので、名もない未知の洞窟であった…

『ドックソルジャー』は低予算ながらなかなかの秀作だった。
今回も予算は使いどころが上手く、狭い洞窟の中で息苦しくなるような絵作りはいい。
しかし中盤・後半に入ってからの要素が生きていないのが残念。
その部分の設定が本当に必要だったのか?観終わった後で疑問が残ってしまった。

ネタバレ混じる感想は下に







疑問に思う最初の部分は女友達同士の洞窟サバイバルから謎の食人鬼が現れてから。
そこから食人鬼と彼女達の生き残り物語で進むと思っていたのだがラストでこの食人鬼達がいなくても話が作れる展開になってしまうところが非常に残念。

これは食人鬼の設定がとっぴなのでなく物語が何を軸に動いているかわからないのが弱点。
サラと彼女を心配しすぎる友人が離れ離れになり、友人が食人鬼に襲われた時に誤って友人を殺してしまうのだが実は生きていてサラがその傷ついた友人を発見したときに彼女が傷つけ見捨てたと思いこみ彼女を最後に見捨てる。

途中、サラの精神が安定しない描写も多くそのサラを友人たちが気を使いすぎて彼女を逆に傷つける描写もあるのだがそれなら逆に食人鬼自体がサラの妄想のような演出にして誰が彼女達を殺していくのかわからない展開にしたほうがラストの幻覚と繋がり面白かったのではないだろうか?
もしくはもう少しすれ違いや友人の気遣いが重荷になるような場面があればまた違ったかもしれない。
ラストのバースデーケーキを挟んで幻覚の娘と向かい合うサラの絵が印象的なので余計に残念。

食人鬼のデザインはアルビノ系のクリーチャーでうようよ出てくる部分や発煙筒(赤)、ライト(黄)、赤外線ビデオの画像(緑)と暗闇を短調にしない工夫もよかった。
ショッキングシーンも下品にならない範囲で見せており作りは丁重だった。

洞窟に棲む食人鬼の一族の設定がとっぴでないというのは監督が英国人なので自分はそう思った。
英国には昔(1300年代)から洞窟に棲むビーン一家の話があり海岸の洞窟に棲む盗賊一家で旅行者を襲い、人肉を海水で塩漬けにして食事にしていた犯罪者の話がある。
ビーン一族はあるとき旅行者を逃がしてグラスゴーの役所び通報されそこの王は400人の兵士と犬を派遣して洞窟を探索、その洞窟にいた一族の長、ソニー・ビーンと家族47人は捕らえられエジンバラの町で裁判抜きで一族全員処刑されたという。

英国の人ならもしかしたら伝承レベルで「洞窟に人食い」ってのは子供の頃から刷り込まれているのかもしれない。


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2 コメント

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どちらに重みを置くか・・・ (0120 Blog)
2006-09-04 09:19:21
こんにちは。



ずいぶん早い時点でご覧になられたんですね。

私はギリギリでした(笑)。



私はチラチラ見える彼女たちの水面下のやり取りが半端な気がして、不要かな?と思ったんですが、arudenteな米さんの感想を読むと、もう少し焦点の合わせ方を考えていれば不要とも言い切れない気がして来ました・・・。arudenteな米さんの考え方の方が良いですね。
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よくばりだった気が (arudenteな米)
2006-09-04 23:33:07
・ 0120 Blog 様



実はDVD鑑賞です



正直、欲張りすぎたかな?ってのが感想でした。

どちらか(モンスターか愛憎)に焦点を合わせてそれを盛り上げるように作れば結構な作品になった気がします。



怪物ホラー、人間関係、どちらのテーマもそこそこ良く作られていたので余計に組み合わせが浮いちゃったというか。

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