arudenteな米

食と映画感想とその他もろもろ個人の趣味と主張のだらだら日記

ザ・チャイルド

2006年03月23日 | 映画
理由も理屈も無く子供に襲われる映画

ザ・チャイルド(WHO CAN KILL A CHILD?)
1976年 スペイン

監督 ナルシソ・イパニエス・セラドール
出演 ルイス・フィアンダー 

あらすじとしては妊娠中の妻を連れてある島にやってきた生物学者がその島に大人がいない事に気がついた。 ホテルに隠れていた男を見つけ話を聞くとある日を境に子供達が一斉に大人を襲い始めた…

というホラーなのだが何故?どうして?の説明は一切無い。
『とうもろこし畑の子供達』のように邪教でも『光る眼』のような宇宙関連の話でもない。
ある意味ヒッチコックの『鳥』の子供版という見方もできるが無邪気な子供達が刃物や鍬を持ってニコニコと大人を襲ってくる絵は非常に怖い。
なにしろ子供なら赤子でさえ牙をむく設定だったから邪気の無い笑顔が余計に怖くなる。

今の映画だと殺される前に殺せとばかりに子供を殺す話になるところだが当時は世間一般が子供は殺せない世の中だったので子供には手出しできないシチュエーションが怖さを倍増していた。今だと通用しない設定というのが逆に今の方が世の中怖いのだが。

余計な事かもしれないが表現が本当に怖く、子供大勢に袋叩きにされる老人とかまったく悪びれないどころかニコニコしている子供の邪気のなさで当時の映画に多かった血しぶきやグロ描写がなく演出だけで怖がらせて更に希望の無いバッドエンドな展開なので本当にいやなものを見た気分にはなれる。


記憶では昔、週刊少年チャンピオンかなにかで洋画の再現漫画を定期的に載せていて『テンタクル』や『ジョーズ』(『オルカ』だったかも?)そしてこの『ザ・チャイルド』を読んだ気がする。
短いページだったが映画を上手くまとめていて名場面を上手く取りこんだ怖い漫画だった。

メディアミックスのはしりという事だろうか?
昔は少年漫画誌でこぞって洋画を特集していて自分が『バーニング』なんかの絶叫保険や全米○○州で上映禁止なんかを素直に信じていた時代だったし。

まぁ近年でも『バトルロワイヤル』とか『電車男』が漫画化されていたから昔からあまり変わっていないのかもしれない。

書いているうちに思い出したが月刊少年マガジンの方で大林宣彦の『HOUSE/ハウス』を漫画化していて絵を書いていたのが三浦みつる、『THE かぼちゃワイン』の作者だったし、どこの雑誌だか定かでないが007の漫画は『ゴルゴ13』のさいとうたかを、『ダーティーハリー』は『ゲームセンターあらし』のすがやみつるだった気がする。

そういえば少女漫画でJETの『獄門島』とかもあったなぁ。アレは小説の漫画化だったのだろうか映画の漫画化だったのだろうか?



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2 コメント

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おぞけ (emela)
2006-03-24 00:19:21
この映画見てからというものずっと、

『世間は”ザ・チャイルド”』って認識で来てます。

無邪気な笑顔に騙されちゃいけない!!って警戒してます。

すごい影響です。



なんかスパニッシュホラーって救いが無い作品が多い気がしますが、おしなべて印象が強く、嫌いじゃないです。

でもこの映画は強烈に不愉快だったなぁ。
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後味 (arudenteな米)
2006-03-24 17:52:21
・ emela 様



子供が人を襲うものは映画。小説と多いのですが今だと現実のままなんで逆に感慨が薄いですねぇ…

寂しい世の中です。



この映画は特にラスト付近が嫌
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