arudenteな米

食と映画感想とその他もろもろ個人の趣味と主張のだらだら日記

オスカー・ワイルドのカンタベリー城と秘密の扉

2006年03月15日 | 映画
こんな話だったかなぁ…?

オスカー・ワイルドのカンタベリー城と秘密の扉
(DAS GESPENST VON CANTERVILLE)

2005年 (独)

原作 オスカー・ワイルド

監督 脚本 イザベル・クレーフェルト

出演 アンドレアス・シュミット

≪ストーリー≫
10才の内気な少年ポールは、内気過ぎて家族の厄介者扱い。なんとか彼を社交的にしたい家族、不動産業の父、家族を見ない夫と喧嘩ばかりの母、部屋にこもって音楽ばかり聞いている姉の一家4人でスコットランドの古城へ旅行にに出かけた。しかしその古城には、古からその城に住む幽霊、サイモン・カンタベリー卿が待ち構えていたのである。カンタベリー卿に恐れをなしながらも、次第に仲良くなっていったポールは、卿からある秘密を打ち明けられたのだが…

観るまでタイトルが全然結びつかなかったのですがオスカー・ワイルドの童話「カンタヴェルの幽霊」を映画化した作品でした。とはいってもTVMだそうですが…
ファンタジーとしては手堅くまとまってますがこの原作でなくてもまったくわからないと思います。 敬意を払ったのか利用したのかの判断が微妙です。

ネタバレ含む感想は下に








オスカー・ワイルドはイギリスとアイルランドで活躍した作家で「サロメ」「ウィンダミア夫人の扇」「ドリアン・グレイの肖像」や童話「幸福な王子」「ざくろの家」が主な代表作。皮肉屋でもあり同性愛容疑で投獄され「獄中記」を執筆したりもしてます。
この時代にはバイロン等作品と性格と行いが一致しない芸術家が自分には非常に多い気がします。

この作品は舞台を『現代』に移して基本設定以外はほとんどのこっていないです。
原作はイギリスの幽霊屋敷に三百年住む幽霊が、屋敷を買い取ったアメリカ大使一家の前に繰り返しあらわれる。ところがアメリカ人一家はまったくこわがらずに、逆に幽霊をからかう。老いた幽霊は疲れてしまい「ゆっくり死の園で眠りたい」と願う…。アメリカ人一家の心優しい娘ヴァージニアが幽霊のために祈りを捧げ成仏させる。 

映画は主人公の少女でなく気弱な少年を中心にした『少年の成長ファンタジー』になっています。

ここまで変えてオスカー・ワイルドの名前を冠にすると流石に呆れてしまいます。
とはいっても原作を忘れて観ると普通の子供向きファンタジーとしては及第点なのが救いでしょうか…微妙。


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2 コメント

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何も知らずに… (悠雅)
2006-06-11 09:19:13
オスカー・ワイルド原作と聞いて観て、

ロマンチックだし、可愛いし、普通にいいファンタジーだわ、って思ったんですけど。

こちらでの原作のあらすじだけでも、既に随分な違いですね。

枝葉末節はともかく、「物語の本質が違う」と仰ったのがわかります。

これじゃあ、原作じゃなくて、原案程度ですもんね。



だけど、

日本人に売る場合、オスカー・ワイルドの名前が必要だったのかもしれませんね。

実際、わたしもそれで観たのですから。
原案 (arudenteな米)
2006-06-11 19:17:45
・ 悠雅 様



原案というか取っ払いすぎると基本しか残らないので本当に微妙でした。



売るのには名前が必要なのはわかるのですが

『○○と××の△△』という文字の組み合わせが更にパチモン臭さを倍増してます。



普通に良いファンタジーなんですが…