三重県に住んであと少しで三十年。うちの子は一足先に三十路です。あっという間に時間は過ぎていきます。近ごろ、特にきっかけはないんですが、ああ、あと二十数年、あっという間に過ぎて、父のように違う世界に行くのだなとイメージすることが、少しだけできた気がしました。
そんなに遠いことではなくて、わりとすぐそこにあるのだと、兼好さんも書いておられましたが、少しだけ実感として伝わってきました。
そうか、二十数年もないかもしれないし、二十数年あったとしても、あっという間か……。
私は何をしたでしょう。何もしてはいないけど、何かはしてきたし、これからも何かはしていくことでしょう。そんなにたいしたことはできないし、つまらないことばかりをしているはずです。
つまらないことをしていくことが人生なのだ。だから、実績・業績・結果なんて、つまらないことなのだ。どれだけみんなと今を楽しめたか、それが大事なのだ、というのは冷静になると理解できます。
でも、あまりみんなと楽しい時間を過ごせていませんね。人に迷惑をかけたり、みんなをハラハラ・ヤキモキさせたり、いやなヤツとしてしか存在していない気がする。
一人か二人くらい、私のことをほめてくださる方もおられますが、そうしてくださるおかげで少しだけみんなと楽しく過ごせるときもありますか。
私みたいなものをほめてくださる方というのは貴重です。私は、ホントにいいところがなくて、自分ではかけがえのない、おもしろい人材だと自負しているのに、いざ人の中に入ると、実につまらないし、ほめるところがありません。
自虐はやめておきますか。
とにかく、そんなに遠くないというのが実感できた、ということです。
今日は、あれこれ自分なりには動いたんですよ。でも、ちっともまわりを動かすことはできなかった。そして、コンビニ決済なるものにも挑戦しましたが、前に一度だけチャレンジしたときはうまくいったのに、今回は門前払いでした。ああ、悔しい。何か違うなと思って行ったら、やはり何かが足りなかった。
まあ、いいや。そんなことはいつものことでした。
ちっとも何も進まない私の日常なのに、時間は着実に過ぎていきます。
昨日は、ずっと一日雨でしたが、お仕事をがんばりました。でも、パッとしなかった。
一昨日も、お仕事をがんばりました。土日なしでがんばっているけれど、何をしたの？
と考えてみると、たいしたことはしていない。
たいしたことって何だ？ 何がたいしたことで、何がたいしたことでないのか。
私がすることって、たいてい、ほとんどすべてたいしたことではないじゃないの！
そうでした。どうしようもない。
せいぜい家族と一緒に過ごし、おいしいものを食べ、イヤなことからは逃げて、時々は義務的にお仕事をがんばり、だれかに喜ばれることを探して、こっそりとみんなが知らないうちにしてあげて、時々は友だちにハガキでも書いたり、メールしたりして、忘れられないように努力して、時々は友だちを訪ねたりして、少しでもあっという間の時間を楽しく過ごしていきたいです。
そんなに焦ってはいないのです。でも、やたら時間は過ぎていくので、それが少しだけ悲しい。あまりたいしたことはできないけれど、何か人に喜んでもらえることがしたい。
うちの子も心配だし、母も心配。奥さんは心配しないでいたいけど、心配になったり……。ああ、何だかどっちつかずの、フワフワしたオッサンだなあ。
そのフワフワの中で、がんばりましょう。
今から何をする？ 司馬遼太郎さんの「燃えよ剣」でも読みますか。上巻の半分は行きました。あと少ししたら下巻かな。早いじゃないですか。何だかこれは楽しい。
