甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

迫りくる危機を前にして

2021年08月07日 12時43分05秒 | 海と水辺と船と

 先日、鳥羽市にある海の博物館というところに行きました。ものすごく暑いのに、そんな日に海の方に出かけるなんて、私は相変わらずアホでした。また、目が悪くなった気がして、今も何だか落ち着きません。

 ここには二回目の訪問で、前回と同じく、アクセス道路のひどさにうんざりしました。都会の人は、何だこの道、これで観光道路? これでお金取るの? と思うだろうなと思いつつ、ウンザリして走りました。田舎の人間は、「こんなところに立派な道路を通してもらって!」と喜んだと思いますけど、都会の人と感覚違うだろうな。そこは少しザンネンです。十何年ぶりかで通った私は、これでは都会の人にバカにされるだろうなと思いました。

 子どもが小さい頃は、こんな道も仕方がないかと思ってたんだと思いますが、何事にも短気になってしまう今となっては、もう話にならないくらいに、曲がったり、上がったり降りたりでした。地形に合わせて道は作ったと思われますが、あまりにひどかった。そういうところをウネウネと走るライダーなら楽しいのかもしれないけど、短気なクソジジイの私には、耐えられない道でしたね。

 だから、もう二度と行かないと思います。今はお金取ってないのかな。取ってるのかどうか、それもわからないくらいに、イライラして走りました。せっかく一人でドライブしているのに、もったいないことをしました。もう二度と通らないようにします。

 というんで、海の博物館の二度目。



 昔ここに来た時も、夏だったから暑かったかもしれません。今回も同じ。こんな暑い時に、エアコンも効かないだだっ広い倉庫みたいなところを、汗をかきかき歩くのなんて、どんなステキな展示がしてあっても、ちゃんと見られなかったでしょう。

 でも、思わず見入ってしまった展示があって、しばらく何も言えない気分になったコーナーがありました。

 前回にはなくて、今回新たにできてたのは、津波の恐ろしさを伝えるモニターでした。

 山田、宮古、陸前高田? そうした岩手の海沿いの町の定点カメラが、道路を走るクルマを映し出していました。もちろん、それはすぐ後に津波が来るはずでした。信号のところを通過したクルマたちが、運転する人は見えないのだけれど、クルマの動きで、焦っているのがわかって、直後に信じられない高さの波が押し寄せていました。

 この町も、あの町も、道路の定点カメラでは襲われたときの様子が出てきます。もう十年以上前のことだけれど、今だってそういう事態になれば、みんな同じように焦り、逃れようとし、ジタバタするでしょう。

 それにしても、クルマの中の人たちは、津波が来るって思ってなかったんですね。大丈夫と思っているから、津波が来そうなところにクルマを走らせていた。

 誰かを助けに行くところだったのか。逃げてる途中で道を間違えたのか。まだ大丈夫と思っていたのか。それとも、普通に仕事をしている途中であったのか。どっちにしろ、みんなあんなことになるとは想像できてなかったのかもしれません。



 一台の車が前から来る津波を見て、道の真ん中でUターンしました。その後ろの軽自動車もそうしようとしていますが、なかなかうまく行かなくて、もしかしたら、波にのまれたのかもしれない。でも、津波中継をやっているわけではないので、カメラはただ波が押し寄せてくるのを映しているだけです。今さらながら、無事を祈るしかありませんでした。過去の映像に対してです。

 石巻の、町を見下ろす高台からは、沖へ出て行こうとする二隻の船をとらえています。これは、避難した人が海を見つめながら、津波がやって来て町を襲う様子をとらえていました。

 たぶん、これと同じ時間には校舎ごと津波に襲われた小学校では、先生たちが子どもたちをどうするべきか、悩んでいたことでしょう。

 二隻の船は、波に向かって直進して波を乗り切る作戦だったのでしょう。サーフィンじゃないんだけど、昔から使われてきた方法で津波に立ち向かおうとしたんでしょう。小さな波ならそれでよかったのか……。

 エンジンをふかしている煙が見えました。波に垂直に進んでいけば、船は助かるんでしょうか。みんな極限の勝負に出てたんですね。

 波は、町を襲い、動画を撮ってる人が二隻の船を探すと、一隻しか見えず、一隻は波にのまれたのかもしれませんでした。

 今度は、地震の直後に仙台空港を飛び立ったヘリが、波が押し寄せる様子、閖上(ゆりあげ)のあたり、福島第一原発が波に現われる様子、そして、空港に戻ってきたら、空港は水の中だったという悪夢のような映像、そういうのをほんの10分足らずだったと思われますが、凍り付いたみたいに見ていました。一瞬は暑さも忘れていた。



 私たちは、十年経ってどれくらい賢くなったんでしょう。

 津波が恐ろしいものだというのは学びました。でも、それを現実の場面でどれくらい実践できるか、それは危なっかしいです。

 何年も続くウイルスに対してはどうでしょう。つい一年ほど前、その時には政府の皆さんの景気刺激対策のゴートウ・キャンペーンなるものに踊らされ、ワクチン注射なんてまるで考えてませんでした。

 今は、二回注射しても、熱が出たり、三回目が必要だったり、とにかく注射にすがっているけれど、相変わらずオリンピックで浮かれている人たちもいる。わざわざ姫路から札幌に見に来たという人もインタビューされていましたし、テレビもそんなの平気で流している。世の中を切り取ったつもりなんだろうか。

 世の中なんて、新しい変異ウイルスが出たとしても、地面が割れたとしても、地球が終わりだという時になっても、みんなでワイワイ騒ぎたい人はいるんでしょうね。それは仕方のないことで、そういうのを織り込み済みで世の中に向かって行かなきゃね。政治家・財界の皆さんも、自分の利益ばかり考えてないで、世の中を落ち着かせてほしいんだけど、無理なんだろうな。

  

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