甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

謙譲の美徳……私たちがなかなかできないこと

2024年03月04日 09時20分03秒 | つれづれ草の抜き書き

 私たちにとって難しいことの一つ、人に譲るということ。どうしてできないんでしょうね。もちろん損得勘定もあるだろうな。自己顕示欲もあります。人に負けるのも嫌だ、というのもあるかもしれない。

 なかなか、私たちは自分を抑えるということができないらしいのです。

 何事にも入りたたぬさましたるぞよき。よき人は、知りたることとて、さのみ知り顔にやは言ふ。

 何事についても、深く立ち入って知っているふりをしないでいるのが、よいものである。教養のある、立派な人は、よく知っていることであっても、そうむやみに知ったかぶって言うであろうか。

 私はなかなか人とつきあうことが少なくて、人というのはあれこれ思いのたけを聞いてもらいたいものなのだ、と理解しています。だから、聞きかじりであろうが、ついつい生半可な知識を振りかざしてしまう(自分規準でものを見るのは私の悪いクセですけど)。

 片田舎よりさし出でたる人こそ、よろづの道に心得たるよしのさしいらへはすれ。

 これに反して、片田舎から都に出てきたばかりの人は、あらゆる方面に精通している様子の返答をするものである。

 何だか兼好さん、少しイジワルな感じがするけど、どうなんだろう。まあ、私みたいな知ったかぶり、お調子者、いっちょかみは、「田舎臭い」というのか、「うるさい」というのか、「わずらわしい」というのか。ああ、センス良く黙っていることって、なかなか難しい。そんなおしゃれな人になりたいです。私は、調子に乗ってるか、たいていはボンヤリしたマヌケ面かのどちらか。ものすごくオンオフの落差があります。

 センス良く黙っている。ポイントはしっかり押さえておく。そんなのできないよ。それより、ゆったりした関係で、じっと黙ってても責められないし、意見する時は聞いてくれる、そういう空間を作ってくれないの? そういう仲間がいないと無理ですね。

 されば、世に恥づかしき方もあれど、自らもいみじと思へる気色、かたくななり。

 それゆえ、聞いているこちらが非常に恥ずかしさを感じることもあるけれど、その本人が自分でもえらいと思っている様子は、見苦しいものである。

 自分でも私は「いみじ(すごいんだ)」だと思っている本人の姿は、「かたくな(何だか素直じゃない、意固地だ、心が開かれていない感じ)」という風に見えるということだそうです。

 だから、

 よくわきまへたる道には、必ず、口重く、問はぬ限りは言はぬこそいみじけれ。〈79段〉

 よくよく事情を知りぬいている方面のことについては、必ず、物の言い方を慎重にして、人が尋ねない限りは発言しないでいるのが立派なのである。

 身の処し方って、なかなか難しいです。ついついやりすぎてしまったり、じっと自分らしさを出せなかったり、適当な加減というのが見つけられない。適当なバランス、ほどよい感じ(中庸)を見つけるのは簡単ではないみたいです。



☆ 古文単語の勉強です!  次のことばの意味は?
 1・入りたつ       2・心得たるよし
 3・さしいらへ      4・恥づかし
 5・いみじ        6・かたくな

[意味] ア・すばらしい     イ・応答、返事   
     ウ・精通する     エ・分かったぶり 
     オ・見苦しい      カ・こちらが恥ずかしくなる

☆  損得勘定ではなく、「口重く、問はぬ限りは言はぬ」人の方がステキだ、という価値観の問題でした。「田舎者(かたくなな人)」とは、住む場所のことではなく、心の問題なのだ、ということでした。まさにその通り、中枢にいても、「知らない」「関係ない」「責任はない」「支払いなどしない」と自己の利益を必死に守ろうと「かたくな」な人はいます。どうしようもできないけど、困ったなあ、とんでもないなあと思うばかりです。なのに、また彼らは凱旋して「バンザイ」を叫ぶつもりでしょう。薬はないですね。



☆ [ことばの意味の答え]
   1・ウ  2・エ  3・イ  4・カ  5・ア  6・オ



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