甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

フン、クー、ポーのトリたち

2022年06月08日 21時39分13秒 | トリたちとともに

 この前、紀伊半島の南を弾丸ドライブしたとき、朝、車に乗ったら、フロントガラスの運転席のまん前に白いフンみたいなのがポツリとありました。

 そんなに広がっていないし、ほんの二センチくらいのかたまりだから、まあ、そのうちに何とかなるだろうと、飛び出していきました。気持ちも弾丸だったんですね。

 普通なら、ウォッシャー液を走りながら何度か吹きかけて、ワイパー動かしてこすり取るのだと思います。でも、それをしないのが私で、あまり気にならず運転していました。

 母やうちの奥さんでも、「それは邪魔じゃないの?」とか、「汚いから洗ったら」という感じかもしれませんでした。けれども、幸いにひとりで乗っているし、雨は降りそうにないけど、そのうち何とかなるだろうと思ってました。というか、ワイパー動かすのも面倒だったのかもしれません。何というモノグサなんでしょう! それくらい気持ちは南をめざそう、という気分だったのかも!

 お昼過ぎに串本を回って、橋杭岩を見て、「こりゃ、ガソリン入れなきゃダメだ」と思って、ガソリンを入れましたけど、セルフのところがなくて、オジサンが担当してくれる普通(フルサービス)のガソリンスタンドでした。

 それまでは何とも思っていなかったのに、オジサンがフロントガラスのトリフンをこそいでくれて初めて、「あらまあ、申し訳ない」と小さく声に出したけど、オジサンは淡々と拭いてくれていました。たぶん、何だこの客は! という憮然としたところもありました。ニコニコではありませんでした。まあ、当たり前です。


 今さらながら反省しましたが、もう遅かった。

 それくらい、うちのクルマは青空駐車で、トリたちの攻撃にさらされています。そして、それだけではなくて、近所を歩くお散歩チビ犬たちに目の敵にされていて、うちのクルマの横に来ると、オシッコを引っかけるそうです。

 ご近所の奥さんが妻に、「どこそこの犬はいつもオシッコしている」とか、「この前はウンチしていた」とか、ワンコの糞尿には詳しい方がいて、あれこれ顔を合わせるたびに教えてくれるそうです。

 まあ、うちは、ワンコのシッコには割と寛容です。フンは踏むのが嫌だから、水流で側溝に吹き飛ばすんですけど、そんなにしょっちゅうというのではありませんでした。

 そして、その近所の奥さんちは、スズメのマンションになっていて、何家族かで雨どいに暮らしているようです。だから、その方の責任ではないけど、「トリたちもよくフンしてねえ」と申し訳なさそうに話していた、ということでした。

 私は、毎朝、起きたての家族の生の声を聞かせてもらって、少しうれしかったりするんだけど、それはどちらかというとマイナーな感性ですね。普通は、スズメの家族なんて、うるさいだけだし、フンは困ったものだ、となるんでしょう。

 

 そういえば、うちの小さな木で子育てしていたキジバトの子どもたち、三羽いたのかもしれませんが、一羽はカラスか何かに連れ去られたのか、お休みの日の静かな昼下がり、ものすごい鳴き声が一瞬して、ただならぬ出来事が起きた雰囲気があって、キジバトの巣が静まり返り、「ああ、ハトの子はいなくなったのか」と思ったことがありましたけど、そうではなくて、ちゃんと二羽大きくなって、巣立ちをして、もう巣は空っぽになりました。

 いつも子育てに失敗するキジバトたちなのに、今年はどういうわけか、二羽も育つなんて、信じられないことが起きました。ハゲボウズのチュンチュンの木だったのに、隠れる場所もなかったのに、あんなところで子育てしたなんて、大したものでした。

 近所には住んでいるみたいだから、また自分の生まれたところに遊びに来るかもしれません。話はできないけど、「何しに来たの? 元気? 君はお兄ちゃんの方、弟の方?」なんて話しかけてみましょう。


 そういう鳩ばなしを、うちの奥さんが知り合いの方に話したそうです。そうすると、その方から、

 私はキジバトと暮らしたことがある。

 というのを聞かせてもらったというのです。

 その方によりますと、傷ついたハトを手当てして育ててるうちに、ハトはとてもなついて、ハト族がよくするように、その方に熱烈キスをしてきたというのです。傷は癒えても社会復帰できてない、飼われハトになってたらしいのです。もうハトはその方と気持ちとしては家族で、愛し愛されしたかったようです。15年一緒に暮らして、最後はその方の手の中でクーと静かに息を引き取ったということでした。

 うちのハトたちも、人と暮らしたら15年は生きていくのかもしれません。でも、私たちは人間そのものもホッタラカシが好きなので、ハトにもあまり仲良くつきあうスベがなくて、楽しいかもしれないけど、そういう別れは何だか辛いし、なるべくそういうのもしなくて済むように生きていきたいな、なんて思っているのかどうか、とにかく、グータラで生臭な私たちは、野放図に生きていくのです。時々トリたちの鳴き声を聞くだけです。

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