甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

独立国って、どうしたらなれる?

2017年11月01日 22時44分45秒 | 私たちの社会・世界

 スペインの東北端のカタルーニャ州が独立をめぐってスペイン中央政府と争っているようです。すんなりいくのかと思ったら、意外とまわりの国は冷たいみたいで、内政干渉はせず、中央政府の処置を支持しているようです。そして、独立推進派のプチデモンさんはベルギーに亡命みたいにして、すでにカタルーニャを脱出しているということでした。

 なあんだ、あんまり本気じゃなかったんですね。もっと中央政府とやり合うのかと思ってたのに、自分が拘束される可能性があるのなら、国外逃亡してしまおうなんて、今風というのか、やるだけやってダメならトンズラするなんて、ドライな政治家なんですね。

 昔の政治家なら、たとえ中央政府が身柄を拘束し、裁判に掛けられたとしても、
「私を国民は支持してくれるのだ。マドリッドのやつらに、カタルーニャの気持ちがわかるものか」とか、もっと抵抗して欲しかったなあ。それをしたら現代の政治家ではないのかな。

 抵抗し続けるなんて、ムダだったんでしょうね。できる人は違います。そんな人を支持して、独立できると淡い夢を見た人々がかわいそうでした。人々はついつい踊らされていたんだと思われます。

 よくわからないけれど、プチデモンさんは適当なことを言ったんでしょうか。

 「自分たちはマドリットのやつらに搾取されている。カタルーニャはスペイン経済の5分の1を握っていて、そうした私たちが他の貧しいところをサポートさせられている、そんなのは不公平だ。カタルーニャ・ファーストで行きましょう! 」

 確かにたくさん吸い上げられているんでしょう。税金は税収が上がっているところに使え。私たちのお金をよそで使うな。というのは、よくある理屈です。

 どこでもたいていそんな状況が多かれ少なかれあるような気がします。

 たいていの人々は目をつぶっています。自分たちだけが豊かであることは、それは結局は自分たちのしあわせにはつながらないと自分で納得させている。お金がたくさん儲かるところから、そんなに儲かっていないところに流れても、いつかは自分たちのところにもどってくるのだと、思うようにしていて、それが現実にうまくいくときもあったように思います。

 でも、あちらこちらでパンドラの箱は開けられていて、米国でも開けられて、放言と無策の自分本位の大統領が選ばれました。あの人が強引に自国に有利なように動いている、とアピールはしていますが、結局はみんなが不幸になり、世の中がうまくいかないようになると思います。そうなった時に、やはり自分たちだけが安楽に暮らそうという考え方そのものが間違っていたのだと気づいてもらえるはずですけど、時間がかかります。数年とか、十年とかかけて感じてもらうしかないんでしょうね。

 米国で、唯我独尊的な政治家が1年ほどトップにたっているけれど、おかげで米国の利益は優先させられる、ということになっているはずだけど、あまりたいしたことにならないで、混乱だけだったなと、気づくには時間がかかります。

 あれは、米国としての独立宣言みたいな、自己中心的な選択による、わがままな大統領の選択になりました。

 スコットランドは、何年か前に、独立するのかと投票してみたら、イングランドに未練もあって、スコットランドだけでやっていこうという人もおらず、そのまま英国連邦にとどまりました。アイルランドは、気風も違うし、島だから、西部は独立している。東北部は英連邦に近いということもあって、いまもとどまっているし、将来もとどまっているでしょう。

 肝心の英連邦は、大きな1つの共同体になろうという、人類の実験場のようなEUから出てしまいました。あれはイギリスとしての独立宣言でしたね。英国の首相は、今までの流れからいくと、ヨーロッパ全体の人類史上最大の実験であるEUにとどまり、責任ある地位をキープしたかったのに、国民が実験からの脱落を選んだ。

 これも、米国と同じで、世界の混乱を引き受ける勇気を捨てたのだと思われます。

 米国も、英国も、人々が多数決で決めると、後ろ向きの選択しかできなかった。



 もちろん私たちの日本も、後ろ向きで、世界の窓はなるべく閉じつつ、商売はどんどん推進して、企業はグルーバル化して、業績はアップさせる。でも、人々はその企業と一緒に海外に出るわけではなくて、企業組織だけが出て行き、国内は空洞化が進んでいる。

 だれもこのしぼもうとする日本を、改革開放できていないので、とても人物としては信用できないのは百も承知で、経済優先ということで今の政府を選択した。

 周辺諸国との危機をあおり、周辺諸国とのチャンネルを持とうとしない、自分だけが門戸を開き、世界とやり合うことのできる存在だと主張し、自国の経済的発展を強調する作戦は、今秋も大成功でした。

 私たちも、よその国と同様に、自国の経済と自分たちの光栄なる独立を高らかに歌いたい。自衛隊を強化し、外国のミサイルもすぐに察知し、いつでも打ち落とせて、米国と軍事同盟をさらに強化させる。それがこの国を守ることなのだと宣言し、人々もそれを支持したカタチになっている。

 みんなが外国(よその地域)の経済状況を言い、自分たちだけはよそとは違うのだ、この豊かさを続けるためには、よそと対立し、決別し、自分たち独自の位置を確保しないといけないのだ的な訴えが、どういうわけか受け入れられている。

 改めて書きますが、その訴えは間違いです。

 自分たちだけが豊かさを享受し、よそのことは知らないと切り捨てるのはまちがいです。よその混乱は自分のところの混乱であり、よそごとと見ていても、いつかは自分たちに返ってくるのです。

 ミャンマーの海岸地方の異民族・ロヒンギャ、そんなの知らない。アウン・サン・スーチーさんはやるでしょう。

 混乱・内乱が続くシリア。いいかげん戦争は終わって欲しいけれど、どこが勝っても同じで、アサドさんがやりたいというのなら、ロシアのバックアップでやらせてあげたらどうだ。ロシアに対抗したいから、反政府勢力を西側がサポートするのは間違っている。少しずつおさまっているみたいだから、早いとこ決めてくれ。どっちだって同じさ。

 そのシリアの北部とイラクの北部のクルド人の住む地域。独立をめざすような動きがあるみたいだけど、どっちだっていいから、もう戦争はやめろ。

 私たちの無関心は、適当なポジションでいい加減な意見のまま、どっちでもいいやと思ってたりする。

 確かに、簡単には決められないし、そこには当事者がいるんだし、その人たちが決めるべき問題ではあります。

 でも、遠くにいる、ミスばかりしている私たちとしては、自分たちも同じような失敗を繰り返しているのだから、それと同じように、ミャンマーも、シリアも、クルドの人たちも、北朝鮮の人たちも、中国の人たちも、失敗はするでしょうけど、私たちからは「よそを無視しない、決して切り捨てない、どんな国とも強い関心でつながっていたい」と思うのです。難しいですけど……。

 私たちだけが、豊かさを追求できるわけがありません。よそで大変なことがあれば、当然私たちも混乱するし、不安になるのだと日々言い聞かせていきます。


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