甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

七十年代にヒントを探せ!

2017年12月19日 21時14分01秒 | High School Days

 中三のころ、たまたまラジオで古今集から新古今集までの日本の和歌についての講座がありました。何も知らないのに、熱心に聞くことになりました。

 和歌の世界をのぞこうとしたきっかけは何だったんだろうなあ。思い出せません。講師の先生は「安田あやお先生」でした。声だけで安田先生のお弟子さんになった気分で、いっぱしの和歌フリーク気分でした。

 岩波文庫で、古今集と新古今集を買いました。新古今は★が三つで、百五十円だったのかなあ。信じられない安さでした。でも、私としては高い買い物でした。それから四十年余り過ぎて、カバーは四十年つけっぱなしで、背表紙も文字が見えないので、どれタイトルを書いてみようとしたら、もうペンで触れると穴ぼこがあきました。

 びっくりしました。本はそれなりの古さなんだけど、カバーはとがったペンが触れると、穴が開いてしまうなんて、くたびれていたようです。

 四十年は、紙がクタクタになる歳月でもあるわけです。

 どうしてそんなわかりきったことが書きたいのか。まあそれは、七十年代のことが気になったからです。


 夏に彦根の半月舎という古本屋さんで「日本シネマ紀行」(1993 現代教養文庫)というのを買いました。

 その本をちらちら見ていると、七十年代は、日本映画の一つのピークではあったのだなと思わされたのです。七十年代後半には「スター・ウォーズ」などのハリウッド大作がどんどんやってきて、日本映画界はズタズタにされ、映画産業もどん底に落ちていくわけですが、その前後にいろんな作品が生まれています。

 「あゝ野麦峠」(1979新日本映画)山本薩夫監督 大竹しのぶ 原田美枝子 地井武男……残念ながら私は見ていません。見るチャンスもあったような気がしますが、あえて見逃していました。感動ものは敬遠していたようです。今なら見られるだろうか。自信がありませんね。

 野麦峠だから、岐阜県の高根村のレポートが書いてあります。まだ、読んでないので、私にはわかりません。

 「忍ぶ糸」(1973 俳優座・東宝)出目昌伸監督 栗原小巻 加藤剛
 うちの父と母もわざわざ見に行きました。感想は何も聞かなかったけれど、大人が見る作品なんだろうとは思っていました。うちの親たちは「エマニエル夫人」だって夫婦で見に行きましたからね。大人の映画は、成人映画だけじゃなくて、感情がモヤモヤするのが楽しいんだろうと思っていました。これも見ていない。というか、見てはならない作品として封印しました。

 この本によると、伊賀上野で二ヶ月かけてロケをしたそうで、当時の風景と今がどう違うのか、そちらの興味はあります。でも、たぶん見ません。私って、変なとこで意固地になるんです。だから、たくさん損をしています。無駄もしています。

 「復讐するは我にあり」(1979 松竹・今村プロ)今村昌平監督 緒形拳
佐木隆三原作のノンフィクション。私はテレビで見ました。こんな映画が作られていたなんて、何だか怖くなります。たくさんの女性をどういう理由なのか殺してしまう。それがわからなかったけれど、怖さを感じました。

 当時から、映画でわざわざ殺人を描く必要はないし、そういうものをもとにして作品が描かれてはならないと思っていました。私には昔も今も偏狭な視点しかなかったので、どう転んでも許せない作品ではありました。世間的には評判は高かっただろうけど、ダメでした。

 「トラック野郎・突撃一番星」(1978)菅原文太 愛川欽也 下呂を舞台にしていたそうです。このシリーズも流行っていましたが、一本も見たことがありません。いつかテレビでやってくれないかな。今だったら楽しめそうな気がします。何も偏見もなく、純粋に楽しめるような気がします。

 「鬼畜」(1978 松竹)野村芳太郎監督 緒形拳 能登が舞台になっているそうです。
 これもテレビで見ました。たぶん、学生時代に見たのかもしれない。まるで憶えていないけど、話題になったのは知っています。監督は頑張ってたんですね。

 「砂の器」(1974 松竹・橋本プロ)野村芳太郎監督 丹波哲郎 加藤剛ほか
出雲が舞台だった印象がありました。この本を見たら、伊勢の二見が物語的には大事だとあります。原作も読みましたが、記憶にありません。カッパノベルズを無理して買って、お金がないからしばらくしたら古本屋さんに持って行ったはずです。

 七十年代、司馬遼太郎全集は少しずつ買ってましたが、同時に出ている松本清張全集には興味がありませんでした。まあ、推理小説って、好きじゃなかったようです。それは今も同じかな。でも、伊勢の二見、どんなふうに描かれていたのか、読みたくなりました。何とか努力してみます。

 ほかにももっとあるような感じですが、もうやめにします。この本は、朝日新聞の社会部の人たちが映画の舞台になったところを訪ねて、それで記事を特集で書いて、本にまとめたもののようです。当時は朝日文庫は出ていなかったから、社会思想社から出たようです。


 七十年代、日本映画は全国各地に取材して、あちらこちらでドラマを切り取ってきました。だから、映画ネタで旅ができた。私の本は中部東海のゆかりの地を訪ねるだけで一冊になっている。

 今は、ドラマというと、東京中心だけれど、映画やアニメは、今でも各地を取材して作品作りがなされているようです。

 形は変わったけれど、若者たちの聖地巡りも、だれかのお仕着せじゃなくて、自分で映画のふるさとを訪ねたいと自発的に動いているようです。

 今の若い人たちの情熱の方がたくましい気がします。でも、残念ながら、今の映画は、地方に取材するヒット作がないような気がする。たとえ地方に取材しても、それは地域おこしにはなるかもしれないけど、一時的で、なかなか大きな流れになりにくい。

 地方を舞台にしたヒット作、これから生まれるんだろうか。できれば、物語を地方から生み出して、大きな流れになってくれたらいいのになと、七十年代作品を見て思いました。

 ああ、七十年代と懐かしがっても仕方がない。もう、緒形拳さんも、松本清張さんも、司馬遼太郎さんも、文太さんも、健さんもいない。二十一世紀の私たちが、今の時代に合致した物語を作れたら、それはいいのにな。ヒントはあるかな。

 殺人ではない。大人の恋愛でもない。衝撃なエッチ作品でもない。アニメでもない? いや、アニメの方が何か生まれそうなパワーを感じる。

 今の時代に合った作品って、何なんでしょうね。ドラマも見ていない私には、わかりません。今にふさわしい映画だけの特別のキャラも生まれないか……。


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