甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

ちょっと心臓が……

2024年01月22日 20時08分49秒 | High School Days

 先生、「まさか、そんなことはない」と、完全にうっかりしてたんですけど、そんなことが簡単に起こってしまった。というか、もうずっと前にそうなってたのか……。

 先生との出会いは、高校の入学式の時でした。何十年も前のことでしたね。入学した生徒たちの名前を、担任の先生が順番に読み上げておられた時でした。とても衝撃的な出会いでした。

 何クラスあったんだろう。読み上げの後半のクラスの時です。私は3組だったから、もう呼ばれた後でした。講堂の中で立ってたんだっか、着席してたのか。ボンヤリと呼名が終わるのを待ってたんでしょう。私の仕事は済んでたんです。

 ごく当たり前の儀式として、高校の入学に際しては、こんな少し古めかしい呼名みたいなのがあるんだなと思っていた、かもしれない。私は、どちらかというと、儀式は苦手で、「名前を呼ぶだけなんて、意味ないよ」なんて思ってたかどうか、とにかく、少し飽きていたかもなぁ。入学の緊張に疲れてた、ということなのか。

 その先生が読み上げる番になって、一人ずつ名前を呼んでいました。当たり前に進んでいた。でも、突然、先生は緊張したのか、途中でやめたか、席を外したか、どうだったか、よく憶えていませんけど、突然呼名はストップになりました。

 先生の去り際の「ちょっと心臓が……」ということばは、ものすごく私たちの耳に残りました。高校生活が進んでいくと、あの先生は、保健体育担当の方だというのと、緊張するタイプなのだ、ということはわかりましたけど、入学式に参加した新入生全員とその保護者と教職員みんなが、「心臓の弱い先生がいるんかな」とは思ったことでしょう。でも、ホントはそうでもなかったのに、変な式典だけは緊張されたようです。私も、どちらというと、そういうタイプだった……。

 こんな晴れがましい節目の式典で、担任として呼名していて、それを途中で止めなければならないなんて、ものすごく挫折感を味わったことでしょう。

 先生はその時、30歳で、それからあとの授業では、丁寧な指導と、保健体育科の教員という一般的なイメージからは遠い、何となくインテリ風の指導で、「なぁんだ、普段は普通に接していただけるのに、あんな変な緊張をさせる場面では、変な緊張をするんだったんだな」と理解していったわけです。先生とも少しはお話しできるようになったんだったか。

 先生のご指導でラグビーなどをさせてもらった時は、スクラムを組ませてもらったり、タックルしたり、バックスとして突然ボールを持って走らされたり、いろいろと勉強させていただきました。だから、私はずっとサッカーよりもラグビーが好きな人間だったんですけど、90年代あたりから少しずつサッカーも好きになったんでしたっけ。ラグビーは、小さい人間もすばしっこさで役立てるんだから不思議だった。

 あっという間に、卒業式になって、またも呼名の時間がやってきます。卒業生の私たちは、三年前のことがあったから、どうなるんだろうとハラハラドキドキして先生を見ていました。自分たちが呼ばれることよりも、あの先生がちゃんと生徒の名前を呼べるのか、とても怖い気がしていました。

 先生の方を見てみると、やはり声は振るえ、危なっかしい感じでした。でも、今回は、ちゃんとベテランの体育科の先生が、先生の背後に立って体を支えてあげているように見えました。ベテランの先生は、まわりの仲間を大切にする、「いろんな仕事を教えてくれた本当にありがたい先生だったんだよ」というのは、卒業して何年かして高校を訪ねた時に、他の体育科の先生が教えてくれました。

 私は、この高校を出ていくけれど、こんなチームワークのある教員集団に教えていただいたのだと思うと、何だかうれしかった。教科はみんな仲良しに見えたけれど、数学科は何だかバラバラに見える時もあったかな? 教員の集団って、物は言わないけれど、何かを伝える雰囲気があったのかもしれないな。


 そして今日、先生の奥様から、夫は昨年四月に亡くなりました、というハガキをいただきました。何年か前に同窓会があって、何十年ぶりにお会いした先生から、バーベキューしよう、うちに泊まりにおいで! とお声かけしていただいたのに、とうとうコロナなどでお伺いすることもできず、今日まで過ぎてしまいました。

 何もできないのは私のいつものことだけれど、このどうしようもないバカの私として、何か先生に私の気持ちが届かないものかと、ブログに書いてみました。これからも、ずっとこういう無念・残念なことは続くでしょう。でも、少しでも悔いのないように、やれることをやって、みんなに声かけして生きていきたいです。

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