金曜の帰り、雨が降っていました。早く帰ろうと思ったから、わりと早いつもりだったので、それなりに街の灯りが撮れました。……どうして「パブリカ」なんだろう? わかんないなあ。そういう気分だったのかも。
田舎道だとノンストップですけど、市街地に入れば、すぐに信号待ちがあるし、右折左折、歩行者、路上駐車、いろいろあって、待機する一瞬に何枚か撮りました。私のポンコツのデジカメも、こんな時間にこんなものを撮らせられて、さぞビックリしていることでしょう。いや、もう慣れたかもしれないな。変な写真ならもうたくさんありますからね。
田舎の道なら、野生動物に気を付けるだけです。ゆっくり走っていれば、そんなに怖くありません。怖いのは、突如入り込んでくるノロノロのクルマです。そういうのに前をふさがれると、目の前が真っ暗になります。でも、なるべく短気にならず、このゆっくりしたクルマが入ってくれて、私のオッチョコチョイを指摘してもらって、「そうか、こんなにゆっくりと家に帰るということが、大人の対応なのだ。」と感じ入って、しばらくはそのあとに続くのです。
でも、近ごろは、基本的には目の前のことに対して短気だから、そのクルマが行く方向と違う道を選択して、家へと帰るのです。でも、また新しい道には、違う強敵もいる時だってあります。ああ、短気は怖いなあ。人生は同じことが何度も重なっていく。
市街地に入ると、近ごろはクラッシックはやめて、Weezerの「Island in the sun」のリピートにして、三回くらい繰り返したところで家に着きます。
昔みたいに、ヤンキー車の大音量にはしなくて、しっとりとロックした気分になっている。昔は、角を曲がったあたりでズカズカという音がして来たら、私が帰ってきたということがあったみたいです。近所迷惑なことしてたんですね。恐ろしい。
歌もうたわないのに、知ってるフレーズもないのに、ギターのソロパートはそんなに好きでもないのに、どうしてそれがロック魂なんだろう。
たぶん、いろんな人への愛と配慮と、そのために、その歌を聞かせるために、街へ出ていく、そういうところがWeezerなのかな。
いや、ロックの魂って、とにかく、いろんな人への共感がなくてはいけないと思うんです。そういう人の話を聞き、その気持ちになり、その心を歌う。だから、炭鉱労働者でなくてもそういう格好をして見せたり、工場をテーマに、そこでどれほど人間的なことがあるのか、それを見つけようとしたり、逆にドロドロした演歌的な感情をすべて捨て去って、自分はシンプルに生きていくのだと宣言したり、誰かの心を代弁する歌を歌わなくてはならない。
私にそういうロック魂はあるのか。
そんなにないけど、そういうのを身につけたいし、忘れたくないと思うのです。だから、柄にもなくロックなんだよ! と小さく叫びたくなるのです。
実際には、叫ばないし、スピーカーの音を大きくさせるだけだけど、自分の耳にあふれる音をクルマの中だけで鳴らすのでした。家ではそんなことは絶対にできないし、イアホンで聞くような、情けないことはしたくないのです。
かくして、私のクルマの中だけの内弁慶は突如として現れる。クラッシックでロックすることあるかなあ。あるなあ。
ベートーヴェンの交響曲第七番の第一楽章。これは、もう、ものすごい音を立てて信号待ちまで走ります。ストップしたら、すぐにボリュームを下げるけど、それまではものすごい音で、運転しながら右手を伸ばして、オーケストラに音を求めたりしています。いつもながらのアホな私です。
年とっていくんだから、そんなアホなことは控えなくてはいけません。でも、ながらスマホよりはましじゃないかな。いや、そういう問題ではないです。控えましょう。
★ 今日一日、ぼんやり過ごしていて、そうだ、あの歌があったと思い出しました。
クリーデンス・クリアーウォーター・リバイバル(CCR)の「雨を見たかい」でした。
あれも、雨のロック魂でしたね。
Someone told me long ago
There’s a calm before the storm
I know, and it’s been coming for sometime
When it’s over so they say
It’ll bring a sunny day
I know, shining down like water
There’s a calm before the storm
I know, and it’s been coming for sometime
When it’s over so they say
It’ll bring a sunny day
I know, shining down like water
誰かが昔言ってた。
嵐の前には静けさがある。
あれ、四行目から、簡単な単語なのに意味がとれないなあ。
やがて、きれいな水が降って、明るくなるよ、みたいなことを言ってるのかな。
I wanna know, have you ever seen the rain
I wanna know, have you ever seen the rain
Coming down on a sunny day
I wanna know, have you ever seen the rain
Coming down on a sunny day
僕は聞きたいんだ、雨を見たことがあるかいって!
明るい日ざしの下に降り注ぐ雨を、見たことがあるかいって!
この雨というのが、ベトナムの大地に降り注がれた米軍のナパーム弾だったということも、あとから聞かされ、アメリカでは放送禁止にもなったという1971年のシングル。そういうこともあったんですね。
ボクに、ロックの魂あるかな。禁止されても突き進む、強い気持ちがあるのか、今は不安だな。